あらすじ
CEOを母に持つホー・ランは、文字通りの箱入り娘。シングルマザーで心配性の母は娘の白血病の再発を恐れ、勝手な外出を許してくれない。そんなある日、美容院に出かけたランは洗髪を担当した男性の声に一瞬で心をつかまれ強く惹かれる。もう一度会いたい気持ちを抑えきれず美容院を訪れたランは、彼はたまたま手伝いに来ただけで、普段は海辺の村にある自分の理髪店にいると聞かされる。村に向かった彼女は夢にまで見た男性、シアオ・ハンと再会を果たす。大人の魅力をまとったシアオに憧れ以上の感情を抱くラン。積極的なランに対し、つれない態度をとるシアオだったが…。
第1話「忘れられない人」
病弱なホー・ランは、偶然入った美容室で、ある男性に髪を洗ってもらう。優しく柔らかな声に心を惹かれ、その日の光景を何度も夢に見るようになったランは、後日、再びその店を訪ねる。そして、その男性から聞いていた美容師の番号“33番”を指名するが、出てきたのは女性だった。店員からその男性が臨時で手伝いに来ていたシアオ・ハンだと聞かされたランは、そのままタクシーに乗りシアオが暮らす小洲村へと向かう。
第2話「傘を返しに」
チウ・ジアロンは娘ランの誕生日パーティーを開き、人気バンドのリードボーカルであるハン・ユーと彼の叔母でランの主治医であるハン先生を招く。しかし、シアオのことで頭がいっぱいのランは…。ユーから音楽フェスに誘われたランは、シアオに会いに行けるチャンスだと思って快諾する。翌日、ランはライブの途中で会場を抜け出してシアオに会いに行く。そんな中、姿を消したランを捜しに行ったユーが事故に遭ってしまう。
第3話「もう一度会いたくて」
絵画教室で先生のバイトをすることになったランは、シアオにデッサンのモデルを頼む。喜びも束の間、シアオが故郷に帰ってしまい、理髪店には入居者募集の張り紙が。シアオが戻るか気が気でないランは、足繁く理髪店の様子を見に通う。ようやく戻ったシアオに会えた日、それは偶然にも彼の誕生日だった。パンズたちが開いたパーティーに付いて行き、プレゼントの代わりに孫悟空の絵を贈ると約束。夜遅くまで楽しんだランは…。
第4話「雨に打たれて」
帰宅が遅くなったランを待っていたのは、家政婦のジャンだった。ジャンはランにどこへ行っていたのかと問い詰めるが、逆にランから隣のおじさんと会っていることを指摘され、反論できなくなってしまう。そしてランは、互いに干渉しないことを提案する。翌朝、シアオから“海辺で会おう”と誘われたランは、初めてのデートだと思い込み、おしゃれをして向かう。しかし、待ち合わせ場所にいたシアオは厳しい表情で…。
第5話「チュエンの登場」
スーパーで出会った少女チュエンがシアオを“パパ”と呼んだことに驚くランだったが、実はシアオの兄の子供だった。そんな中、シアオはパンズの紹介でユーの叔父の庭仕事を任される。忙しくなった彼の代わりにランはチュエンの面倒を見ることに。シアオの温室で彼の仕事を見守っていたランは貧血で倒れそうになり、彼女をかばってシアオがトゲに刺される。ランはケガをした彼の手にキスをし、動揺するシアオだったが…。
第6話「嫉妬の味」
チュエンが絵画教室から姿を消し、ランはあちこち捜し回る。その頃、チュエンはユーに出くわし、家に送り届けてもらっていた。シアオがユーに会ったことを知り焦るラン。ユーは彼氏ではないと釈明するが、シアオから「年齢の他にも隠し事があるのか?」と問い詰められる。そしてシアオはランに何も言わず、チュエンを連れて故郷に帰ってしまう。落ち込むランは、アーマンからシアオと共通の話題を持てばいいとアドバイスされ…。
第7話「君が分からない」
ある日、家政婦のジャンに用事を頼もうとランが庭に出ると、そこにはシアオがいた。彼の姿を見て驚くランにジャンは、新しく雇われたガーデナーだとシアオを紹介する。自分がこの家の娘であることを隠したいランは、ジャンに目配せしながら、この家の子供に絵を教えているのだと咄嗟にウソをついてしまう。そして、シアオのことを母親に知られたくないランはジャンに協力を頼む。一方、本当のことを知ってしまったシアオは…。
第8話「今夜の賭け」
