あらすじ
料理が大好きな花小麦はある日、山の中で美味しそうなキノコを採取しようとしたところ崖から転落。そこへ偶然通りかかった孟郁槐に間一髪のところで助けられる。しかし、花小麦が採れたての山菜や魚介を調理していた小釜を見つけた孟郁槐は、山火事を恐れてそれを破壊してしまう! 彼と喧嘩別れした花小麦だったが、無愛想でもかっこいい孟郁槐に一目惚れ。その後、ひょんなことから孟郁槐に手料理を振舞うことに。丹精込めて作った料理を食べた孟郁槐の笑顔に気を良くした花小麦は、さらに彼の仲間から料理人として働いてみないかと誘われて…!
第1話 私に料理を作らせて
姉夫婦の家に居候していた花小麦(かしょうばく)は料理が得意。だが姉の花二蕎(かじきょう)の料理がおいしくないことを言い出せずにいた。そんなある日、崖の上の珍しいきのこを採ろうとして崖から転落するも、孟郁槐(もういくかい)に助けられる。その端正な顔立ちと振る舞いに心を奪われた小麦。そんな中、義兄の景泰和(けいたいわ)と交流があった郁槐を自宅に招いて食事をもてなすことになる。姉のひどい料理を見ていられなくなった小麦は、料理を作らせてほしいと懇願すると…。
第2話 料理人 小麦の誕生
小麦の料理に舌鼓を打った一同は大絶賛し、孫大聖(そんたいせい)は料理人として働かないかと誘うほど。小麦は二蕎に家の料理を任せてほしいと頼み、なんとか了承を得る。食材の調達に行った山で小麦はまた郁槐に助けられ、いつしか次に会える日を夢見るようになっていた。そんな中、小麦が笋脯(しゅんふ)を作っていると、この辺りでは買えないものだと関蓉(かんよう)から聞く。お金を稼いでみたいと思った小麦は、笋脯をたくさん作って市場で売ってみることにしたが…。
第3話 私、料理で生きていく
小麦は郁槐の口添えで、鏢局(ひょうきょく)での笋脯の売り込みに成功。しかし、市場へ戻ると、待ち合わせの場所に関蓉は居なかった。大雨の中、焦る小麦は鏢局に戻り、郁槐に助けを求める。結局、関蓉はすでに村に戻っていることが分かり、小麦は鏢局に泊まる羽目に。翌日家に帰ると、二蕎からは笋脯の商いを禁じられてしまう。失意の小麦は関蓉の紹介で、地元の名士である喬(きょう)氏から宴の料理を任される。だが当日、別の料理人が厨房にいて…。
第4話 商売への第一歩
喬家の宴では小麦の作った料理が大盛況。その腕に嫉妬した魏(ぎ)料理長は小麦を誘拐し幽閉してしまう。なかなか帰宅しない小麦を心配した姉夫婦たちの助けで、なんとか抜け出すことができた。小麦は、感謝の気持ちを込めて郁槐の頰にキスをする。一方、関蓉は小麦の救出に尽力した郁槐と彼女の距離が縮まったのではと心配した。そんな中、宴に参加していた潘(はん)氏の息子の平安(へいあん)は、小麦が作った菓子を町で売って商売をしないかと持ちかけ…。
第5話 恋も仕事も気運上昇
小麦は鏢局で趙一鳴(ちょういつめい)の持参物が偽物の香辛料だったことを見抜き感心され、趙(ちょう)氏からお礼に唐辛子をもらう。柯震武(かしんぶ)が誕生会の料理を小麦に任せるが、郁槐は仕事で当日は不在だと言う。そんな中、二蕎が小麦に縁談をもちかけるが郁槐のことが気になり縁談から逃げようと模索。小麦は遠方に行く郁槐のために手料理を準備し自分の気持ちを再確認し、二蕎からも縁談は断ったと言われ安心する。そして誕生会当日、料理の準備をしていると…。
第6話 料理の腕を試してみたい
二蕎は嫁いで3年経つが子どもができないことに心を痛めていた。強情な性格から村外の医者に診せることを拒んでいたが、小麦が機転を利かせて姉を町の医者に診せることができた。そんなある日、関蓉に誘われ小麦は隣村のおばあさんが営む屋台へ行く。自分も屋台で料理を出したいと考えた小麦は、二蕎に相談するが喧嘩してしまう。一方、彼女が屋台を開こうとしていることを知った郁槐は、協力するために小麦への贈り物を作って…。
