あらすじ
韓国全土を震撼させた「ヘッドハンター殺人事件」、それは殺害後、頭だけを持ち去る残酷な事件だった。奇跡的に生き残った少年コ・ムチの証言により医師ハン・ソジュンが逮捕される。同時期、遺伝子検査でサイコパス遺伝子を持つ胎児を堕胎させようとする法案が国会で審議されていた…。25年後、ソジュンに両親を殺されたムチは自らの手で彼を殺すことを目的に、刑事となっていた。折りしも、再び韓国にプレデター(捕食者)と呼ばれる連続殺人鬼が出現。ムチは正義感あふれる真面目な巡警チョン・バルムを相棒に捜査へと乗り出す。一方、ソジュンのサイコパス遺伝子を受け継ぐ子供がいることが明らかになり…。
第 1 話
韓国全土を恐怖に陥れた「ヘッドハンター殺人事件」。20人近くが殺され、頭だけを持ち去る残虐な犯行が続くが、捜査は進まない。ある夜、キャンプ場で再び殺人事件が発生。現場で奇跡的に生き残った少年コ・ムチの証言により、天才脳神経外科医ハン・ソジュンが逮捕され死刑を宣告される。妻ソン・ジウンのお腹の子供にサイコパス遺伝子の検査が行われ、99%の確率でサイコパスとの結果が。その時、同じ検査を受けたもう1人の女性がいた。
第 2 話
25年経ってもソジュンの刑は執行されず、彼は拘置所にいた。そこに刑事となったムチが面会に現れ、「お前の息子にも同じ苦痛を味わわせる」と伝える。一方、正義感にあふれ誰からも好かれる巡警チョン・バルムは拘置所へ慰問に訪れ、マジックショーを披露する。囚人の1人を箱に入れ再び扉を開くと、そこにはバルムの友人、刑務官ナ・チグクが血まみれとなって姿を現わす。搬送された病院でバルムはソン・ヨハンと名乗る青年医師と出会う。
第 3 話
ソジュンの友人で遺伝学博士ダニエル・リーはジウンの家を訪ねるが、何かに怯えたような彼女の様子が気になる。彼はジウンの息子ヨハンと会う約束をするが…。一方、ソウルでは立て続けに4件の殺人事件が発生。4件目の被害者の腕には襲われた刑務官の腕時計があり、ムチは同一犯の犯行だとにらむ。そんな中、女子高生オ・ボンイは同級生を殴ってしまい、和解金が必要になる。お金を稼ぐため、ボンイの祖母が家政婦として向かったのはヨハンの家だった。
第 4 話
遺体で発見されたボンイの祖母は、燃やされた写真を手にしていた。犯人を追うバルムは車に轢かれ負傷する。一連の犯行が最も凶悪なサイコパス、「プレデター(捕食者)」によるものであることが判明。さらに少年の誘拐事件が起こる。テレビプロデューサーのチェ・ホンジュは特別番組を企画、その放送中に犯人と思われる人物から電話がかかってくる。「なぜその子供を誘拐したか、理由を探せ」。被害者たちの共通点を探すため、ムチはバルムのもとを訪ねるが…。
第 5 話
誘拐された少年を救うため、1時間の生放送が始まる。バルムの提案で、監禁された少年を撮影したというフェイク映像を作成。犯人を挑発するムチだったが、視聴者の非難を浴び謝罪する羽目に。その時、モニターにムチの兄コ・ムウォンの顔が映し出される。神父となったムウォンは両親を殺した犯人を許すと言い出し、ムチとは絶縁していた。「ムチ、私は今まで一度もお前を恨んだことはない…」。ムチは急ぎ、兄の教会に駆けつけるが…。
第 6 話
ムウォンは殺され、教会で犯人と対峙したボンイは負傷し病院に運ばれる。やがて兄を失った悲しみから何とか立ち直ったムチは、ダニエル殺害の容疑者として浮かんだヨハンがソジュンの息子だと気づく。令状なしで彼の家を捜索するが、玄関先でヨハンがホンジュと抱き合う姿を目撃してしまう。一方、バルムは安全のためボンイを自分の家に連れていく。彼はボンイの祖母のDNAがヨハンの家から発見されたと聞き、家の地下室に忍び込むが…。
第 7 話
