亡き兄の希望で、宋(そう)の最高学府・国子監(こくしかん)に入学すべく上京してきた太尉(たいい)の娘・桑祈(そうき)。これまで名門男子のみが入学を許されていたこの学び舎は、改革派の教師 ・晏雲之(あんうんし)の活躍で変わりつつあった。ひょんなことから晏雲之と最悪の出会いを果たした桑祈だったが、なんとか無事に国子監初の女子生徒として入学! 文武両道で優秀だが何かとお騒がせな桑祈と厳格な晏雲之はドタバタの攻防を展開するが、ある事件をきっかけに急接近! 一方、桑祈の幼なじみ・卓文遠(たくぶんえん)も彼女に積極アプローチを仕掛け…!? そんな中、都を揺るがす陰謀と桑祈の兄の死の真相が明らかになっていく…。
第1話
辺境で育った桑祈(そうき)は、亡き兄の希望をかなえるために汴京(べんけい)にやって来た。暴走する馬車を止め、その前に立ちすくむ太傅(たいふ)の娘・宋佳音(そうかいん)を助けるが、彼女も馬車の主も礼ひとつ言わない。その後、慶豊楼(けいほうろう)で幼なじみの卓文遠(たくぶんえん)と再会した桑祈は、そこで店の者に罰を与えようとする宋佳音に再び出くわす。桑祈は止めに入るが、ひょんなことから彼女と賭けをするはめに。宋佳音は、馬車に乗っていた晏雲之(あんうんし)に巾着を受け取らせたら観衆の前で謝ると言うが…。
第2話 巾着の行方
晏雲之から「巾着を受け取る」と言われた桑祈だったが、持っていたはずの巾着が見つからず、せっかくのチャンスを失ってしまう。しかしそれは、晏雲之が隙を見て巾着を盗み、仕組んだ罠(わな)だった。晏雲之は侍衛の白時(はくし)を使って巾着を返そうとするが、白時は誤って閻琰(えんえん)の席に置いてしまう。桑祈から愛の告白を受けたと勘違いした閻琰は恋文を送って密会に誘うが、桑祈は決闘を申し込まれたと勘違い。2つの誤解は思いもよらぬ大騒動に発展して…!?
第3話 謎の赤い粉
晏雲之は厳三郎(げんさんろう)に頼まれて、京兆(けいちょう)府が扱う殺人事件の捜査を手伝っていた。この殺人事件には桑祈の兄・桑羽(そうう)が亡くなった状況と重なる部分があり、現場で見つけた怪しい粉を調べることで、彼の死の真相に近づけるかもしれないと考える。その夜、晏雲之と厳三郎の前に仮面を着けた怪しい賊が現れる。晏雲之が急いで後を追うと、賊は太尉(たいい)府に逃げ込んだ。逃げる賊を追って屋敷内のある部屋に飛び込むと、そこには湯あみをする桑祈がいて…。
第4話 大みそかの花火
目を覚ました桑祈は、毒が仕込まれていた料理が保冷室に保管されていることを知る。正月休みで封鎖される前に急いで保冷室に忍び込むと、晏雲之も来ていた。そこで2人は赤い毒の粉を手に入れるが、施錠され閉じ込められてしまう。寒さで衰弱していく中、兄との花火の思い出を語る桑祈に、晏雲之は“小白(しょうはく)”に会わせると約束。保冷室を脱出した晏雲之は、桑祈が食べた毒と京兆府から入手した別の事件の毒が同じであることを知るが…。
第5話
晏雲之に巾着を渡せないまま、賭けの期限である上元(じょうげん)節がやって来た。宋佳音との賭けに負けた桑祈は、大勢の観衆の前で琴(きん)を弾かなければならなくなった。桑祈に恥をかかせないため、卓文遠は芸妓(げいぎ)の浅酒(せんしゅ)に陰で演奏させ、舞台の上で弾くふりだけをするよう勧めるが、桑祈は卑怯な真似はしたくないと自ら演奏する。案の定、ひどい演奏で観衆からはやじが飛ぶが、つたない腕で引き続ける桑祈。そのとき花火が上がり、思いがけない助け船が出され…。