第7話 あなたからの贈り物
大聖の食べっぷりのおかげで、村人においしさが伝わり屋台は繁盛店となった。関蓉も屋台を訪れ雑務を手伝うようになっていたが、小麦は生き生きと手伝う関蓉が店主のような振る舞いをしていることが釈然としなかった。一方、寒食節の休暇で村に戻ってきた郁槐。大聖の助言で小麦に贈り物を渡し、2人の距離は確実に縮まっていく。そんな中、関蓉と客との会話を聞いた小麦は、関蓉が共同経営者のような口ぶりで話しているのを聞き…。
第8話
郁槐が屋台に客を連れてきてくれて喜ぶ小麦だが、二蕎から郁槐の母は面倒な人だから嫁がせないと釘を刺されてしまう。そんな中、順調に育っていた唐辛子が、雨よけの屋根が崩れて押しつぶされてしまう。苗を救うために郁槐と小麦は趙氏の屋敷へ行き、そこで助けられるかもしれないと言われ一安心。その帰りに、小麦は趙氏を訪ねていた酒楼の経営者である宋静渓(そうせいけい)と出会う。一方、二蕎は潘氏から関蓉に関するある噂を聞くと…。
第9話 災いは重なるもの
関蓉に今までの怒りをぶつけた小麦。一件落着したところで、春喜(しゅんき)からの頼みで羅月嬌(らげつきょう)に料理を教えてあげることになる。一方、先日会った静渓が小麦の花を使った料理を食べたいと彼女の家を訪ねてきた。その目的は小麦を桃源斎(とうげんさい)に迎えたいと伝えるためであった。小麦はせっかく繁盛してきた屋台のことが気になり結論を待ってもらうことに。そんな中、業務に赴いた郁槐が盗賊に襲われたとの知らせが入る。郁槐のことが心配な小麦は…。
第10話 商売の
仕事も手につかないほど不安な日々を送っていた小麦のもとに郁槐が戻ってきた。無事を喜んだ小麦たちは安心して豪勢な料理で郁槐を労う。一方、関蓉もまた郁槐の無事に安堵し、さらに小麦ではなく自分の味方になってほしいと頼む。だが、郁槐の冷たい態度に傷つき、小麦へ怒りを募らせるのだった。そんな中、平安が小麦の商品を売り、町から戻ってきたが怪我をしていた。しばらくして小麦の屋台に安泰園(あんたいえん)の者が押しかけてきて…。
第11話 料理で人助け
小麦たちが平安を問い詰めると惨事を白状した。どう対策するかを考えていたところに屋台での一件を聞いた郁槐がやってきて、自分を用心棒として雇うように提案する。安泰園の連中が小麦たちの家に押しかけてくるが、小麦が桃源斎の関係者だと知るとその場を去って行く。なんとか騒ぎは収まり、小麦は協力してくれた鏢局の人たちへお礼に料理を振舞うのだった。そんな中、二蕎の診察の帰り道に、街角で料理対決が行われていたが…。
第12話 正義は勝つ
料理対決は文華仁(ぶんかじん)の想像通り、黄(こう)氏が汚い手を使い勝負していた。卑怯な方法で勝とうとしているのを許せない小麦たちは、譚(たん)氏の代わりに黄氏と料理対決をする。見事に勝利した小麦だったが、なぜか村では文華仁と小麦が恋仲であるという噂が広まっていた。噂が気になった郁槐は小麦のもとを訪ねるが、杞憂で終わり安心する。噂の出所を確かめるため小麦は春喜に突き止めてもらうことに。どうやら関蓉が関わっていることを知った小麦は…。
第13話 八珍会へようこそ
小麦は収穫した唐辛子を使って料理を作り、郁槐たちにふるまった。そんな中、宋静渓が再び小麦のもとを訪ねてきた。桃源斎への誘いの返事はまだだったが、桐安(とうあん)府の名のある酒楼が参加する八珍(はっちん)会に小麦を誘いに来たのだった。数多くの珍味を扱う料理の大会で、審査員には祖父が生前よく話題に上げていた汪童鶴(おうどうかく)がいると聞き、出場を決める小麦。桐安城の市場で食材を見ながら出品する料理を考える。そして八珍会が開催され…。
第14話 欲望が渦巻く飲食界
