ビリヤードのナインボール選手イン･グオは、プロとして初めての国際大会に出場するため、留学する従弟モン･シアオティエンと共に北欧の街ハルを訪れた。雪嵐の夜、ホテルはどこも満室で、途方に暮れるグオとシアオティエンを助けたのは、ヘルシン大学に留学中のリン･イーヤンだ。グオに一目惚れし、不器用ながらも積極的なアプローチを繰り広げるイーヤンに、グオは次第に心惹かれていく。しかし、イーヤンには若くして引退した天才ビリヤード選手という過去があった。その上、グオにビリヤードを教えた従兄のモン・シアオドンとは、かつてライバル同士だったのだ――。

凍える街を1人歩くリン･イーヤン。通りすがりの観光客に名前を呼ばれ、人違いだと否定する。同じく吹雪の中を突き進むイン･グオは、従弟を連れてバーに到着し、窓際の席に陣取り電話で宿探しに挑むものの難航する。そんなグオをイーヤンがガラス越しに見つめていた。店に入り、ホテルまで送ると申し出るが警戒されたため、次々と身分証を見せるイーヤン。無事にホテルまで送ったあと、自分は鍵を忘れて部屋に入れず、再び雪の中を行く。

ホテルに送ってもらった恩を返すべきだと従弟のモン･シアオティエンにせっつかれたグオは、シアオティエンと共に慌てて列車に飛び乗ったものの、当のイーヤンが大学に戻らなかったためすれ違いになる。それからは練習三昧の日々で1週間後に再会するが、急用のあるイーヤンとはすぐに別れることに。その日の夜、グオは食事の席で話題に出た地元のビリヤード場へ友達と向かう。するとそこには地区チャンピオンと対戦するイーヤンの姿があった。

ビリヤード場で偶然出会ったイーヤンとグオは帰りにウー･ウェイと3人で店で食事をすることになる。ウェイはホテル住まいのグオに自分の借りているアパートに空き部屋があるから来てはどうかと提案する。イーヤンに送ってもらってホテルに戻ったグオは、ウェイのSNSの“リン某に好きな人ができた”という投稿を見てイーヤンのことではないかと気になり始める。一方、イーヤンはグオに聞いたまずいホットドッグを買って家に帰る。

イーヤンは引っ越して来るグオのためにベッドを点検し、ソファや本棚をそろえ、好印象を与える服装のアドバイスをウェイに求めるなど準備に余念がなかった。一方、アパートに荷物を運び終えたグオはウェイに案内してもらい、アパート近くのビリヤード場へ向かう。するとビリヤード場にいる誰もがイーヤンを知っていて、グオは彼の世界に飛び込んだ気分になる。そこへ駆けつけたイーヤンと一緒にプレーするのだが、なぜか手加減されているようで…。

グオが子供の頃にライバルだったモン･シアオドンの従妹だと知り複雑な気持ちになったイーヤンだが、翌日、グオも誘ってウェイとシアオティエンと4人で食事に出かける。グオのために郷土料理のサーモンスープを注文し世話を焼くイーヤンを見て、ウェイは気を利かせてイーヤンとグオを2人きりにしてやる。イーヤンは友人の営むレストランへグオを案内し、グオはデザートのアイスを食べながらイーヤンにプロに挑戦してはどうかと勧める。

アパートの部屋に突然やって来た東新城（ドンシンチョン）のメンバーたちにグオが気まずい思いをしているだろうと考えたイーヤンは、チャットでグオを洗濯室へ呼び出す。2人が洗濯室で話していると、別の住人がやって来たためグオとイーヤンの会話も途切れてしまう。2人はチャットで会話を続けるが、イーヤンから突然思いもしないメッセージが届き、驚いたグオは返事ができずにいた。沈黙に耐えかねたイーヤンは洗濯室を出て行ってしまい…。

今週もグオはイーヤンを心待ちにしていたが、訪ねて来たのは従兄のシアオドンだった。しかも自分が来たとは告げずにイーヤンを呼び出せと言う。シアオドンがケンカを仕かけるのではないかと動揺するグオとシアオティエン。しかし、そこへイーヤン本人がやって来てしまう。会うなり険悪な空気を漂わせる2人を残し、シアオティエンの部屋へ退散したグオたちはケンカが始まった時の対策をあれこれ考えるが、意外にも2人はビリヤードで戦うことに。

勝負を終え、イーヤンのいまだ衰えない実力を確認したシアオドン。プロに復帰させるべく、同じ目的を持つジアン･ヤンを呼び出すが、昔の関係に戻るにはまだ時間が必要だと言われる。一方、グオをかばってケガをしたイーヤンは、ひょんなことからグオの部屋で手当てをしてもらうことに。イーヤンは自分の家族の話を始めるが、気まずそうなグオを見てやむなく部屋を出ようとしたところ、自分があげた試食用のコーヒー豆を見つけて胸が熱くなる。

