あらすじ
多くの人間が霊力を持ち、修行に励む乾元(けんげん)大陸。“鳳凰真血(ほうおうしんけつ)”と呼ばれる特異な血を持って生まれた少女・鳳舞(ほうぶ)は、至高の霊士(れいし)・牧九州(ぼくきゅうしゅう)の魂に導かれて修行し、若くして強大な霊力を得る。しかし彼女を妬む左青鸞(させいらん)に鳳凰真血を奪われ、胸を刺されて崖から転落してしまう。その時、異世界から来た魂が鳳舞の体に入り込み…!? 3年後、かつての記憶も霊力も失って辺境で暮らしていた鳳舞は、霊力を取り戻すために“仙霊果(せんれいか)”を求めて“氷封森林(ひょうふうしんりん)”へ向かう途中、大陸を掌握する君武(くんぶ)一族の御曹司でかつての許婚・君臨淵(くんりんえん)と出会う。さらに大陸の支配を企む暗夜幽廷(あんやゆうてい)の少主(しょうしゅ)・御冥夜(ぎょめいや)も現れ…。いま、鳳舞の愛と戦いの物語が始まる――!
第1話 天与の血
乾元(けんげん)大陸には君武(くんぶ)一族に属す君武学院(くんぶがくいん)、蓬莱閣(ほうらいかく)、碧落宮(へきらくきゅう)と逆賊の暗夜幽廷(あんやゆうてい)、4つの門派が存在していた。天与の鳳凰真血(ほうおうしんけつ)を持つ天才少女の鳳舞(ほうぶ)は、左青鸞(させいらん)にその血を奪われ、さらに胸を刺されて崖から転落。死が近づいたそのとき、異世界の魂が体に入り込むのだった。鳳舞は師である牧九州(ぼくきゅうしゅう)から、九転回霊丹(きゅうてんかいれいたん)を服し霊力を取り戻せと告げられ、その原料である仙霊果(せんれいか)を求めて氷封森林(ひょうふうしんりん)へと向かう。そんな彼女の前に、君武一族の聖子(せいし)である君臨淵(くんりんえん)が現れ…。
第2話 許婚との再会
火雲巨鷹(かうんきょよう)に連れ去られた鳳舞は大きな口を開けた巨鷹に迫られるが、間一髪、君臨淵に救われる。しかし、2人は崖から湖に落下。そこは氷封森林の深奥であった。2人の行方を追っていた風潯(ふうじん)、玄奕(げんえき)、沐瑶(もくよう)と合流した鳳舞は風小五(ふうしょうご)と名を偽り、仙霊果を得るため4人と行動をともにする。風潯の話で、鳳舞は自分が君臨淵の許婚(いいなずけ)になった経緯を知る。そんな中、沐瑶は鳳舞への敵意を露わにする。同じ頃、暗夜幽廷の御冥夜(ぎょめいや)も氷封森林に向かっていた。
第3話 指輪の秘密
鳳舞から傷の手当てを受けた君臨淵に絶情蠱(ぜつじょうこ)の発作が出る。君臨淵は発作を防ぐため鳳舞に対して心と裏腹な言葉ばかり言ってしまう。そんな中、君臨淵は1人で御冥夜に奇襲をかけ、彼を木に吊るして足止めする。しかし、そんな御冥夜をたまたま見つけた鳳舞が、人を救い功徳を積むべしとの言葉を思い出し、縄を解いてしまうのだった。休憩中、鳳舞は龍鳳霊戒(りゅうほうれいかい)の中に導かれ彩鳳鳥(さいほうちょう)と出会い、火雲巨鷹が仙霊果を守るのは牧九州の計らいだったことを知る。
第4話 手にした仙霊果
仙霊果を手に入れた君臨淵たちだったが、御冥夜が現れて鳳舞を人質に仙霊果を渡せと迫る。しかし、君臨淵が拒否したため、鳳舞は御冥夜に連れ去られてしまう。出会ったばかりの娘に対して絶情蠱の発作が起きたことに君臨淵が戸惑いを隠せないでいる頃、鳳舞は得意の作り話で御冥夜に上手く取り入っていた。さらに君臨淵もだますことに成功し、ついに仙霊果を手に入れる。辺境城に戻った鳳舞は、巴(は)じいさんに九転回霊丹を作るよう頼むが…。
第5話 辺境での滞在
