あらすじ
ある停電の夜——。高級タワーマンションの一室で美しい女性の遺体が発見される。被害者は1Fでカフェを経営する住人のジョン・メイバオ。現場に荒らされた形跡はなかった。この事件を担当する刑事のジョン・ジングオとヤン・ルイセンは、遺体の第一発見者である警備員を皮切りに、タワーマンションの住民や関係者から事情聴取を行うことに。それぞれの視点から語られるメイバオの死。2人は食い違う容疑者たちの証言をモンタージュするように照らし合わせ、死の真相に近づいていく。果たして、彼らの証言は何が真実で何が偽りなのか? 謎が深まる中、メイバオの隠された過去が徐々に明らかになっていく…。
第1話 シエ・バオルオ編(上)
タワーマンションで停電が起きた夜、ジョン・メイバオという若い女性の遺体が発見された。事件を担当する刑事ジョン・ジングオとヤン・ルイセンは、彼女が生前に付き合いのあった知人を1人ずつ事情聴取することに。1人目の参考人は、マンションの警備員シエ・バオルオ。バオルオはメイバオについて、自分の過去をさらけ出せる友だちのような関係だと主張する。だが、彼の過去の話を聞いたジョンとヤンは、話のある矛盾に気づく。
第2話 シエ・バオルオ編(下)
メイバオ死亡事件の捜査を続けるジョンとヤンは、メイバオの部屋にあった洋服やレコード、椅子などの遺留品を手がかりに、メイバオの恋人や家族の存在に注目し始める。そんな中、バオルオが何かを隠していると直感した2人は、彼の身辺調査を開始。再びバオルオを警察署に呼んで事情聴取を行い、自分の話ばかりする彼に揺さぶりをかける。バオルオはメイバオから聞いたという彼女の複雑な家庭環境について供述をするが…。
第3話 リン・ダーセン編(上)
2人目の参考人として、設計事務所を経営する建築士のリン・ダーセンが警察署に呼ばれた。彼はメイバオが住んでいたマンションと同じ敷地内にあるB棟1602号室の住人だ。ダーセンは事情聴取が始まると、メイバオとはただの知り合いだと供述するが、彼女が住んでいた部屋の所有者がダーセンだと指摘されると動揺し…。そして、ジョンの更なる追及により秘密を隠しきれなくなったと考えた彼は、メイバオとの過去を語り始める。
第4話 リン・ダーセン編(下)
ジョンは再びダーセンに話を聞くため、彼が建築の講義をしている大学へ。ダーセンは学生に対して寝室とベッドの重要性を説いていた。講義の後、なぜ自宅のベッドとメイバオのベッドが同じなのかとジョンが揺さぶりをかけると、戸惑いをみせるダーセン。真実を話さなければ捜査妨害で罪に問われると聞かされたダーセンは、ついに2人の関係を話し始める。一方でヤンは、ダーセンの妻リー・モーリーに事情聴取を行うが…。
第5話 リン・モンユー編(上)
マンションの仲介をしているC棟1218号室の住人リン・モンユーが次なる参考人として警察署に呼ばれた。彼はメイバオとの関係を質問されると、挨拶をかわす程度しか知らないと答える。だが、何かを隠していると感じたジョンが前科を調べさせると、不法侵入で通報されていたことが判明。ヤンはマンションの内見を装い、モンユーに接触する。ジョンは、モンユーとともに不法侵入したディン・シアオリンに事情聴取を行うが…。
第6話 リン・モンユー編(下)
事件現場から2人分の指紋が発見された。そのうちの1つがモンユーの指紋であったため、彼はふたたび警察に呼ばれる。問い詰められたモンユーは、自分にはのぞきの趣味があり、ダーセンとメイバオが部屋で会っている様子をのぞいていたと供述。そして、自分よりダーセンを疑うべきだと主張する。メイバオが部屋を契約する際にモーリーと顔を合わせていたことを知ったヤンは、その時の様子をモンユーに尋ねるが…。
第7話 ウー・ミンユエ編(上)
ジョンとヤンは、メイバオの隣人で小説家のウー・ミンユエへの事情聴取を始めることに。しかし、部屋に引きこもりがちで、外部との接触を避けるミンユエの情報は乏しかった。ヤンはミンユエの著書である「祥雲幻影録」を事前に読むことで事件のヒントを得ようとしたが、事情聴取では有力な手がかりを得られなかった。ある時、ヤンは恋人との映画デートをきっかけに、ミンユエの著書の主人公がメイバオではないかと気づく。
第8話 ウー・ミンユエ編(下)