父親の物を片づけたジアロンに反抗するラン。ジアロンは娘のためだけを思って生きてきたのに、苦労を分かってくれないランの言葉に傷つき涙する。ランもまた抑圧されてきた不満を一気にぶちまける。激しい口論の末、顔を打たれたランは雨の夜、家を飛び出す。シアオの家に泊めてもらうことになったランは、今夜中にウドンゲの花が咲いたら付き合おうと賭けを申し出る。その代わり咲かなかったら身を引くと約束するが…。
第9話「彼女の願い事」
ランの行き先が分からず慌てた家政婦のジャンは、ユーを訪ねる。しかし、自分に気があると勘違いしているユーに冷たくあしらわれてしまう。その頃、シアオの家にいたランは、シアオが花の仕入れに田舎へ行くと聞き、連れて行ってほしいと頼む。拒むシアオを説得するため、シアオが自分との出会いから今までの思い出の場所をたどるよう、行く先々にメッセージを残す。頼みを聞き入れられたランは、車で海辺を走りながら自由を満喫する。
第10話「別れを告げて」
家を飛び出しシアオの家で過ごしていたランだったが、朝、目覚めると突然、歯の痛みを感じる。そして彼女は、病気が再発するかもしれないと不安を覚える。本当は、このままずっとシアオのそばにいたい。しかし、病気が再発したら彼を悲しませることになってしまう。ランは自らシアオに別れを告げる決心をする。家に戻ったランは、西京へは行くがその代わりに自分のことを嗅ぎ回らないでほしいと母親に願うが…。
第11話「新しい出会い」
西京で大学生活を始めたラン。寮を出て1人暮らしをするために部屋を探していたが、契約に現れた大家は書店で会った男性だった。西京で仕事をしているユーとはたまに連絡を取るだけだったが、誕生日パーティーには義理を守ってプレゼント持参で参加する。そこには新しいバンド仲間がいたが、仲間の1人が連れて来た従兄はなんと何度も偶然会っていた男性だった。彼に対する誤解が解けて、ランは美術サークルで開く展覧会に絵を提供する。
第12話「ガーベラが咲いたら」
実家に帰り、迎えた正月。ランがしまっていた携帯を開くと、午前0時ちょうどにシアオから新年を祝うメッセージが届いていた。ランが電話をかけると、彼は故郷にいると言う。嬉しくてたまらないランは、シアオに会うために飛行機に飛び乗る。久しぶりの再会に、抱きしめ合う2人。村人たちにも歓迎されご機嫌のランは、シアオの家族と対面する。言葉の通じないシアオの母親に“ただの友達”だと伝えるようシアオに通訳を頼むが…。
第13話「ウドンゲの約束」
シアオの実家で楽しく正月を過ごしていたランは、トンに頼みシアオの元恋人について探ろうとするが、実家には何も残されておらず失敗に終わる。シアオの故郷を発つ日、ランは彼に「もっと一緒に過ごしたい」と伝え、2人で小洲村へ戻ることにする。その夜ランはトンのアドバイスに従い、シアオの家で彼の元恋人の写真を探そうとする。シアオが不在の間に部屋を探っていたランは、本に挟まれた1枚の写真を発見するが…。
第14話「備品室の彼女」
ジャン・ユエンチーは父親のコネでインターンとして働き始めるが、勤め先で肩身の狭い思いをする。そして同僚たちを避けて備品室に潜り込み、1人で時間を過ごすようになる。そんなある日、ある女性がから揚げをむさぼりながら憂さ晴らしする姿を目撃する。しばらくして履歴書を送っていた会社から合格通知をもらって出勤してみると、そこの社長は備品室で会った女性だった! のぞき見がバレたユエンチーを待っていたのは…。
第15話「過去の呪縛」
ジアロンから即売会の担当者として無茶な仕事量を任せられたユエンチーは、見事にノルマを達成してみせる。自分の醜態を知っているユエンチーを警戒していたジアロンだが、次第に彼を意識し始める。そんな中、シアオのもとに、元恋人の妹チン・ザオがやって来る。シアオはつれなくあしらうが、偶然かかってきたランからの電話にチン・ザオが出てしまう。自分が恋人だと主張したランは、2人で会おうと提案するが…。
第16話「忍び寄る影」