八珍会で小麦の料理は大絶賛。一方、韓風至(かんふうし)の碧月軒(へきげつけん)は、用意した食材が質の悪いものにすり替わっていた。それにより桃源斎は圧倒的な勝利を収める。小麦は宋静渓が中秋月宴の主催権を得るために不正していたことを知り、桃源斎の料理人になることを辞退する。小麦を心配して桐安城までやってきた郁槐は、小麦を七夕祭りの願掛けに連れていく。そこで郁槐は結婚を申し込み小麦も快諾。だが小麦は二蕎に反対されることを危惧し…。
第15話 願いが叶う日
二蕎の妊娠が判明し、待望の出来事に泰和と小麦も大喜び。だが、食欲旺盛すぎる二蕎に小麦は食べ過ぎを注意する。小麦と郁槐の縁談も進む中、小麦は郁槐の勧めで村外れの店舗で食堂を始めることに。1カ月の準備を経て開店の日を迎え、小麦は村人たちを店に招待し初日を盛り上げる。料理の匂いにつられた客がどんどん来店し、今後の盛況ぶりが見込める。そしてその日の晩、郁槐は母に結婚のことを切り出すことにするが…。
第16話 2人で歩んでいきます
気難しい郁槐の母は息子の結婚相手を見に小麦の店に押しかけ、言いたいことだけ言って去っていく。一方、郁槐を諦めきれない関蓉はなんとか自分を娶らせようと、関蓉の母親も巻き込み郁槐を罠にかけようとしたが失敗に終わり、郁槐の信頼を失う結果となった。そんな中、小麦の母代わりとしてふるまってきた二蕎は、感慨深く結婚の準備期間を過ごす。そしてついに結婚式当日。郁槐は小麦を自分の家に迎え、盛大に式を行う。
第17話 新たな挑戦
婚礼の翌朝、小麦は式の残りもので美味しい朝食を作り、郁槐の母も喜んだ。そんな中、春喜のすすめで弟子をとることにした小麦。周蕓児(しゅううんじ)に料理の才能を感じるが、手首に父親から殴られた跡があるのを発見。小麦は蕓児の父に傷が治るまで弟子にしないと伝える。そんな中、小麦は旅人からの急ぎの注文に頭を悩ませていた。郁槐の助言を受けて弁当を販売することにすると、これが大繁盛。さらに、郁槐から芙澤(ふたく)県主催の宴の話を聞き…。
第18話 料理人の心得
小麦たちが名仕宴の選考受付場に行くと、以前八珍会で出会った碧月軒の店主の韓風至と再会。初戦の審査員である韓風至は小麦の実力を考慮し、初戦を免除して最終選考へ通過させる。それと引き換えに、小麦に料理の再戦を申し込んだ。八珍会では食材のすり替えで敗退した韓風至は食材を全て自分で用意し、互いの腕前だけで競うことに。しかし勝負を始めてみると、小麦の技だけでなく食材への細かな配慮に気づいた韓風至は…。
第19話 名仕宴に挑む
名仕宴の最終選考日、牛乳料理などの他にその場にある食材で1品料理を作るように言われる。小麦たちは残り物しか手にできなかったが、審査員たちを満足させ名仕宴の料理を任される。その後小麦は品書きを検討するが、料理に使用したい岩茸が手に入らないでいた。それを知った郁槐は、危険を承知で岩茸が採れる崖に行くが、怪我を負ってしまう。孟の母が郁槐を思う優しさに触れた小麦は、温かい気持ちに包まれる。そして名仕宴の当日…。
第20話 母子のわだかまり
妊娠中の二蕎が食欲不振になったと聞いた小麦は食欲を増す料理をふるまった。一方、陶(とう)知県も同様に妻の食欲不振に悩んでおり、小麦に料理を依頼。小麦は唐辛子を使ったものなど、工夫した料理で食欲を回復させた。そんな中、母に厳しい態度の郁槐を見て、2人の間に何があったのかを柯震武に尋ねる小麦。他界した父を巡り、郁槐と母とのわだかまりが解けないでいることを知る。そして小麦は思い切って郁槐に母との関係を尋ねると…。
第21話 立ちはだかる壁
小麦の調味料の醸造場に出資者が名乗り出たが、それは韓風至と陶知県だった。断るつもりで郁槐と陶知県を訪ねた小麦だったが、企みがないことが分かり挑戦してみることに。腕利きの調味料の職人である雷安(らいあん)を雇い事業を開始。小麦は桐安の商売は平安に任せ、火刀村への販売は口伝えの力を利用して広げようと画策する。早速、小麦は桐安府内の酒楼に調味料を売り込みに行くが、時を同じくして商売敵が現れて契約が取れないでいた。
