あらすじ
龍岭迷窟(りゅうれいめいくつ)での冒険を終え、次なる目的地が雲南(うんなん)にある虫谷(ちゅうこく)の献(けん)王の墓だと知ったフー・バーイー、ワン・カイシュエン、シャーリー・ヤンの3人は、呪われたあざを解くカギである伝説の秘宝“雮塵(ムーチェン)玉”を求めて再び冒険の旅へ。北京の昆虫研究チームに扮して長距離バスに乗り込んだ3人だったが、虫谷の手前にある山・遮龍(しゃりゅう)山へ向かう途中、土砂崩れに巻き込まれてしまう。そこで出会った娘・コンチュエに同行し、遮龍村へと足を踏み入れたバーイーたちは、虫谷へ宝を捜しに行って戻った者はいないと彼女から聞く。一晩コンチュエの家に泊まった3人は、虫谷への水路を教えてもらうが…。
第1話 新たなる冒険の始まり
フー・バーイー、シャーリー・ヤン、ワン・カイシュエンの3人には呪いのあざが残されたままだった。この呪いを解くため、彼らは雲南(うんなん)にある虫谷(ちゅうこく)へ旅立つ。虫谷は、かつて滇(てん)国から移った民たちが住んでいた土地で、献(けん)王という暴虐な首領が秘術で支配していたらしい。危険を承知で雲南に乗り込んだバーイーたちだったが、土砂崩れでバスが止まってしまう。そこで知り合った少女・コンチュエに案内され、3人は遮龍(しゃりゅう)村という場所にたどり着く。
第2話 洞窟の中へ
遮龍村では新しい族長を誰にするかが話し合われていた。そこへバーイーたち3人が虫谷へ向かったという知らせが届く。現族長のエンクワンは息子のゾーワーを族長にしたいと考えていたが、そのためには村人全員を納得させるだけの手柄が必要だった。そこで息子に3人を捕らえさせ、族長を継ぐにふさわしい功績を立てさせようと考える。一方、バーイーたちは竹でいかだを作り、水路の入り口である洞窟を目指して川を下り始める。
第3話 謎の信号
ピラニアの大群に襲われながらも、バーイーたちは何とか洞窟を脱出する。洞窟を抜けた先には深い森が広がっていた。持ってきた地図は頼りにならず、北へ向かって進むことにする。しばらく歩くと、抱き合うようにして生えている巨大な2本のガジュマルの木を発見。3人は木の根元で野宿をすることにしたが、どこからかSOSのモールス信号が聞こえてきた。木の上に何かの気配を感じ、バーイーとシャーリーは様子を見に行くが…。
第4話 赤い魔の手
輸送機から脱出した3人は、ガジュマルの木の上に古い棺(ひつぎ)があることに気づく。棺を下ろして開けてみると、血のような赤い液体の中に、黄金の仮面を着けた古代ミイラが納められていた。献王の墓と関係があるのかもしれないと考えるバーイー。そんな中、カイシュエンは棺のふたに施された彫刻を発見。それは邪気を鎮めるための鎮陵図(ちんりょうず)だった。シャーリーは写真を撮って記録を残すが、そのとき、彼らの背後に恐ろしい危険が迫る。
第5話 山神の
バーイーたちは強い毒性を持つ瘴気(しょうき)の白い霧に襲われるが、防毒面を使って無事に霧を抜ける。しかし、彼らを追ってきた村人のジャーロンは毒に目をやられてしまう。村人から逃れて森を進む3人は、赤土に殺虫成分が含まれていることに気づく。バーイーは風水の構造から、付近に山神を祭る廟(びょう)があるはずだと考え、廟を探すことにする。一方、目を失ったジャーロンは3人への復讐心を募らせていた。
第6話 石像の謎を突破せよ
山神の廟で見つけた白骨死体。それは行方不明のシャーリーの父親だった。悲しみに暮れるシャーリーを何とかして慰めようとするバーイーとカイシュエン。そんな中、3人は廟の中に多数のカエルの石像があることに気づく。これを正しい順番で回すと、滇国の遺跡への入り口が開くようだ。しかし、間違った順番で3度回してしまうと、入り口は完全に閉ざされてしまう。一方、エンクワンたちは、バーイーたちを追って廟に接近していた。
第7話 巨大洞窟の奥へ
村人たちの追跡から逃れ、山神の廟にある石門を突破したバーイーたち。石門の先に広がっていたのは巨大な洞窟だった。恐らく献王の墓の一部だろうと推測しつつ、洞窟の奥へ進む3人。やがて洞窟の中には巨大な池が広がり、彼らは水の中を進まざるを得なくなる。暗闇の中を歩くカイシュエンは奇妙な気配を感じ、何かが自分たちをつけていると訴える。そんなカイシュエンとバーイーは、かつて遭遇した奇妙な体験を思い出す。
第8話 赤い霧