鳳(ほう)家の屋敷を訪れた君臨淵、風潯、玄奕。令嬢の姿に戻った鳳舞は風小五に変装していたと見破られぬよう行儀よく振る舞う。さらに、彼らの注意力を削ぐため手料理でもてなすも腕が良すぎて逆効果になり、3人は人捜しの拠点として屋敷に滞在することになってしまう。そこで鳳舞は鼠(ねずみ)を使って屋敷から追い出そうとするが、その作戦は決行できずに失敗に終わる。一方、風小五を捜していた御冥夜は巴じいさんのもとを訪ねて…。
第6話 近づく2人
風小五の行方を聞くため巴じいさんのもとを訪ね、御冥夜と鉢合わせになった君臨淵たち。御冥夜に隙を突かれて逃げられた君臨淵は巴じいさんに改めて風小五について尋ねるも、作り話でごまかされてしまう。帰り際、君臨淵の不調に気づき針治療を行った鳳舞は、彼の冷たい態度の原因が絶情蠱にあることを知る。そんな中、鳳家の屋敷を訪れた御冥夜に、鳳舞は「風小五は君臨淵に捕らえられた」と嘘(うそ)をついて君臨淵を追うよう仕向けるが…。
第7話 鳳鳴剣の主
君臨淵が御冥夜と戦っている最中、鳳家の屋敷では鳳琉(ほうりゅう)が鳳舞の龍鳳霊戒を奪い、火中へ投げ込んでいた。それを取り出した鳳舞の母は手にやけどを負ってしまい、さらに鳳舞は鳳琉からとどめを刺されそうになる。しかしそのとき、鳳舞の血が鳳鳴(ほうめい)剣に不思議な力を与え、迫り来る鳳琉を跳ね返した。君臨淵は鳳舞に対する悪事に怒り、鳳琉とその兄である鳳亦然(ほうえきぜん)に罰を与える。そんな中、鳳舞がまるで別人のように変わっていることを左青鸞は確信するが…。
第8話 師匠の声
君臨淵は剣術がなかなか上達しない鳳舞に剣を教えることに。御冥夜は君臨淵との会話から、鳳舞こそが風小五であると気づく。一方、鳳舞は自分に敵意をむき出しにする鳳琉と一戦を交えるが、間一髪の場面で牧九州の声を聞いた鳳舞に不思議な霊力が宿り、鳳琉に打ち勝つ。そんな中、ついに完成した九転回霊丹を服用した鳳舞。そこへ御冥夜がやってきて、彼女に素直な好意を示す。そんな2人の様子を見た君臨淵はまたしても発作を起こし…。
第9話 あふれる想い
鳳舞への想いは強くなるが、好意を素直に表せない君臨淵は鳳舞に櫛(くし)を贈る。そんな中、思いがけず畢有福(ひつゆうふく)が鳳舞に求婚し、やきもちを焼いた君臨淵は鳳舞との婚約は解消していないと宣言、周囲を驚かせる。だが、鳳舞の頭の中は師匠との約束のことでいっぱいだった。こうして君臨淵は御冥夜と鳳舞を巡っても争うことに。ある夜、鳳琉に薬を飲まされた鳳舞は畢有福に襲われる。そこへ君臨淵が現れ鳳舞を救い、2人は一夜をともにする。
第10話 血魔妖龍との戦い
君臨淵は鳳舞に、一夜をともにした責任を取って娶ると告げるが拒否されてしまう。だが君臨淵が鳳舞の母を元都(げんと)に連れ帰ったため、鳳舞も母を追い元都へと向かうことに。道中、鳳舞の前に高位の妖獣が現れる。戦いの中で中級霊師(れいし)の霊力を身に付けた鳳舞は妖獣と善戦するも倒せずにいた。そこに異常を察した君臨淵が駆けつけ、2人は力を合わせて妖獣に挑む。どうにか倒せたものの、鳳舞をかばい妖獣の放った攻撃を受けた君臨淵は倒れてしまい…。
第11話 接吻の目的
絶情蠱の発作がなくなった君臨淵は本当の想いを告げることができるようになり、鳳舞が口づけを交わそうとした理由について知ると自ら鳳舞に接吻(せっぷん)をする。聖君(せいくん)のもとへ戻った君臨淵は高聖后(こうせいごう)に左青鸞との婚姻を薦められるも、心に決めた人がいると告げるのだった。一方、鳳家の大夫人に呼び出された鳳舞は、鳳鳴剣を持つにはふさわしくないと言われるが、相手を言い伏せる。そんな中、散歩に出かけた鳳舞は、朝歌(ちょうか)がいじめられているところに遭遇する。