第22話 間一髪の商売
郁槐の売り込みと浣花園の品質の良さのおかげで順調に客を獲得しはじめた小麦。柯震武の体調を心配した郁槐とともに鏢局で年越しを過ごした帰り道、店が放火にあったことを知る。たまたま小麦に会いに店に来た郁槐の母が発見し、火を消し止め店は無事だった。不安でいっぱいの小麦を励ました郁槐は、現場の証拠から放火犯をつきとめた。そんな中、郁槐が鏢局に泊まり込むことになり、小麦は郁槐の母と2人きりで過ごすことになるが…。
第23話 町で酒楼を
鏢局の近くに酒楼を開きたいと考える小麦と郁槐。場所選びに苦戦するが韓風至の紹介で店舗を貸してくれる人が現れ、小麦たちは家族で町に引っ越すことにした。一方、関蓉も嫁ぎ先が決まり小麦たちと同じく町に移ることになった。そんなある日、小麦は胡四(こし)から唐辛子の種を安く買いたいと言われるが、郁槐の母のおかげで追い返すことに成功。新店の準備に奔走する小麦たちだったが、以前小麦が助けた譚氏が料理人募集に応募してきて…。
第24話 一難去ってまた一難
新店舗の花間楼が町に開店した。盛大に開店を祝う中、大聖は店で働く蕓児に好意を持つ。一方、蕓児は科挙の試験に臨む文華仁のために、小麦に習った縁起の良い料理をふるまった。そんな中、店に郁槐の叔父の家族が訪れる。災害に遭い郁槐の母を訪ねて来たが、2人の関係は良好なものではなかった。郁槐の口添えもあり、叔父たちは小麦たちの家に数日居候することに。だが、郁槐の従妹である冬雁(とうがん)たちに小麦と郁槐は振り回されて…。
第25話 家族を守るということ
小麦は科挙の試験に落ちて落胆する文華仁を店の帳簿係として働かないかと誘い、彼も承諾する。一方、郁槐の叔父たちは相変わらず居候を続けていた。小麦は3人の様子に店を乗っ取ろうとしているのではと心配する。案の定、叔父たちは郁槐の母に店で3人を働かせるように要求してきた。郁槐の母がそれを拒絶すると、叔父は郁槐の父の話を持ち出し、姉が殺したようなものだと彼女を傷つける。その一言に怒った小麦は3人を家から追い出し…。
第26話 嵐の前の静けさ
郁槐は母の気持ちを知り謝罪し、2人の長年のわだかまりはついに解けた。一方、店には関蓉が小麦の店とは知らず夫と訪れる。夫は関蓉の過去を知らないが誠実な人で、小麦は彼の優しさに心打たれる。そんな中、引き抜きで連順鏢局を離れた呂彪(りょひょう)が、今の鏢頭である董徳友(とうとくゆう)と一緒に小麦の店を訪れる。郁槐たちの鏢局は責任重大な任務を請け負ったが、その仕事を手伝いたいので郁槐に取り次いでほしいというのが本題だったが…。
第27話 個性的な料理人
中秋節を家族と花間楼の人たちと過ごした郁槐は、任務へと赴く。道中、人気のないところで悪党の襲撃に遭うがなんとか撃退する。一方、小麦の店に汪展瑞(おうてんずい)という料理人が現れ、彼女と料理対決をしたいと申し出る。小麦はその勝負を受け、それぞれの得意料理を客に食べてもらい勝敗を決めることに。汪展瑞はお茶を使った料理で勝ちを確信するも、結果は小麦が勝利する。落ち込む汪展瑞だったが、小麦から料理人として大事なことを教わり…。
第28話 店主の責任
汪展瑞は花間楼で働き始めるが浮かない様子。そんなある日、汪展瑞が作ったふぐの汁物を食べた客が腹痛を訴えるが詐欺だった。これを指示したのは小麦の商売に嫉妬した春風楼の魏鉄柱で、黒幕は春風楼を運営する趙氏だった。さらに浣花園でも傷んだ調味料を弁償しろと客たちが押しかけてきていた。小麦は客たちを役所へ連れて行き陶知県に裁きを求めることに。一方、郁槐の母は小麦に花間楼の経営から離れるよう求め…。
第29話 お客様のための料理