第6話
桑祈を山奥の別院に案内した卓文遠は、彼女に改めて浅酒を紹介する。夜1人で帰ることになった桑祈は、刺客に襲われて絶体絶命のピンチに。そのとき、武芸の達人が空から舞い降りて桑祈を救い、名乗らずに姿を消す。翌日、太尉府で休養する桑祈のもとを訪れた晏雲之。刺客について桑祈に尋ねると、刺客には文身(ぶんしん)があり、浅酒にも同じ紋様の文身があったと話す。桑祈が描いた絵を頼りに調べると、西昭(せいしょう)の悪人が用いる紋様だと分かり…。
第7話 腹黒
国子監の帰りに蘇解語(そかいご)と偶然会った桑祈は、彼女を食事に誘う。女子同士の話は弾むが、なぜか話題は晏雲之のことばかり。蘇解語から晏雲之への想いを聞いた桑祈は、「あなたにはふさわしくない」と彼の悪い点を並べ立て、思い直させようとする。語り終えた2人が部屋を出ると、そこには隣の部屋ですべてを聞いていた晏雲之の姿が。気分を害した晏雲之は、皮肉な態度で桑祈を追い返すが、夜更けに1人、思い起こすのは…。
第8話 弟子の座をめぐる争い
閻琰が白衣の達人を見つけたと太尉府に駆け込んで来た。慶豊楼で手に入れたという達人の居所を示す地図を頼りに、桑祈、閻琰、蓮翩(れんへん)たちが歩いて行くと、山奥の霊霧(れいむ)山荘にたどり着く。俗世を捨てた武の達人の家にしては簡単に見つかりすぎると桑祈は疑問を抱くが、山荘の中には白い衣姿の達人と、なぜか晏雲之の姿があった。初めは弟子を取ることを拒んだ達人だったが、難題を解決すれば1人だけ弟子にすると言う。その難題とは…。
第9話 火花飛び散る山の
雑用係を命じられた桑祈はいったん山を下り、荷物を取りに屋敷へ戻る。屋敷に来ていた卓文遠は、山荘では晏雲之も一緒だと知ると、桑祈の後をつけて来てしまう。桑祈が雑用をさせられると聞いた卓文遠は、手伝うために滞在すると言い出して帰ろうとしない。そして、名酒で晏鶴行(あんかくこう)を懐柔して滞在を許可させる。桑祈は美味で晏鶴行を虜(とりこ)にして弟子入りするために厨房(ちゅうぼう)で腕を振るうが、そのかたわらで卓文遠と晏雲之が包丁を片手に火花を散らす。
第10話 2人きりの洞穴
大雨で崩れた岩を避け、桑祈と晏雲之は洞穴に飛び込んだ。そのとき岩が入り口を塞ぎ、2人はそのまま中に閉じ込められてしまう。卓文遠は岩を壊すための道具を求めて山荘に戻るが、晏雲之と桑祈が2人きりだと知った晏鶴行は、甥(おい)の恋路の後押しをするため、すぐには道具を貸さず時間を稼ぐ。2人はようやく洞穴から救い出されるが、体調を崩した卓文遠と軽傷を負った晏雲之は、互いに桑祈の同情を買おうと容体を大げさに振る舞い…。
第11話
晏鶴行の武術修行を終えて汴京に戻った桑祈は、晏雲之に対してこれまでとは違う想いを抱いていることに気がつく。気持ちが変わったことに後ろめたさを感じた桑祈は蘇解語に伝えに行くが、その気持ちが何なのか桑祈自身にはまだ分かっていなかった。そんな中、誕辰(たんしん)祝いの宴(うたげ)に晏雲之や桑祈をはじめ、親しい知人らを招いた蘇解語。晏雲之は高価な琴を贈り、その場からは「求婚も同然」という言葉がささやかれると、桑祈は思わず席を離れる。
第12話