第12話 天下楼への挑戦
互いの想いを知った鳳舞と君臨淵。鳳舞は朝歌の解毒薬である天心花蕊(てんしんかずい)を得るため天下(てんか)楼に挑むことを君臨淵に話そうとするが、君武学院にて学び一刻も早く霊妃(れいひ)になることを勧められてしまう。自分の人生は自分で決めると告げた鳳舞はその場を去り、また2人はすれ違うのだった。たった1人で天下楼に挑んだ鳳舞は、ついに最終関門にたどり着く。そんな鳳舞を天下楼前で見守る鳳舞の母、秋霊(しゅうれい)、朝歌のもとへ君臨淵たちもやって来る。
第13話 友の解毒
天下楼で鳳舞を救うべく間一髪で現れたのは君臨淵だった。ついに天下楼を破り、解毒薬を手にした鳳舞は無事に朝歌たちのもとへ。解毒に成功した朝歌は、痩せた美しい姿に戻り周囲を驚かせる。一方、鳳琉は未だ難癖をつけて、鳳舞を陥れようと試みていた。そんな中、鳳舞は彩鳳鳥に、 “星辰(せいしん)のかけら”の気配が御冥夜からすると告げられる。それが3つ揃えば牧九州が目覚めるだろうと言うのだ。鳳舞は星辰のかけらを求めて御冥夜のあとを追うが…。
第14話 誕生祝い
隠し部屋に鳳舞がいることに気づいた君臨淵は、守衛らを連れて賊を捕らえようとする厳霊尊(げんれいそん)を制止し、自分1人で行くことに。地下にたどり着くと、鳳舞は御冥夜と一緒にいた。その会話から御冥夜の誕生日に鳳舞が曲譜(きょくふ)を贈ったと知った君臨淵は、激しく嫉妬。暗夜幽廷との関係を問い詰めるが、鳳舞はいつか必ず言うと返すのだった。その後、厳(げん)家子息の誕生祝いの席に参加した鳳舞と君臨淵は、碧水青天瓶(へきすいせいてんびん)を入手するためにある策に出る。
第15話 霊宗の力
玄奕は、痩せて別人のように美しくなった朝歌をひと目で見抜き、彼女を驚かせる。そんな中、暴れ馬の騒動に巻き込まれかけた幼児を救おうと飛び出した鳳舞は、危機一髪のところを霊宗(れいそう)の呉有道(ごゆうどう)に助けられる。呉有道は君武学院の監院(かんいん)となる者で君臨淵も味方につけたいと考えている人物。鳳舞は呉有道が巴じいさんと友人だと知り…。一方、左青鸞は、呉有道に弟子入りを乞うが、すでに碧落宮に属する身であることを理由に断られてしまう。
第16話 入学試験
鳳舞(ほうぶ)と朝歌(ちょうか)は、君武学院(くんぶがくいん)の入学試験で沐瑶(もくよう)と鉢合わせた。敵意むき出しの態度を取る沐瑶に辟易しながらも、午前の筆記試験を無事に終える。午後の実技試験が始まると試験免除の御冥夜(ぎょめいや)も現れ、玄奕(げんえき)や朝歌(ちょうか)は対戦相手を打ち負かした。そして鳳舞の相手は沐瑶。後腐れないようにと武器なしでの対戦を提案した沐瑶に鳳舞は応えるが、沐瑶は容赦なく卑劣な手を使う。傷だらけになってしまった鳳舞の姿に、誰もが敗北は明らかと思ったその瞬間…。
第17話 学院生活の始まり
君武学院に入学した鳳舞は、君臨淵(くんりんえん)から約束の碧水青天瓶(へきすいせいてんびん)を受け取る。それはまさしく星辰(せいしん)のかけらであり、2つ目のかけらが君武学院にあると示していた。鳳舞はあらためて修練に励み、いずれは君臨淵と肩を並べ戦おうと誓う。だが、教室では居眠りをして兆夫子(ちょうふうし)先生に処罰されてばかり。また、沐瑶ら碧落宮(へきらくきゅう)の弟子たちからは目の敵(かたき)にされる。一方、君武神殿に呼び出された君臨淵は、聖君(せいくん)の怒りを買い、通天(つうてん)台に拘束されて雷撃の罰を受ける。