ランはユーの叔母の誕生日に渡す花束を受け取るため、シアオのもとを訪ねていた。2人が海辺で仲睦まじく過ごしているところへ、偶然ユエンチーが車で通りかかる。ランはユエンチーにシアオを彼氏だと紹介。そしてランは、ユーの叔母の家までユエンチーに車で送ってもらうことに。その現場を目にしたユーは2人の関係が気になり、ユエンチーに思わず嫉妬する。翌日、ランはチン・ザオと会うため約束のカフェを訪れるが…。
第17話「愛の告白」
ある夜、ジアロンはユエンチーに誘われて彼の子供の頃の秘密基地に行き、ホタルを見ながらロマンティックな時間を過ごす。ランもシアオと農家に泊まって気持ちを確かめ合い、切なくも充実した時間を過ごす。しかし小洲村に帰ってみると、借金取りに追われていたチン・ザオが待っていた。ランはシアオの世話になろうとする彼女を連れてジャン・シアオリーのホテルに行く。翌日、シアオがホテルを訪れるのだが、その目的は…。
第18話「あなたさえいれば」
シアオは別れを告げに来たチン・ザオから、ランが彼女に大金を渡したことを知らされる。ランを訪ねて二度としないよう咎め、わだかまりを解くが、その晩、ランは高熱を出してしまう。2人は救急外来に駆け込むがランは頑なに血液検査を拒み、解熱剤をもらうだけで帰宅することに。一方、ユエンチーのことが気になって仕方がないジアロンは、会議の開始時間を彼にだけ1時間早く伝え、2人の時間を作ろうとするが…。
第19話「優しい人」
シアオの家を訪ねたチン・ザオだったがシアオは不在だった。チン・ザオは玄関に置かれた合鍵を見つけ家の中に入ろうとするが、パンズが現れたため慌てて家をあとにする。その夜、ランもシアオの家を訪ねるが留守で電話も繋がらない。心配になったランはパンズの店を訪れ、あれこれと相談する。ランがパンズとの食事を終えて再びシアオの家を訪れると、部屋の中にチン・ザオが! 驚いたランが、なぜいるのか問い質すと…。
第20話「別れ」
ランは白血病の再発が疑われ、西京で検査を受けることになる。シアオにはそのことを打ち明けられず、連絡も断っていた。そんなある日、彼のほうから別れを告げる電話が…。涙に沈むシアオとラン。シアオはランとの思い出が詰まった部屋を引き払ってよそへ引っ越す。傷心の日々を過ごすランだったが、彼女が病気のせいで元気がないと思い込んでいるユーは、ランのために滋養のつく食材を買い込み手料理を振る舞おうとする。
第21話「あの人の影」
西京で治療を受けているランは、皆から1人暮らしを心配されるため、大学の寮に戻ることにする。再びディン・シアオランらルームメイトと暮らし始めるが、ある日シアオランが大学の近くの生花店にいる男性に一目惚れしたという話を耳にする。一方、ジアロンは久しぶりに会ったユエンチーに娘の病気の再発を打ち明ける。長期休暇を取って治療に付き添うというジアロンに、ユエンチーは一度だけ恋人になってほしいと迫る。
第22話「再会」
寮の部屋では相変わらずシアオランが一目惚れしたという生花店の男性の話で盛り上がっていた。ランは積極的に話に加わることはないものの、復学後はルームメイトたちとそれなりにうまくやっていた。一方、シアオは、病気のために安く売られている闘魚を見つける。そして病気でも価値は変わらないと言い、定価で買い取って飼うことにする。そんなある日、ランはシアオランから生花店の男性の写真を見せられるのだが…。
第23話「離したくない」
ユエンチーが大学院を卒業する日、姉のシアオリーはパンズや弟の友達を食事に招待した。ランが来るとは知らず、パンズがシアオに声をかけていたため、予期せず2人は気まずい再会を果たす。ルームメイトやユエンチーを含めて全員がハラハラしながらその様子を見守っている中、ユーだけが何も知らずにいた。テーブルの下でランに手をつかまれていたシアオはついに我慢しきれず、彼女を連れてレストランを抜け出して…。
第24話(最終話)「2匹の魚」
本当の気持ちを確かめ合ったランとシアオは、何度も口づけを交わす。2人は楽しい時間を過ごしたあと、人生をともに歩もうと誓い合う。ユーに自分の想いを語り別れを告げたランは、シアオの故郷でチャン族の伝統的な結婚式を挙げる。雪山の美しい湖畔に立つ2人。ここに留まりたいというランと、彼女をなだめるシアオの上に雪が舞い落ちる。それから1年後、小洲村には変わらず草花の世話をするシアオの姿があった。