2010年、韓国史上最悪といわれる巨額の投資詐欺事件が起きる。首謀者であるノ・サンチョンは2015年に逃亡先の中国で死亡し、数万人の被害者を残したまま事件は幕を閉じる。2023年、「ノ・サンチョンに殺される」という通報後に殺人事件が発生。捜査を担当する刑事ク・ドハンは現場で怪しげな男イ・ビョンジュンを逮捕する。彼はノ・サンチョン詐欺事件の被害者だった。弁護士と名乗るチョン・ナヨンが面会に現れるが、ドハンに正体を気づかれ、記者であることを明かす。彼女もまた被害者家族だった。互いを疑い対立するドハンとナヨンだが、その後も同様の殺人事件が起き、2人はともに真相を追い始める。

2010年、韓国詐欺史上最高額の５兆ウォンを超える投資詐欺事件の主犯、ノ・サンチョンが逃亡先の中国で交通事故に遭い死亡した。2023年、マガンで殺人事件が発生する。被害者は死ぬ直前に、「ノ・サンチョンに殺される」と警察に電話をしていた。停職中の刑事ク・ドハンは、カン・ジョンフン次長から呼び出され事件を担当する。ドハンは殺人現場で写真を撮る怪しい男イ・ビョンジュンを逮捕するが、彼は自分もサンチョンの詐欺被害者だと語る。

サンチョンは、かつてチンピラ同然のケチな高利貸しだった。投資詐欺に加担するつもりが騙されて有り金を失っていた。2023年、ドハンは、ビョンジュンを殺人容疑で拘束しようとするカン次長の態度に不審を抱き、ビョンジュンを釈放するが…。被害者の会では、自身も父親を詐欺事件で失った記者のチョン・ナヨン、元大学講師のキム・ヨングァンらがビョンジュンを待っていた。ドハンが被害者の会と事件の関係を疑う中、第２の殺人が起こる。

サンチョンの遭った投資詐欺事件の背後には国会議員のキム・ソンデがいた。激怒したサンチョンはキム議員の補佐官パク・グァンシンを脅迫する。2023年、マガン市の市議になっていたグァンシンが、「ノ・サンチョンに殺される」と警察へ通報後に殺害される。ドハンは現場近くにいたビョンジュンとナヨンを連行。これで２人目だと言うドハンに、カン次長は３人目だとつぶやく。ドハンから釈放を告げられたビョンジュンは、自分が殺したと話し出し…。

サンチョンは自分を騙したソン・ヨンジンを追い詰め、キム議員に取り入る。キム議員はサンチョンに女性秘書のチョン・ソラムを紹介する。2023年、連続殺人事件の最初の被害者は、サンチョンの側近となったソラムだった。一方、釈放されたナヨンはサンチョンに関連した連続殺人が起こっているという記事をネットにアップロードするが、何者かによって削除され、会社に税務調査が入ることに。言論統制だと憤慨したナヨンはドハンに抗議するが…。

2007年、サンチョンはヨンジン、ソラムたちと通信事業でマルチ商法を始める。2023年、サンチョンの警護員を殺害した罪で服役していたチョン・ジェファンは、出所後に行方不明になっていた。ナヨンたちは彼が連続殺人の犯人だと推察し、ジェファンの行方を捜すため彼の母親の元を訪れる。一方、ジェファンの殺害リストに名前が載っているカン次長は、彼を恐れ現・検事長のパク・サンドにサンチョンは生きているのかと問い詰めるが…。

通話無料の携帯端末を大々的に売り出したサンチョンだが、詐欺だとバレて混乱が広がる。2023年、山中で首を吊ったジェファンが発見され、彼を兄のように慕うナヨンはショックを受ける。一方、何者かに拉致されたカン次長は、国道を徘徊しているところを保護される。カン次長はジェファンの仕業だと言うが…。連続殺人事件の捜査は、被疑者死亡で終結するが、納得できないドハンとナヨンはジェファンが出所後に会った人物を訪ねる。

キム議員は携帯端末の詐欺で大金を得たサンチョンから金をせしめて、縁を切ろうとする。しかし、サンチョンはソラムを味方に逆襲し…。2023年、捜査を続けたドハンは懲戒処分となる。ドハンは妹をマルチ商法にはまった男に殺害されており、そのマルチの主催者こそサンチョンの詐欺被害者ハン・ダジョンだった。ダジョンの主催する説明会に出かけたドハンは、舞台に突然ビョンジュンが現れ、ダジョンを刺す瞬間を目撃。彼を取り押さえるが…。

ドハンが捜査に復帰する。この事件は詐欺被害者からカン次長に至るまで、誰も真実を語っていないと言うドハン。カン次長を拉致したのは覆面の２人組であり、ジェファンではなかった。カン次長は自分の過去に決着をつけるため、パク検事長や昔の部下を訪ねる。そんな中、カン次長を再び２人組が襲い、自殺に仕立てるため、男は銃口をカン次長に向ける。一方、ダジョンの意識が回復したと知ったドハンは、ジェファンのことを尋ねに行くが…。

2023年、仁川国際空港に１人の男が降り立つ。年を取ったその男は中国のパスポートを手にしていた。同じ頃、母親の待つ病院に行くと言うナヨンに、ドハンは母親は自殺したじゃないかと叫ぶ。ナヨンもまた心を病み、母親の幻影と暮らしていたのだった。ドハンはナヨンに、連続殺人の目的はサンチョンを闇から引きずり出すことだと話す。そして、パク検事長を訪ねたドハンは、サンチョンは生きていてあなたも殺される可能性があると告げる。

堂々と警察庁に現れたサンチョンは、キム議員、パク検事長らを庁長室に集める。なぜ現れたのか問い詰める議員たちに、サンチョンは自分の命を狙う者たちから身を守るためだとうそぶく。サンチョンの行動を読んで庁長室を訪ねてきたドハンに、パスポートを見せて自分は中国人だとシラを切る。警察庁を出たサンチョンの乗る車を、バイクの２人組が襲う。同じく車を尾行していたドハンは１人を逮捕し、サンチョンを乗せて逃げる車をバイクで追跡するが…。

サンチョンはドハンに自分が帰国した目的は「復讐」だと言い、自分を保護してくれれば、連続殺人犯を捕まえさせると取引を持ち掛ける。サンチョンの帰国に動揺したキム議員たちはドハンを呼び出し、サンチョン帰国の事実を誰にも洩らすなと釘を刺す。ドハンは部下とともにサンチョンを郊外の安全な場所に匿うために車を走らせる。運転していたドハンは、タバコを吸いたいと車を停車。サンチョンも一服するために車を降り、ナヨンの視線に気づく。

サンチョンに持たせたGPSを頼りにドハンたちはアジトに突入するが、そこにはすでにサンチョンたちの姿はなかった。犯人たちを懐柔したサンチョンは彼らを殺害して、金塊を隠している廃鉱に向かっていた。ドハンたちもサンチョンが目指す廃鉱を探そうとするが、キム議員の圧力で応援を得られず、数千に及ぶ廃鉱を1箇所ずつ調べていく。一方、サンチョンが帰国したことを知った被害者の会のキム・サンボンたちも、彼を捕らえるためにある行動に出て…。