病院に搬送されたバルムとヨハン。バルムは緊急手術を受け助かるが、脳に障害を負い記憶を失う。ヨハンは息を引き取り、事件は容疑者死亡で解決となる。1年後、巡警として復職したバルム。河川敷で死体を発見した彼はサイコパスの仕業だと確信するが、警察は別の容疑者を逮捕する。そんな中、ムチはバルムと偶然出会い、彼が自分を覚えていたことを喜ぶ。2人で犯人の手口について推理を巡らすうち、ムチはバルムが変わったことを感じるが…。
第 8 話
バルムは弁護士ウ・ヒョンチョルが犯人だと推理するが、彼にはアリバイがあった。逮捕されたのはヒョンチョルの父ウ・ジェピル。ムチの上司パク・ドゥソクの娘を殺したのも自分だと自白する。それを知ったドゥソクの妻は病院に入院中のジェピルのもとへ急ぐ。一方、ようやくボンイを捜し当てたバルム。彼女から頼まれ証拠品の中から祖母のブローチを探していたとき、急な幻覚に襲われる。彼は自分の手術を執刀した医者を知ろうとして…。
第 9 話
バルムは手術によってヨハンの脳を移植されたことを知り、ショックを受ける。ソジュンから過去の出来事について聞き出した彼は、自分の手術の裏で得体の知れない動きがあることに戸惑う。一方、ジェピル殺害の容疑で逮捕されたムチ。だが、バルムは彼が犯人でないと確信し、真犯人を突き止める。釈放されたムチは、刑務所に入りソジュンを殺すという目的が果たせず、酒をあおる。そしてホンジュに、なぜヨハンに惹かれたのか尋ねるが…。
第 10 話
容疑者ジェピルの死亡で捜査は終了。納得のいかないムチとバルムは弁護士である息子ヒョンチョルのアリバイ崩しに成功、緊急逮捕する。しかし証拠不十分でヒョンチョルは釈放となる。そんな中、倉庫で女性の遺体が発見され、現場にはヨハンの連続殺人事件と同様に血で描かれた十字架が。ひょっとしてヨハンは犯人ではなく別に真犯人が? 幻覚に悩まされ、豹変する恐怖に怯えるバルムは、ヨハンがサイコパスではないことに希望を抱くが…。
第 11 話
「殺せ!」と囁くヨハンの幻聴を聞きながら、バルムはヒョンチョルを殺害する。警察に自首するバルム。だが、監視カメラが船に乗って逃亡するヒョンチョルの姿を捉えており、誰もバルムを信じない。やがて彼の前に死んだはずのダニエルが姿を現し、監視カメラの映像は自分が捏造したものだと告げる。一方、ボンイは十数年前に自分を暴行した犯人カン・ドクスが出所したことを知る。バルムはボンイのためにドクス殺害を決意するが…。
第 12 話
血を流して倒れるボンイ。バルムは傍にいたドクスを殺害する。ドクスの死体を発見したムチは犯人がサイコパスだと確信するが、警察上層部はボンイの復讐殺人の可能性を疑う。ボンイはドクスを殺したのはムチだと思い込み、彼をかばうため口を閉ざす。バルムは、ドクスに狙われ彼の殺害現場にいた少女を訪ねる。「犯人はおじさんでしょ?」と問いかける少女。河川敷からドクスを殺害した凶器が発見され、犯人のものと思われるDNAが検出される。
第 13 話
凶器に付着したDNAは、別の事件で服役中のイ・ジェシクのものと判明。ムチは捜査の混乱を狙った犯人の仕業だと推測する。一方、ホンジュに誘われ放送局で働き始めたボンイは、別の連続殺人事件の犯人とされたキム・ボンチョルと会い、冤罪の可能性を感じる。さらにボンイは被害者の女性と会う。彼女はヨハンの母ジウンだった。ムチも真犯人がジェシクだということをつかむ。刑期を終えて出所したジェシク。それを知ったバルムは……。
第 14 話
出所したジェシクを取材しようとして逆に彼に襲われてしまったホンジュ。その時、彼女を助けジェシクを殺害したのはバルムだった。駆けつけたムチは、姿を消した犯人に「被害者の代わりに復讐を気取っても、お前はサイコパスだ」と叫ぶ。一方、ボンイはドライブカメラを見て、ドクス殺害の犯人がバルムだと知り驚愕するが、彼への愛は変わらなかった。そんな彼女にバルムも応え、彼女となら本来の自分に戻れるかもしれないと希望を抱くが…。
第 15 話
