あらすじ
チェン・シアオチエンは恋愛経験ゼロの駆け出し脚本家。彼女がシナリオを書いた時代劇ドラマがついにクランクイン! のはずが、主演俳優のハンからシナリオの書き直しを迫られてしまう。苦労の末、何とか修正した脚本を書き上げたシアオチエンだったが、意識が次第に遠のいていき…。気がつくと自分の書いた物語の世界へ入り込み、第3話で死ぬ予定の脇役悪女キャラ・陳芊芊(ちんせんせん)になっていた! 現実世界に戻るため、脚本通りに物語を進めたい彼女は、死のピンチを回避しながら主役の男女をくっつけようと奮闘! しかし、男性主人公の韓爍(かんしゃく)が芊芊を好きになってしまうという想定外の展開に…!?
第1話 第3話までの命?
若手脚本家チェン・シアオチエンのドラマが間もなくクランクインというとき、主演俳優ハンから脚本にクレームがついた。脚本の甘さを指摘されたうえ、“恋愛経験不足”とまで言われたシアオチエンは憤慨。昼夜を徹して、なんとか原稿を書き上げたシアオチエンだったが、意識が次第に遠のいていき…。目を覚ますと、なんとそこは自分が書いた脚本の世界の花垣(かえん)城! しかも第3話で死ぬ予定の脇役悪女キャラ・陳芊芊(ちんせんせん)になっていて…!?
第2話 恋の救出劇
一夜明け、芊芊として目覚めたシアオチエンは、脚本が結末を迎えるまで現実には戻れないかもしれないと考える。花垣城の二郡主である陳楚楚(ちんそそ)が城主となって結末を迎えるためには玄虎(げんこ)城の若君・韓爍(かんしゃく)の力が必要だ。しかし韓爍は芊芊を毒殺しようとした罪で、すでに死罪が確定。現実に戻るため、母である花垣城主に赦免を訴える芊芊だが、城主は決して許そうとはしない。そこで芊芊は、韓爍を生かさざるを得ない荒唐無稽な救出作戦を思いつく。
第3話 信頼獲得大作戦
救出劇で楚楚と韓爍を結びつけることに失敗した芊芊。まずは身の安全を確保するため、信頼を得ることで韓爍に暗殺の意図を捨てさせようと考える。そこで、密会を求める密偵からの偽文を韓爍に送り、楚楚には堀の船上で玄虎城の密偵と内通する者がいるとの情報を流した。楚楚が韓爍を捕らえたところで、自分との逢瀬だと主張して彼を救い出す作戦だ。楚楚が密会現場の船に入ったのを見計らって芊芊も乗り込むが、なんと船の中には…!?
第4話 盛るべきか盛らざるべきか
蘇沐(そぼく)が林七(りんしつ)から折檻を受けたと知った芊芊は、教坊司(きょうぼうし)に乗り込み蘇沐を身請けしたいと告げる。これを知った韓爍は城主に泣きつき、芊芊のために教坊司の楽師をすべて月璃(げつり)府へと願い出た。楚楚が城主の実の娘ではないとの報告を受けた白芨(はくきゅう)は韓爍に、「次期城主である芊芊に毒を盛れば、城主は助けようとして龍骨(りゅうこつ)を持ち出す。その機を狙って龍骨を奪い、花垣城を攻め落とそう」と進言するが、韓爍はなぜだか気が進まない。
第5話