休暇が明けて国子監(こくしかん)に学生たちが戻って来た。桑祈は晏雲之と会うのを楽しみにしていたが、科挙が近いため時間割りが変更となり、晏雲之の法課は中止となる。2人は偶然再会するが、晏雲之は清玄君(せいげんくん)に呼び出されて去ってしまう。清玄君と慶豊楼に行った晏雲之はそこで蘇解語と会い、宋佳音からの誕辰祝いに西昭の毒が混入していたことを聞く。そんな中、宋落天(そうらくてん)が閻琰の婚約者を奪って近々婚儀を行うという知らせが桑祈たちのもとに入り…。
第13話 波乱の農業実習
国士監の学生たちは農業実習に出かけることになった。彼らは旅行気分で大喜びするが、実際には厳しい労働が待っていた。晏雲之を意識しつつも、その想いを量りきれずにいる桑祈。その一方で卓文遠と晏雲之は、互いに桑祈への想いを隠さず熱い火花を散らす。表向きは実習だが、晏雲之が宋(そう)家の茶園に隣接する場所を選んだのには別の目的があった。夜分、ひそかに茶園を探る晏雲之と白時。そこへ桑祈と卓文遠が現れて…。
第14話 通じ合った想い
白時に宋家の茶園を調査させていた晏雲之は、宋家が西昭の植物を育てているという確証を得た。しかし、京兆府から厳三郎を呼んで宋太傅(そうたいふ)を捕らえる相談をしているところを、卓文遠に聞かれてしまう。翌日、証拠の植物を押収して宋太傅を追求しようとしたとき、1人の農民がその植物は魏(ぎ)家の畑の物だと証言。さらに裏付けとなる契約書も見つかり、魏展鴻(ぎてんこう)の父親は投獄される。晏雲之は厳三郎と捜査を続ける一方で、桑祈を川辺に呼び出して…。
第15話 いたずらの功罪
朝廷主催の特別講演の講師として宋太傅が招かれることになった。茶園の一件以来、宋太傅に不信感を抱いている桑祈たちは、一計を案じていたずらを仕掛けることに。卓文遠はやめるよう忠告するが…。講演の当日、奸臣を見分けると言われる木の枝を宋太傅の頭上に落とした桑祈と閻琰。辱めを受けて激怒した宋太傅は、晏雲之に教師として責任を取るよう詰め寄る。報告を受けた皇帝は事態の収拾のため、晏雲之の司業(しぎょう)の職を免ずると言い渡し…。
第16話 流刑の裏に潜む
桑祈(そうき)は、魏(ぎ)家が茶園で毒草を育てていたのは宋(そう)家の指示に違いないと考えるが、兄の桑羽(そうう)が宋家に恨まれるような点は思い当たらない。魏展鴻(ぎてんこう)が流刑となったことで落ち込んだ宋落天(そうらくてん)は、酒を飲んで桑祈に絡み、かつて料理に下し薬を盛るよう魏展鴻に命じたことを打ち明けてわびる。しかし、魏展鴻が実際に盛ったのは命に関わる西昭(せいしょう)の毒だ。宋落天の話を聞いた桑祈は、魏家と西昭のつながりに思い至り、茶園の一件自体が罠(わな)だったことに気づく。
第17話
閻琰(えんえん)が主導して行った署名と馮博士(ふうはくし)の上奏が功を奏し、皇帝は晏雲之(あんうんし)の司業(しぎょう)復職に同意した。しかし宋太傅(そうたいふ)が異議を唱えたことで、今年の試験の合格者数が過去を超えれば復職させるという条件を出す。晏雲之は、体力強化、厳しい罰則などのさまざまな試みを用意して学生たちを後押しする。学生たちが張り切る中、桑祈が不安な気持ちを晏雲之に打ち明けたところ、目先の合否や得点だけを目標とするなと諭される。そして、いよいよ試験当日を迎え…。
第18話 さよなら学生生活