第18話 無謀なる挑戦
呉有道(ごゆうどう)から蔵書楼の鍵を渡された鳳舞は、あらためて自分の出自に思い悩み、君臨淵との別れを意識する。そんなとき、高聖后(こうせいごう)が君武学院を訪れる。誕辰(たんしん)の祝いに伝統の剣舞の演者男女1組を選びに来たのだ。女演者に左青鸞(させいらん)が決まりそうになるが、君臨淵は演武台を設け、誰でも競えるようにすべきだと主張する。当初は興味がなかった鳳舞だが、朝歌を傷つけた沐瑶たち碧落宮の門人の鼻を明かすため、左青鸞との一騎打ちに名乗りを上げる。
第19話 氷と炎の激突
君臨淵から秘伝の剣法を伝授された鳳舞は、左青鸞との一騎打ちに赴く。霊尊(れいそん)である左青鸞と互角で戦う鳳舞に、皆は驚愕する。焦った左青鸞は、鳳凰真血(ほうおうしんけつ)の力を借り、必殺の奥義を繰り出す。危機一髪の鳳舞だったが、彩鳳鳥(さいほうちょう)の助けにより技をはね返し、なんとか勝利を得た。鳳凰真血を奪ったのが左青鸞だと知った鳳舞は、彼女に詰め寄るが、聖后は左青鸞をかばう。かくして聖后の誕辰祝いの席で、君臨淵と鳳舞は剣舞を披露するが…。
第20話 灯籠祭り
鳳舞に敗北し碧落宮の宮主(きゅうしゅ)にも叱責された左青鸞は、あらためて聖后に接近していた。一方、鳳舞は彩鳳鳥から第2の星辰のかけらが出現したと告げられ、近いうちに学院で大事件が起こると警告される。灯籠祭りの日、鳳舞は君臨淵が誘いに来るのを待つが、祭りが終わりに近づいても彼は現れない。同じ頃、修練中の聖君が突然倒れ、君臨淵は神殿に駆けつけていたのだった。聖君は一命をとりとめるが、寧世恩(ねいせいおん)院長は君臨淵に毒の可能性を匂わす。
第21話 血塗られた学院
聖君が倒れたことを知らない鳳舞は、君臨淵が迎えに来ないことに腹を立て、蔵書楼の呉有道を尋ねる。だが蔵書楼で見つけたのは、何者かに刺された寧院長だった。鳳舞はそこへ駆けつけた高威(こうい)に下手人であると疑われ、監禁される。君臨淵は鳳舞を助けるため、御冥夜と協力し、院長暗殺の真犯人を捕らえるために罠(わな)を張る。そこに現れた刺客は、君武一族、暗夜幽廷(あんやゆうてい)、碧落宮などすべての門派の技を操る手練れであった。その正体は…?
第22話 暴走する怨念
鳳舞と君臨淵は、地下道の奥で司馬蕓娘(しばうんじょう)の住居跡を見つける。そこには呉有道に宛てた最後の文(ふみ)が残されていた。君武学院への復讐の念に囚われた呉有道は、己の命と引き替えに霊力を暴走させる。方霊宗(ほうれいそう)や玄奕、風潯(ふうじん)、左青鸞たちは結界を張り、呉有道を止めようとするが、すさまじい霊力にはかなわない。鳳舞と君臨淵は、我を忘れた呉有道に、なんとか蕓娘の文を届けようとする。そこに現れたのは、かつて神医と称えられた巴(は)じいさんだった。
第23話 無頼の純情
暗夜幽廷の魔尊(まそん)に付いて修練を続ける左青鸞。彼女は聖后から、牧九州(ぼくきゅうしゅう)と聖君、魔尊の過去の因縁を聞かされ、あらためて打倒鳳舞の決意を固める。その頃、碧落宮の宮主が君武学院へ視察に訪れる。沐瑶はこの機に、宮主の前で朝歌と手合わせをするが…。ある夜、鳳舞は朝歌に誘われ、町へと出かける。聖君の病で延期された花火大会が行われるのだ。朝歌はここで鳳舞と君臨淵を会わせる算段をしていた。だが、鳳舞の前に現れたのは御冥夜で…。
第24話 妖獣の悲恋