グオはシアオドンが貸し切ったホテルのビリヤード場にイーヤンを誘う。しかし、そこでは北城（ベイチョン）クラブの選手が練習をしていた。仲間たちが来ていることを知らなかったグオは驚く。グオがコーチと話をする間、1人になったイーヤンを北城の選手が挑発し、ビリヤードで勝負をすることになる。グオは慌ててビリヤード場に戻るが、ゲームはイーヤンの圧勝で終わり、グオに片想いをしているリー･チンイエンは複雑な思いでイーヤンに握手を求める。

大学が忙しく、ハルに来られなかったイーヤンに内緒で、こっそり彼の住むヘルシンを訪れたグオ。ヘルシンの駅で写真を撮ってチャットすると、“そこを動かないで”とイーヤンから返事が来る。だが慌ててやって来たイーヤンの様子がおかしい。忙しかったのではなく風邪をひいていたのだ。「心配させたくなかった」と言うイーヤンを抱きしめるグオ。ひとまず2人はイーヤンのアパートへ向かい、ベッドに並んで座るとチャットで会話を始める。

グオはヘルシンに来てもビリヤードの練習を欠かさなかった。イーヤンが紹介したビリヤード場は彼がオーナーで、店を任されているスン・ジョウから経営は赤字続きだと聞き、普段はイーヤンが倹約していることを知る。自分のためには出費を惜しまないことに心を動かされながらも、負担をかけることを心苦しく思うグオ。午後から面接があると言うイーヤンに、ビリヤード場で待っていると答えるグオだが、イーヤンはすでにホテルを予約していて…。

一緒に2日間過ごしたことでイーヤンへの想いがますます深まったグオ。イーヤンに試合を観に来てほしいと思うが、卒業間近で忙しいイーヤンは「行けるかどうか分からない」と言う。ハルに戻り大会日程を知らされたグオは、平日は無理でも準々決勝まで勝ち進めば週末の試合を観に来てもらえるのではと期待するが、なぜかイーヤンは行くとも行かないとも答えない。イーヤンには強豪選手たちが集まる競技会に足を運びづらい理由があった。

突然イーヤンが競技会場に現れたことに感動したグオは涙を流す。抱き合う2人の姿に驚く者あり、落胆する者あり。準々決勝に挑むグオはブレイクショットこそ相手に譲ったものの、転がり込んだチャンスを生かして怒涛の逆転劇を見せた。観客席で見守るイーヤンのもとへ駆け寄り勝利を贈ると、今日から自分がつかむ栄光は2人で分かち合うと告げるのだった。その夜、異国に集った東新城と北城のライバルたちが初めて酒を酌み交わすことに。

2つのクラブの合同飲み会に参加したイーヤンは、様々な思いが込み上げ飲みすぎてしまう。グオが様子を見に行くと、イーヤンは酔い潰れて眠っており、うわ言のように「グオにケーキを」と繰り返す。ウェイは試合に勝ったグオのためにイーヤンがケーキを買いに行ったが店が閉まっていたことや、彼が今までどれだけグオのために尽くしてきたかを伝える。それを聞いたグオは勇気を出し、イーヤンがビリヤードをやめた理由をウェイに尋ねるのだった。

イン・グオの帰国前日に、リン・イーヤンは彼女を旅行に誘う。イーヤンは決勝戦を終えてあまり眠れていないグオを気遣いロッジで仮眠させ、夜になると2人で星空を見るため山へ向かう。空を覆う雲が少しずつ晴れ、満天の星空に包まれた2人は車の中で抱き合い、最後の夜を明かすのだった。翌朝、グオのアパートに戻った2人は、イーヤンのいれたコーヒーを飲みながら、空港へ出発するまでの僅かな時間を惜しみながら過ごした。

グオは帰国したが、イーヤンはビリヤード場の経営を軌道に乗せて中国でもチェーン展開するため、もう１年ヘルシンに残ろうと考えていた。イーヤンの中で何かが確実に変わりつつあった。東新城（ドンシンチョン）を継ぐ気はないものの、自分なりのやり方でプロ選手を育てたいと考え、大会会場に近づこうとしなかった彼が試合に出て賞金を稼ごうと画策し始めている。イーヤンの過去を知っているウー・ウェイは、そんなイーヤンの前向きな変化を知って涙を流す。

グオの誕生日に合わせてイーヤンがサプライズで一時帰国し、2人は久々の再会を果たす。毎日ビデオ通話はしていたものの、やはり顔を合わせることは特別で、互いにプレゼントを渡し合い、離れていた時間を埋め合わせるかのようにゆっくりと過ごす。すると、グオの母親から「あまり遅くならないように」と電話がかかってくる。門限の午後11時が近くなり別れを惜しんでいると、モン・シアオドンが現れ、2人を北城（ベイチョン）クラブへ連れて行く。

1年半後、ついに完全帰国するイーヤンを迎えるため、ウェイたち大勢の仲間が空港へ駆けつけた。グオはイーヤンを抱きしめ涙で出迎える。その後、イーヤンはジアン・ヤンたちと共に、自らが経営する新しいビリヤード場へと向かう。2階はまだ改修中だったが、3階はすでに完成して居住スペースも整えられていた。翌日、グオは清明（せいめい）節の墓参りに家族で出かける。墓参り後、予約してあったレストランの入り口でグオはある女の子に抱きつかれ…。