芊芊に武術の力がないと見抜いた林七は若城主選抜に武術試験を加えることを提案し、城主はこれに同意。武術どころか運動さえ苦手な芊芊は韓爍に助けを求めようとするが、密偵からの偽文を届けたのが芊芊だったと知った韓爍は、無邪気な態度で油断させて自分を陥れようとしていたと誤解し、彼女の毒殺を決意していた。これを知った芊芊は命の恩人となることで韓爍の殺意を消そうと考え、韓爍の病を治すため龍骨を無断で持ち出すが…。
第6話 郡主の位を捨てて
龍骨の一件を韓爍に対する芊芊の愛情ゆえと考えた城主だが、芊芊が今も生娘であることから、韓爍が龍骨を手に入れるために芊芊を利用したのだと誤解する。龍骨を失うという不祥事のけじめをつけるためにも、城主は韓爍を拘束し、失われた龍骨の代わりに肋骨を抜き取ると宣言した。必死に許しを乞う芊芊だが、普段は甘い城主も聞き入れようとはしない。城主から三郡主としての責任を問われた芊芊は郡主の位を捨てると言い放つ。
第7話 奇跡の大逆転
郡主の位を廃されても資産を持つ韓爍との生活には何の不自由もないが、芊芊に対する民の風当たりは強かった。そんな折、林家の鉱山が落雷で崩れ、鉱員が坑道内に閉じ込められる事態が発生した。民はこの天災を龍骨を失ったことに対する天罰と考え、芊芊の命を捧げて天の怒りを鎮めるよう城主に請願書を差し出し、大臣らもこれに賛同する。芊芊は楚楚が若城主となるにふさわしい手柄を立てる絶好の機会と考え、民を救うよう訴えるが…。
第8話 恋の火花散る試験対策
鉱山で鉱員を救出して民の信頼を獲得し、黒水の鉱脈まで見つけた功績で、芊芊は郡主の位が回復。城主は芊芊の変化に期待をかけ、若城主選抜に向けて裴恒(はいこう)に芊芊の学問の監督を命じる。街は若城主選びの話題で持ちきりで、茶館では誰が選ばれるかの賭けまで始まった。屋敷を抜け出して街に出た芊芊は素性を隠し、あるだけの財産を楚楚に賭ける。一方、韓爍はやる気のない芊芊を若城主にするべく、屋敷を挙げて試験対策に取り組む。
第9話 月にかけた願い
若城主選抜試験が始まった。韓爍と林七双方の根回しで武術の最終試験に進んだ芊芊は、ついに林七と対戦。若城主になる気など毛頭ない芊芊だが、大郡主である姉の陳沅沅(ちんげんげん)に「勝てば脚の回復訓練をする」と約束させた以上、負けるわけにはいかなかった。しかし小細工で時間を稼いでも実力の差は埋め難く、容赦ない林七の鞭を受け、ついに壇上に倒れてしまう。芊芊の身を案じる裴恒は両親か夫しか鳴らすことを許されない棄権の銅鑼を鳴らすが…。
第10話 若城主誕生
本来、若城主になる気がない芊芊は楚楚を確実に若城主にするため、策論の試験でわざと異議が出るような解答をする。武術試験で奇跡的に首位を収めた芊芊だったが、思惑どおり策論では楚楚が首位を獲得。筆記試験で芊芊は答案に絵を描いて提出したため、優秀な楚楚が首位を取るのは確実であった。楚楚が若城主に決定すると確信している芊芊は楚楚に贈る祝いの品まで用意していたが、不可解なことに実際に若城主に選ばれたのは芊芊で…!?