偏食の孫を連れた客は汪展瑞ではなく、小麦の料理を出すように注文してくる。小麦は孫を思って料理を作り直して客を満足させるが、汪展瑞の心中は穏やかではなかった。終業後、小麦は技に執着し料理人の心得を怠っていると汪展瑞を批判。口論の末、汪展瑞は店を辞めると告げてきた。言い過ぎたと後悔する小麦に代わって、郁槐が酒を持参し彼を訪ねる。郁槐は小麦の料理人としての活動を汪展瑞に聞かせ、彼もまた自分の胸の内を吐露し…。
第30話 暴かれた正体
鏢局の新入りの張毅(ちょうい)は呂彪と結託していた。2人が密談している現場を見た小麦も、翌日の護送についていくことに。夜中に護送の荷を奪おうとした張毅だったが、護送自体が張毅の正体を暴くために郁槐が仕掛けた罠だった。董徳友らの悪事が暴かれ、彼の鏢局は差し押さえとなる。そうして花間楼は年越しの儀式を終え、小麦たちは無事に新年を迎える。そんな中、年明け早々に小麦たちは、蕓児を料理人とするための試験を行い…。
第31話 揺れる想い
怪しげな男が蕓児につきまとうが、それは周慶(しゅうけい)が娘を売ろうとしている相手だった。小麦は店で蕓児をかくまうが、周慶が押しかけてくる。文華仁と大聖が周慶を追い払うが、蕓児と文華仁の心はすれ違っていく。そんな中、金蔵の警護で多忙だった郁槐が、泰和夫妻の引っ越し祝いに行っている間に金蔵破りに襲われる。守衛の馮六(ふうりく)が逃げ、官銀も消えてしまい、役所に任せれば鏢局の罪は逃れられない状況だった。郁槐たちは必死に捜索するが…。
第32話 夢の果てに
官銀で花間楼の支払いをした少年から事情を聞き、官銀を奪った山賊の隠れ家を突き止めた郁槐たち。小麦たちは郁槐の母から助言を受けて、隠れ家の近くで肉を焼き、空腹状態の山賊が食べ物を求めて自ら姿を現すのを待つ。罠にかかった山賊を捕らえ、郁槐たちは無事に官銀を取り戻すことに成功。昏睡状態だった大聖も意識を取り戻した。柯震武は地元の有力者たちを招いて宴席を設け、鏢局を郁槐に任せて引退することを宣言するのだった。
第33話 本当の師匠
花間楼に茶売りが来たが、その人は汪展瑞の父で飲食界の権威でもある汪童鶴だった。親子なのに様子のおかしい2人が気になった小麦は、汪展瑞から家庭の話を聞く。小麦たちは2人の関係を良好にしようと、汪童鶴に汪展瑞のお茶料理を食べさせ、彼は息子の成長を認めた。そんな中、小麦は汪童鶴の弟子だという噂が巷で広がる。花間楼ばかりが儲かり面白くない趙氏はあることを画策する。一方、汪童鶴は噂に困惑する小麦に料理を教え…。
第34話 波乱の予感
小麦と汪展瑞は趙氏に怪しい酒を飲まされ酔いつぶれてしまう。不審に思った郁槐が屋敷に入り、2人を救出。発熱した小麦をすぐに医者に診せると妊娠していることが分かった。それから3カ月、小麦は郁槐の母に花間楼に行くことを禁止され、産まれてくる子どものためにしっかり休養することに。お腹の中の子どもが安定したある日、花間楼に静渓が訪れる。静渓が来た目的が気にる小麦だったが、彼女が汪展瑞に狙いがあることを知り…。
第35話 再び
過去の禍根を気にもせず、厚かましくも汪展瑞を引き抜こうとする静渓に、小麦は料理で彼女を店から追い出した。そんな中、今年の八珍会は桐安省の各県の酒楼も参加可能となった。身重の状態で参加する気のない小麦だったが、汪展瑞が出場したいと申し出たので任せることに。一方、静渓は花間楼の出場に不安を感じ、小麦を邪魔に思っている趙氏と陰で手を組む。初戦を通過した汪展瑞だったが、毒を盛られて手が震えるようになってしまい…。
第36話(最終話) 圧倒する強さ
錚々たる顔ぶれが八珍会の本戦に出場。難しいお題が出されるも、味を追求した工夫を凝らし、見事に決勝へ勝ち残る。同じく決勝に残った静渓は焦っていたが、趙氏が小麦を精神的に追い詰める策を考える。小麦たちの宿にならず者が押し入ってくるが、郁槐は難なく撃退する。そして翌日、決勝戦でのお題となる食材は家宝として受け継がれるほどのものだった。なんとか料理を作り上げた小麦だったが、静渓が何か仕掛けてくるのではと考え…。