自宅の地下室で、事件の物証の数々を発見したバルム。彼は、ヨハンの記憶と思っていたものが自分自身の記憶だと気づき、言葉にならない衝撃で打ちのめされる。その頃、入院中のチグクが意識を取り戻し、バルムは自分の犯行がバレるのではと恐怖と自責の念で怯える。ダニエルは、ソジュンの脳移植実験のデータによりバルムに残された時間も短いと告げる。バルムは、死後もサイコパスと責められるヨハンの潔白を証明しようと考えるが…。
第 16 話
病院を訪れたムチは、息を引き取ったチグクを発見し呆然とする。怪しい人影を見かけたバルムは追跡を開始する。モーテルに追い詰めた男と格闘になるが男はビルから転落、もう1人の男は車で逃走する。チグクの葬儀の日、葬儀場で見かけた男性の持っていた遺影が、母代わりに自分を育てた叔母の夫であることに気づくバルム。叔母に電話をしても繋がらず、母には姉妹がいないことを知ったバルムは、自分の過去に疑念を募らせるが…。
第 17 話
幼い頃、バルムの家は放火され、母、再婚した義理の父は死亡、妹のジェヒは行方不明となる。そして犯人と目されるソン・スホこそ、バルムが引き起こした連続殺人事件の最初の被害者であり、彼の腕にはチグクを殺害した謎の組織「OZ」のタトゥーが…。一方、ボンイはジウンの家で男の子の写真を見かけ、ドクスに襲われた自分を助けた命の恩人だと気づく。さらに、その少年がヨハンだと知ったボンイは信じることができず混乱する。
第 18 話
ヨハンが死の間際に残したのは、「俺たちは実験用のマウスだ」という言葉だった。バルムはかつてスホへの復讐を考えていた時、スホの住所を知らせる発信人不明のメールを受け取ったことを思いだす。一方、チグクを殺害した男の車のドライブレコーダーで、ドクス殺害の現場にマスクをして現れるバルムの姿を確認したムチ。ついにバルムはムチに、ドクス殺害を告白する。そして、罪は償うが、OZの正体を明かすまで待ってくれと頼むのだった。
第 19 話
拘置所にやってきたジウンに、バルムが自分の子であることを知った経緯を明かすソジュン。彼はバルムを救うために、生きていたヨハンを犠牲にしたことを明かすのだった。一方、ボンイはバルムの腕に傷跡を発見。自分が怪しい男に斬りつけた傷と似ているため、激しく動揺する。その頃、バルムは叔母を捜して済州島へと渡っていた。彼女が打ち明けた恐ろしい事実に衝撃を受けたバルムは、さらなる真相を突き止めるために動き出すが…。
第 20 話(最終話)
OZを操る黒幕は、大統領秘書室長チェ・ヨンシンだった。彼女はバルムに、サイコパス胎児堕胎法案を成立させるため、彼をずっと観察してきたことを打ち明ける。やがてヨンシンは逮捕され、恐るべき組織の計画が暴かれていく。一方で、バルムの犯行を知ったムチとボンイは彼への憎しみに揺れていた。バルムは死刑判決を受け、拘置所に収監される。彼は全てを終わらせるため、刑務官になった友人ク・ドングの協力を得てソジュンの独房に忍び込み…。
「マウス:プレデター」第 1 話
サイコパスの中でも最も悪辣な捕食者(プレデター)チョン・バルム。連続殺人の末に子供を誘拐し、助けたければ「被害者を選んだ基準は何か答えろ」とコ・ムチ刑事に要求する。ムチはプロデューサーのチェ・ホンジュと共に犯人捜索の特別番組を計画するが、その裏でバルムはムチの兄コ・ムウォン神父の教会に忍び込む。「なぜハン・ソジュンに憤怒しないのか?」と尋ねるバルム。「私は彼を赦した」と答えるムウォンの首にバルムの手がかかる…。
「マウス:プレデター」第 2 話
ウサギの腹を裂き、水槽にアンモニアを垂らし、愛犬を溺死させる子供時代のチョン・ジェフン。自分の異常さに気づいたジェフンは、これからの人生をいい子の仮面を被って生きる決心をし、バルム(韓国語で「正しい」)と名乗る。以来、バルムは愛される巡警の仮面の下、連続殺人を続ける。自分を神だと言い放つバルムは、憤怒、嫉妬、怠惰など聖書の7つの大罪を犯さない者を罰する。「憤怒せざる者」ムウォン神父もその1人だった…。