第11話 縁結びの
若城主として山賊の討伐に向かった芊芊。韓爍に命を狙われる心配がなくなった今、現実に戻るため、この機に何としても韓爍と楚楚を結びつけようと策を巡らすがうまくいかない。裴恒が芊芊に付き添わせた蘇子嬰(そしえい)は、一見、忠義者に見えるが勘違いや非常識な行動を繰り返し、そのたびに計画が狂う。蘇子嬰が掘った落とし穴に楚楚が落ち、楚楚を捜しに行った韓爍が一晩戻らなかった朝、守りが手薄な客桟(きゃくさん)は孟過(もうか)らに攻め込まれてしまう。
第12話
蘇子嬰は芊芊の命で落とし穴を掘ったと口走ったうえ、その弁明として芊芊は韓爍のことが好きでないため楚楚と結びつけようとしていると話してしまった。おかげで楚楚は芊芊が自分を陥れようとしたと誤解し、韓爍は深く傷ついてしまう。負傷した韓爍を気遣って芊芊が薬を運ぶと、楚楚が韓爍の手当てをしている。自分を無視して楚楚に果物を渡す韓爍を見ると胸の痛みを覚えたが、芊芊はそれが嫉妬のせいだとは、まだ気づいていなかった。
第13話 好きになってはいけない人
蘇子嬰(そしえい)が陳芊芊(ちんせんせん)に悪意を持っていることは明らかだが、芊芊も韓爍(かんしゃく)もひとまず彼を泳がせることにした。蘇子嬰の目的が陳楚楚(ちんそそ)を若城主にすることなら芊芊にとっては好都合であり、韓爍は蘇子嬰の罪状を明らかにして裴恒(はいこう)の前に突き出そうと考えたためだ。韓爍に対する自分の気持ちに気づき始めた芊芊だが、2人は住む世界が違う。楚楚に「韓爍が要らないなら私がもらう」と宣言された芊芊は、2人の仲に協力すると引き受けてしまう。
第14話
真夜中の月璃(げつり)府、警護の梓鋭(しえい)が寝たふりをしていると蘇子嬰が部屋に忍び込み、芊芊が私物を入れている箱に花垣(かえん)城の防衛図を隠した。軍の関係者でない者が防衛図を私的に隠し持てば謀反の意図があると見られるのは必至だ。自分を若城主の座から引きずり下ろすための計略と見抜いた芊芊は若城主の座を楚楚に譲るため、あえて防衛図を箱の中に戻させる。密告を受けた楚楚は兵を連れて月璃府に乗り込んでいき、蘇子嬰の証言を基に箱を開くが…。
第15話 七夕の花婿選び
城主に離縁を命じられたことで韓爍の心は揺れていた。白芨(はくきゅう)は花垣城を手に入れれば芊芊も手に入ると花垣城攻略を促すが、韓爍は思い切れずにいる。蘇子嬰はひそかに牢を抜け出すと楚楚を訪ね、楚楚を若城主にするべく力を貸すと告げた。玄虎(げんこ)城の使者が大量の火薬を持ち込み七夕の夜に花垣城を攻めると書かれた密書を手に入れた蘇子嬰は、それを証拠に韓爍と芊芊を捕らえようと持ちかける。しかし、すでに韓爍に想いを寄せている楚楚は…。
第16話 夜空に咲いた想い
韓爍が城内に仕込んだのは花垣城を攻め落とすための爆薬ではなく、七夕の夜を飾る美しい花火だった。芊芊はついに自分の心に正直になって韓爍と心を通わせ、花垣城主も今度こそ韓爍を心から婿として受け入れた。夜の間の別れさえ名残惜しい2人は芊芊の部屋で初めての夜を迎える。翌日、韓爍が芊芊の部屋で一夜を過ごしたことが、すでに宗学堂(しゅうがくどう)の噂になっていた。楚楚は嫉妬の炎を燃やし、傷ついた裴恒は司学(しがく)の職を辞してしまう。
第17話 変えられぬ運命
陳沅沅(ちんげんげん)の花婿となることに野心を燃やしていた陸鵬(りくほう)だが、偶然、楚楚と城主の争いを聞いてしまったために命を落とす。芊芊は筋書きから消えたはずの陸鵬の死が現実となったことに不安を覚えた。多少の変化はあっても登場人物の運命は筋書き通りに進んでいるように思えるからだ。だとしたら韓爍は楚楚の刃に倒れる運命なのか。以前の脚本では林七(りんしつ)が陸鵬を殺し、韓爍に罪を着せたと思い出した芊芊は、彼女のもとに駆けつけ…。