左青鸞にそそのかされた朝歌は、鳳舞の真贋(しんがん)を確かめるため、鳳舞の指輪、龍鳳霊戒(りゅうほうれいかい)を盗み出し、仙婆(せんば)が住むという白頂(はくちょう)山へ向かう。そこは高位の妖獣が棲むとされる魔の山だった。朝歌を追った鳳舞は山中の洞窟で、かつて牧九州が封じ込めたという千年の修練を積んだ白狼(はくろう)の精・狼魔(ろうま)と出会う。そこで朝歌と鳳舞は、妖獣と人間の悲しい恋物語を聞かされる。同じ頃、君武神殿では、聖后がついに聖君に対し反旗を翻そうとしていた。
第25話 聖后の秘密
聖君は、暗夜幽廷の魔尊と結託した聖后に捕らえられて軟禁される。一方、子供を殺され凶暴化した狼魔を暗夜幽廷の手から救おうとした鳳舞は、霊力を使い果たし倒れる。そこに現れた左青鸞は、鳳舞と君臨淵たちを反逆の罪で捕らえ、狼魔を捕縛。聖后の前に引き出された君臨淵は、牧九州と聖君との衝撃の過去を聞かされるのだった。同じ頃、鳳舞は通天台で雷に打たれる刑罰を受けていた。それを見つめる御冥夜は…。
第26話 堕ちた神女
通天台で雷に打たれる鳳舞は、朦朧(もうろう)とした意識の中で牧九州に会い、さらに元の鳳舞と話をして勇気づけられる。そして牧九州から奥義を授けられ、霊宗として覚醒。刑罰を乗り越えるのだった。一方、左青鸞は暗夜幽廷の外法(げほう)の修練に取り憑かれていた。憧れていた師姐(ししゃ)の変わりように気づいた沐瑶がやめさせようと説得するも、左青鸞は彼女を手にかけてしまう。その頃、君武神殿と学院の追っ手たちが狼魔を追い詰めていて…。
第27話 憎しみの果てに
鳳舞の覚醒を知った聖后は、牧九州の復活を阻止するため、左青鸞に鳳舞殺害を命じる。そして魔尊に暗夜幽廷の全面的な協力を依頼する。左青鸞は皆の前で、鳳舞が偽者であると告発。だが形勢不利と見た左青鸞は、龍鳳霊戒を迷影鏡(めいえいきょう)の中に放る。それを追って鳳舞も鏡に飛び込むが、鏡の中は幻が人を惑わす虚無の世界だった。幻想の幸福に溺(おぼ)れかける鳳舞。彼女を救うため、君臨淵も鏡の世界へ。そして左青鸞も、最後の決着をつけるために彼らを追う。
第28話 君武学院の危機
鳳舞が本物ではないと知り、彼女に冷たくあたってしまった朝歌は思い悩む。だが、玄奕の助言によって現在の鳳舞との友情を思い出し、和解しようと思い出のラーメンを手作りして鳳舞にふるまう。そんな中、牧九州は復活を果たしたものの、昔ほどの霊力は戻らないでいた。聖后に直接会いに行くが、魔尊に恫喝され追い返される。その間に、聖后は聖君の自由を奪って君武神殿を手中に収め、学院に魔の手を伸ばそうとしていた。
第29話 愛と覚悟
君臨淵とともにひとときの休息を味わった鳳舞は、彼に想いを告げて愛を誓う。決死の覚悟をした君臨淵は、君武神殿の抜け道に忍び込んで鳳凰真血を封じた腕輪を発見するが、魔尊に見つかり胸を刺されてしまう。碧落宮を服従させた聖后は君臨淵死去の噂(うわさ)を流し、さらには君武学院に兵を送りこむ。天下(てんか)楼の達人たちの助太刀を得て善戦する学徒たち。だが、そこに魔尊が現れ、邪術を用いて制圧にかかる。君武学院の危機に、牧九州が立ち上がるが…。
第30話(最終話)最後の戦い
聖后は鳳舞たちをおびき出すため、牧九州処刑の告示を出す。救出をためらう君武学院の弟子たちの前で鳳舞は、この世界と出会った人々をいかに愛しているか熱弁し、皆の心を動かす。一方その頃、捕らえられた君臨淵を御冥夜が救出していた。君臨淵は御冥夜に、鳳凰真血を鳳舞に届けるよう頼み、自分は牧九州のもとへと走る。夜明け前、君武神殿に突入した鳳舞たちは聖后に迫るが、そこに立ちふさがったのは、圧倒的な力を持つ魔尊であった。