試験を終えた桑祈は身も心も抜け殻になったように感じていた。もう受験勉強も、国子監(こくしかん)に通う必要もないのに、一抹の寂しさが拭えない。司業と博士(はくし)らは学生たちを慶豊楼(けいほうろう)に連れて行き、試験の苦労をねぎらう。妓女(ぎじょ)たちは晏雲之が蘇解語(そかいご)を拒絶したことを話題にし、酒を勧めながら本命の相手を聞き出そうとする。困惑する晏雲之に助け船を出した桑祈は妓女が勧める杯を自ら飲み干す。そんな桑祈を見た晏雲之は、皆の前であることを語り始める。
第19話 求婚で大騒動
卓文遠(たくぶんえん)から突然の告白を受けた桑祈は、もう幼い頃とは違う、自分が愛するのは晏雲之ただ1人だと言って、彼の想いをきっぱりと拒んだ。桑祈が去った後、卓文遠は桑祈に対して憎しみを覚え始める。試験が終わり、閻琰と晏雲之は、それぞれ蓮翩(れんへん)と桑祈に求婚するために太尉(たいい)府へ向かう。事前に晏雲之の求婚の意を察した桑太尉(そうたいい)は、苦々しい気持ちだった。そこへ閻琰に先んじて閻(えん)夫人が到着し、上機嫌で桑太尉と求婚について話し始めるが…。
第20話 仕官への道
無事試験に合格した桑祈だが、任官の告示に桑祈の名はなかった。晏雲之の求婚の噂(うわさ)が広まり、桑祈が国子監に入ったのは婿選びが目的だと邪推する学生たち。桑祈はその言葉に心を曇らせる。何とか桑祈を官職に就かせようと、晏雲之が皇帝に直接掛け合った結果、桑祈は国子監の典籍(てんせき)に任命される。だが桑祈はそれを吏(り)部侍郎(じろう)となった卓文遠の口利きによるものだと誤解していた。改めて求婚のため桑(そう)家へと向かった晏雲之の前に現れたのは…。
第21話 愛を懸けた決闘
卓文遠との決闘に勝利した晏雲之は、晴れて桑祈を娶(めと)る資格を得た。閻琰も蓮翩を娶る覚悟を決め、喜び事が重なる。典籍(てんせき)の職を得て国子監で働くことになった桑祈は、兄の願いをかなえようと志を新たにする。一方、卓貴妃(たくきひ)から司業との決闘、さらに敗北したことを叱責された卓文遠は宋佳音(そうかいん)を娶るように言われるが、桑祈のことが諦めきれない。公務の名目で国子監を訪れた卓文遠は典籍室に居座り、外から錠を掛けさせて2人きりになるが…。
第22話
典籍室で傍若無人に振る舞う宋佳音を卓文遠がたしなめた。思いがけず優しい言葉をかけられた宋佳音は、卓文遠に心を奪われる。卓文遠はそのときに嗅いだ宋佳音の香水の匂いから、拠点で宋家と西昭が取り引きしていたことに京兆(けいちょう)府が気づいたのではと疑い、急いで宋太傅の屋敷を訪れ、手立てを打つよう促す。晏雲之は自身の誕辰(たんしん)の日に、桑祈から祝い事があると太尉府に呼ばれる。晏雲之は期待に胸を膨らませながら屋敷へ入るが…。
第23話 渦巻く陰謀
桑祈は晏雲之や厳三郎(げんさんろう)と協力し、閻琰を牢(ろう)から救い出した。しかし、閻(えん)家の問題自体は解決していないことを思うと夜も眠れない。晏雲之と気晴らしに出かけ、いくらか元気を取り戻した矢先、皇帝の命で桑太尉が投獄されたとの知らせが入る。とがめを受けるような心当たりといえば閻太師(えんたいし)を擁護したことぐらいだが、事態はもっと深刻だった。何者かが桑太尉も塩の密売に関わっていたと証言したらしい。その者こそ一連の事件の黒幕に違いないが…。
第24話 引き裂かれた愛