第18話 苦渋の選択
蘇沐(そぼく)が消えたことで、最後に会った人物である韓爍に殺害の疑いがかけられた。取り調べに同行した韓爍は薬を盛られ、目を覚ますと蘇沐殺害の罪で辺境への流刑と芊芊との離縁が宣告される。流刑になる前に芊芊との面会が許されたが、芊芊は楚楚の花婿だった韓爍を奪い取ったのも、すべて人質として利用するためだったと語り、韓爍が彫った印章を床に叩きつける。それを見た韓爍は左腕の銅環を壊して外し、流刑地への旅路に就く。
第19話 目には目を
楚楚と手を結んだ韓爍はともに花垣城に戻ってくる。韓爍の命を守るためとはいえ、最愛の人をだまして流刑地へと追いやった芊芊は悲しみから立ち直れずにいた。酒で愁いを紛らわそうとする芊芊は、裴恒に韓爍の面影を見て「嫌いと言ったのは嘘、本当は一緒にいたい」と涙ながらに訴える。その様子を物陰から韓爍が見ていることを芊芊はまだ知らない。一方、日晟(にっせい)府も包囲されたと聞いた蘇沐は、沅沅を心配して彼女のもとへと急ぐ。
第20話 妻から
楽師の扮装で月璃府を抜け出した芊芊は、事情を聞くために林七の屋敷に向かった。するとそこへ林七の文とともに芊芊が与えた金牌(きんぱい)が届く。林七が生きていると知った芊芊は、自分が登場人物の運命を変えることができる、つまり韓爍と離縁する必要はなかったのだと気づいた。芊芊は韓爍の誤解を解くため、裴恒が止めるのも聞かず再び月璃府に戻る。楽師の扮装を見て、逃げようとしていたと勘違いする韓爍の前で芊芊は離縁状を破り捨てるが…。
第21話 情に殉じて
楚楚に位を譲ると記した偽の令書を用意し、楚楚は城主のもとを訪れた。楚楚が桑奇(そうき)の命を盾に城主印を渡せと迫っていると、「韓爍が裏切り、二郡主の軍は玄虎軍に制圧された」との知らせが入る。逆上した楚楚と韓爍の斬り合いが始まり、韓爍がまさに楚楚に斬りかかろうとしたとき、花(か)符を手にした裴恒が芊芊とともに護城軍を伴って現れた。韓爍を召し捕れと兵らに命じる裴恒。絶体絶命の韓爍が芊芊の手を取って逃げようとした、そのとき…。
第22話 夫の御し方 教えます
追っ手をやり過ごした芊芊らが客桟(きゃくさん)に入ると、そこには戯作(げさく)者3人組がいた。芊芊が3人と親しいと知った韓爍が彼女のために伴ったのだ。3人は世の中が芊芊の筋書き通りに進み、他人の事情や龍骨(りゅうこつ)の在りかまで知っていることから、彼女が神仙なのではないかと疑う。芊芊は皆が自分の書いた世界の中で生きていることを打ち明けるが、偶然それを聞いてしまった韓爍は、芊芊がまだ自分に隠し事をしていたと知って大いに傷つく。
第23話 再び
自分が城主の実の子ではなく裴(はい)司軍の娘だという事実を知った楚楚は、亡き母が遺した文を証拠に自らの素性を明かし、裴恒から司軍の地位を奪い返した。軍権を手に入れ城主を軟禁した今、すでに花垣城を思い通りに動かすために城主の名目は必要ない。楚楚は司軍の職権を逸脱して玄虎城への烏石(うせき)の輸送を差し止めると、芊芊と烏石の交換を条件として突きつける。芊芊は韓爍とともに、このことを玄虎城主に相談するが聞いてはもらえず…。
第24話(最終話) 天の門が開くとき
蘇子嬰が楚楚の首に刃を突きつけた状態で護城軍に囲まれてしまった芊芊たち。だが兵たちは城主の命に背いて司軍の座を手に入れた楚楚に従うべきか否か迷い始めている。芊芊が楚楚に捕まったと聞いた裴恒が武装してその場に駆けつけると、兵たちは次々と裴恒を司軍として従う意思を表明する。進退窮まった楚楚は隙を見て蘇子嬰を突き飛ばすと、剣を抜き芊芊に向かって突進した。楚楚の剣が芊芊の胸を突こうとした、その瞬間…。