洞窟を進む3人は、川に浮かぶ奇妙な光る物体を発見。それは女の水死体かのようだった。バーイーは興味津々のカイシュエンに刺激しないよう注意し、先へと進む。そんな彼らの前に、赤い霧が出現。以前、チェン・ユーロウが言っていた“赤い霧は白い霧より強い瘴気を持つ”という言葉を思い出したバーイーたちは、防毒面をつけて回避するが…。一方、村人たちはカイシュエンが撃った銃声を聞き、3人のいる場所へ近づきつつあった。
第9話 天上の宮殿
バーイーはジャーロンによって谷へと落とされるが、無事にカイシュエンたちと合流することに成功する。一息ついたのも束の間、3人は山上にそびえる巨大宮殿・献(けん)王の陵墓を発見。険しい崖を登り、ようやく山上にたどり着くが、陵墓の門には鍵がかかっていて開けることができない。この門を開けるには…。一方、洞窟に引き返した族長たちは、再びバーイーたちを追い始める。しかし、その洞窟の水中には謎の生物が潜んでいた。
第 10 話 不気味な人形
献王の陵墓の中に足を踏み入れた3人。奥へ進んでいくと突然、暗闇の中で女の笑い声のような奇妙な声が響き渡った。その正体を暴こうと進む彼らの前に、上から吊(つ)るされた不気味な人形が出現。カイシュエンは人形を調べるために上へと登っていくが、そこに村人たちが姿を現す。村人がここまで来るとは思いもしなかったバーイーたちは、煙幕を利用して彼らの追跡をかいくぐろうとするが、カイシュエンが捕まってしまい…。
第 11 話
突然現れた謎の生物との戦いで、族長のエンクワンをはじめ多くの村人が傷つき亡くなってしまった。生き残った村人たちが悲しみに暮れる中、バーイーたちは地宮(ちきゅう)を目指して先へと進む。バーイーは深淵(しんえん)の中に地宮があると考え、3人で水中に潜ることにするが、ブツブツと独り言を言ったり、奇妙な声をあげたりと、どうもカイシュエンの様子がおかしい。一方、村人たちは帰り道の危険を考え、淵(ふち)のそばで3人の帰りを待つことにする。
第 12 話 3つの
淵の中の入り口から、地宮に入ったバーイーたち。カイシュエンの幻覚もようやく消え、さらに奥へと進む。そして、巨大な吊り橋を渡った3人は、材質がそれぞれ異なる3つの棺(ひつぎ)が置かれた墓室にたどり着く。この中のどれかに献王の骸(むくろ)が入っていると思われるが、どれに入っているかは分からない。そこで、3つすべてを開けてみることにするが…。一方でジャーロンは、バーイーたちの目的が財宝に違いない不信感を募らせる。
第 13 話
黒鱗鮫人(こくりんこうじん)の長生燭(ちょうせいしょく)を目撃した3人はその先で、生きた子供を使って作られた3つの長生燭を新たに見つける。長生燭は通常、骸1体につき1つ配置されるが、黒鱗鮫人のものを数に入れると全部で9つ。長生燭と棺の数が合わないことにバーイーは気づく。他にも棺が隠されていると考えて陵墓の謎を解き始めるが、さらにもう1つ、大きな長生燭を発見し…。一方でダーは、3人を盗賊だと罵(ののし)り捕まえに行こうとするジャーロンを止めようとするが…。
第 14 話 見えざる手
地宮の最上層に来たバーイーたち。そこには目玉に宝石がはめられた天神の彫像があった。カイシュエンは、またもや物欲を刺激される。献王の墓室がこのあたりにあることは間違いないと思われるが、肝心の献王の棺と骸が見当たらない。何か手がかりを得ようと、壁の彫刻を見るバーイー。すると突然、謎の手がバーイーの首に伸びて…。一方、バーイーたちを追うジャーロンたち一行は、三世(さんぜ)橋を渡り、3つの棺がある墓室にたどり着く。
第 15 話 帰り道では振り向くな
献王の骸をついに探しあてたバーイーたち。何とか“生きた墓室”から脱出した3人は、手投げ弾で墓室を破壊。バーイーは決死の覚悟で雮塵(ムーチェン)玉をつかみ取った。これで死なずに済むと喜ぶ3人だったが、喜んだのも束の間、帰途にはジャーロンたちが待ち受けていた。財宝を出せと脅迫するジャーロン。バーイーは彼に「自分たちは薬を捜していただけだ」と説明するが、聞き入れようとしない。そのとき、轟音が鳴り響き、地宮が崩壊し始める。
第 16 話(最終話) そして旅は続く
無事に雮塵玉を手に入れた3人は、ダーとコンチュエに見送られながら遮龍(しゃりゅう)村をあとにする。しかし北京へ向かう電車の中で、彼らはあざが消えていないことに気づく。雮塵玉は手に入れるだけでなく、何かの方法で効力を発揮させなければいけないようだ。北京へ戻りその方法を探す3人。バーイーとカイシュエンは、周易(しゅうえき)に詳しいチェンのもとを訪ねる。チェンから風水に詳しい者がいると聞き、白雲(はくうん)山を訪れるが、そこである人物と出会い…。