ミンユエの小説「祥雲幻影録」が事件の鍵だとにらんだヤンは、寝る間を惜しんで小説の第2部を読み進める。しかし、主人公のメイユーが敵である魔王モーイエンを愛してしまうという結末が腑に落ちず、その真意を聞きにミンユエのもとへ。ヤンの求めに難色を示すミンユエだったが、粘り強い説得に応じて未発表の完結編を彼女だけに送る。一方、ジョンはメイバオの戸籍を調べ始めるうちに、彼女の複雑な家庭環境を知ることになるが…。
第9話 イエ・メイリー編(上)
家政婦のイエ・メイリーは、メイバオの弟であるイエ・シュージュンを誘拐した罪で刑務所に服役していた。週に1度の面会の場でシュージュンからメイバオの死を伝えられた彼女は、ひどく動揺してしまう。一方、ジョンとヤンはメイリーとの事情聴取の申請をするが、受刑者との面会は手続きが煩雑なため進まない。そこで2人は、以前メイリーを家政婦として雇っていた家を訪問し、彼女の仕事ぶりを調査することに…。
第10話 イエ・メイリー編(下)
ジョンとヤンはメイリーが収監されている刑務所へ事情聴取に出向く。そして、メイバオとの出会いについて聞くと、出会ったのは十数年前だと話し始める。当時、本名のリー・グイランという名で医療センターの外科医をしていたメイリー。そこへメイバオの母ジョン・ジエが、夫の暴力でケガをして救急外来に診察を受けにきたのが出会いのきっかけであったという。そしてメイリーは、メイバオの弟を誘拐した理由を語り始めるが…。
第11話 イエ・シュージュン編(上)
メイバオの弟イエン・ジュンはイエ・シュージュンと名を変え、ピアニストとして活躍していた。ジョンとヤンは、ジュンに話を聞きに行くが、正義感あふれるヤンの言葉によって彼は取り乱してしまい聴取は中断。ヤンはジュンのマネージャーからクレームを入れられてしまう。しかし、彼の話により、父のイエン・ヨンユエンへの疑いを深めたジョンとヤンは、メイバオとジュンが通った地方の小学校周辺で聞き込み調査を始める。
第12話 イエ・シュージュン編(下)
ヤンはジュンから電話を受けた。父ヨンユエンを訴えるというジュンは、過去に自身が彼から受けた家庭内暴力の数々や、成人後に受けた恐喝の被害などを告発。ジョンとヤンも、ヨンユエンがメイバオ殺害事件の最大の容疑者と考えるようになる。しかし、決定的な証拠を欠くことから、ヨンユエンを指名手配することができず、捜査は行き詰まる。そんなある日、メイバオの遺品のレコードをきっかけに、事件は急展開を迎え…。
第13話 イエン・ヨンユエン編(上)
メイバオ殺害事件の容疑者、ヨンユエンが自ら出頭した。彼はメイバオの母ジエとの馴れ初めを語り始め、自分の穏やかな人生はジエとメイバオ母娘によって壊されたと主張する。一方、息子からの訴えがあったとヤンから知らされたヨンユエンは、ジュンが精神科病院に入院していたという経歴を暴露。結果、ジュンの証言は無効になってしまう。その後、釈放されたヨンユエンは、マスコミを通じてジュンにあることを呼びかける。
第14話 イエン・ヨンユエン編(下)
ヨンユエンは家族関係を修復するための番組「愛がそばに戻る」に出演し、息子のジュンに会いたいと訴えかける。一方、捜査のために、この番組の過去の放送をチェックしていたヤンは、某心理学者が解説するPUA(ピックアップアーティスト)の5ステップの技をヨンユエンが利用しているのではと考える。そして、他の女性にもその技を使っている可能性を疑い、ヨンユエンが運転手をしていた会社の社長に聞き取り調査を行う。
第15話 ジョン・メイバオ編(上)
ヨンユエンが生出演するテレビ番組で、ジュンはある騒動を起こし、病院に入院することになってしまう。一方、ヨンユエンは再び事情聴取に呼ばれ、ジョンとヤンの2人から、事件までの空白の1年間について問われる。そしてヨンユエンは、自分はメイバオによる、ある犯罪の被害者だと告白する。詳しい経緯が明らかになるにつれ、ジョンとヤンは、ヨンユエンが被害を受けた事件にマンションの住人たちが深く関わっていることをつかむ。
第16話(最終話)ジョン・メイバオ編(下)
ジョンとヤンは、ヨンユエンの事件に関わった人物たちに再び事情聴取を行う。証言の中の数々の嘘が明らかになる中、メイバオ殺害事件については、皆口を揃えて「犯人はヨンユエン」だと主張する。しかし、いずれもヨンユエンを犯人と特定するには至らなかった。ジョンとヤンは入院中のジュンに、メイバオの事件は「自殺」として処理される見込みだと報告。その際、ジュンのあるひと言から、事件には目撃者がいたと直感する。