桑太尉が塩の密売に関与したと無実の罪を着せられ、死罪に処されることになった。同じ頃、晏雲之は皇帝より蘇解語との縁談を下賜される。晏雲之はどちらも何者かの謀略だと疑うが、桑祈は父の赦免への協力と引き換えに、卓文遠の求婚を受け入れる。婚礼前夜、国子監で桑祈と会った晏雲之は婚姻を思いとどまるよう説得するが、彼女の決意は固かった。そして婚礼の日。盛大な行列で桑祈を迎えに行く卓文遠の前に晏雲之が立ちはだかり…。
第25話 大芝居の舞台裏
卓文遠と桑祈の婚儀に乗じた大芝居により、卓(たく)家にかくまわれていた魏展鴻を連れ出すことに成功した桑祈と晏雲之。桑太尉が塩の密売に関与したという魏展鴻の偽証が明らかになり、嫌疑は晴れることに。厳三郎に問われた2人は、大芝居の一部始終を事細かに語って聞かせるのだった。卓文遠は皇帝から叱責を受けるものの、卓貴妃の擁護により罰を免れる。そして、桑祈を諦めると決意するが心は晴れず、妻となった宋佳音に冷たく当たるのだった。
第26話 命を懸けても
張(ちょう)おかみが何者かに後を付けられたことで京兆府の動きを察知した浅酒(せんしゅ)は、手を打つべきだと卓文遠に促す。しかし、まだ危機的状況ではないと考える卓文遠はひとまず静観する。張おかみが仲間に連絡を取る際に拠点をつかむという作戦は失敗に終わったが、晏雲之と桑祈が検視で発見した手がかりを頼りに、都に潜伏していた西昭の配下数人を捕らえることができた。拷問による自白を恐れて、一味の者が口封じに来ると考える晏雲之。そして、その夜…。
第27話 城外での急襲
西昭の一件は解決したが、晏雲之と厳三郎は秘密裏に卓文遠の調査を続けていた。卓文遠が重要人物に会うという話を聞いた2人が深夜に城外へ出ると、黒衣の賊に襲撃される。厳三郎は重傷を負い、追い詰められた晏雲之は崖から突き落とされ、行方知れずとなる。晏雲之の身を案ずる桑祈と閻琰が京兆府を訪れると、襲撃から生還した兵士への聞き取り調査が行われていた。襲撃の首謀者を見たかと尋ねられた兵士は、意外な人物の名を口にした。
第28話 愛と憎しみ
床に伏した桑祈には毒の症状が表れていた。彼女が肌身離さず持ち続ける晏雲之の巾着には、実は残酷な秘密が隠されている。病で屋敷に籠もっている間に卓文遠が国子監の司業となり、桑祈と晏雲之が定めた新制度はすべて廃止され、自分は典籍を罷免されたと聞いた桑祈は病身を押して国子監に乗り込む。制度を元通りにしろと言う桑祈に、一緒に上元(じょうげん)節を過ごせと条件を出す卓文遠。上元節の夜、うつろな心で街を歩く桑祈を待っていたのは…。
第29話 死の床で明かされた真実
桑祈の容体が悪化し、医師や蘇解語にもなす術がなかった。卓文遠は晏雲之をおびき寄せるため、桑祈が余命幾ばくもないという噂を広める。死を覚悟した桑祈は死ぬ前に真相を知りたいと卓文遠に話し、彼が晏雲之の巾着に毒を仕込んだことを聞き出すと、そのまま息を引き取った。そして卓文遠の思惑通り、晏雲之が桑祈の葬儀に現れる。卓文遠は、ひと目桑祈に会いたいと言う晏雲之の願いを聞き入れず、桑祈の眠る棺(ひつぎ)に火を放つ。
第30話(最終話) 願いがかなうとき
罪の証拠が見つかったことを悟り、逃亡を図る卓文遠。その行く手を阻んだのは晏雲之だった。卓文遠は晏雲之と配下を皆殺しにし、すべての罪をかぶせようと目論む。しかし、そこへ死んだはずの桑祈が姿を現す。巾着に毒が仕込まれたことに気づいた桑祈は卓文遠の筋書きに乗り、死を装うことでその罪を暴こうとしたのだった。幼なじみの情を捨て、剣を交える桑祈と卓文遠。桑祈の剣が喉元に突きつけられたとき、卓文遠はある行動に出て…。