初めてグオとケンカをしたイーヤンは、恋愛経験の少なさが仇となり、一睡もできず悶々と朝を迎える。一方、グオは絶対に自分から折れたくないと意地を張り、イーヤンからの謝罪の電話を一晩中待ち続け、そのまま長期合宿へ出発するのだった。クラブのバスで合宿所へ向かう途中にイーヤンから電話があり、グオの家の近くまで来ていると告げられる。悲しいすれ違いに呆然とするグオは、突如バスを降りて“忘れ物”を取りに、来た道を戻るのだった。

イーヤンの運転する新車で合宿所に送ってもらったグオは、2人の交際を周囲に知られないよう必死に身を隠そうとするが、イーヤンのキス攻撃にタジタジ。その時、駐車場にシアオドンの元カノであるリン･リンがジアンの車に乗って現れた。たまたまそれを見かけていたシアオドンが2人の仲を怪しみ、嫉妬心を抱く。ついに中国オープンが開幕し、1回戦でシアオドンと当たることになったイーヤンは、試合前にグオとのエピソードをシアオドンに話す。

恩師、ホー･ウェンフォンと久しぶりの再会を果たしたイーヤン。恩師の家を訪ね、彼の妻や仲間たちと共に十数年ぶりの師弟団らんの時を過ごす。すると、ジアンとリン・リンのビデオ通話に、グオが現れる。グオは画面越しにホーと挨拶を交わす。電話を切ったあと、イーヤンはホーに、グオが自分の恋人であることを伝える。大喜びのホーだったが、イーヤンが過去のいきさつのせいでグオの家族によく思われていないことを知り、あることを思いつく。

9（ナイン）ボール･オープンの開催地・ハルへやって来たイーヤンとグオ。思い出のアパートに着くと、入れ替わりに一時帰国するというモン・シアオティエンに出迎えられる。イーヤンがシャワーを浴びている間、暇を持て余したグオはイーヤンの記者会見の映像を見ていた。記者から、恋人について聞かれたイーヤンが「恋人がいる」と堂々と答える姿を見て、グオは喜びを隠せない。そして2人は久しぶりに甘い時を過ごすのだった。

ジアンの手術直前にビデオ通話をしたイーヤン。兄弟子の落ち着いた様子にほっと胸をなで下ろす。一方、前回グオが準優勝した9（ナイン）ボール・オープンが今年も幕を開ける。グオが勝ち進むと信じて疑わないイーヤンは、用事を片づけてから会場に足を運ぶつもりだ。地元選手と当たったグオはアウェーな環境に身を置くも、その強いメンタルで逆転勝利を遂げる。次の試合で観客席に現れたイーヤンは、特別ゲストとして司会者からマイクを向けられ…。

イーヤンとグオは思い出のパブ、レッドフィッシュで出会った日のことを語り合っていた。イーヤンはガラス越しにグオに一目惚れした時の話を聞かせる。アパートへ戻り、イーヤンとチェン･アンアンが話をしていると、ジアンから電話が。アンアンのベスト4入りを祝う電話だと思ったイーヤンだったが、それは恩師の突然の死を知らせるものだった。イーヤンはグオが動揺しないよう、大事な用事でヘルシンへ戻るとウソをつき、帰国するために空港へと向かう。

東新城のメンバーたちは突然の恩師の死に深い悲しみに暮れていた。そんな中イーヤンはついに東新城の後を継ぐ覚悟を決め、ジアンと共に久しぶりに東新城に戻り、昔を懐かしむ。翌日、9（ナイン）ボール・オープンで見事優勝を果たしたグオは大会が終わるとすぐに帰国し、迎えに来たシアオドンの車に乗り込んでホーを偲ぶ会へ向かった。そしてジアンは集まった関係者たちの前で、恩師の遺志のとおり、イーヤンに東新城を託すことを宣言するのだった。

東新城を継ぐ者として、イーヤンはクラブと業界の発展を促す3つの策を打ち出す。いずれも資本が必要になる構想に、コーチたちはもちろん同世代の仲間たちも安易に賛同はしかねる様子だ。しかし、イーヤンは意外な財源を考えていた。イーヤンが後を継ぐことに批判的なコーチたちの説得は難関だ。保守的な古株のコーチは破綻を恐れて大きな改革に及び腰だが、東新城ばかりか業界の未来も見据えたイーヤンの説得に次第に心を動かされていく。

いよいよグオの家を訪問する日を迎えたイーヤンだが、イーヤンはもちろん、グオも両親に交際を認めてもらえるかどうか心配で落ち着かない。母親は仕事で食事には間に合わず、父親や祖母が待つ家に向かうと、2人の関係を後押しするシアオドンも来ていた。父親と祖母との顔合わせは上々だが、過去を気にするウー･トンは冷ややかな態度だ。最難関の母親は、帰って来ると客間ではなく書斎で話そうと、グオとイーヤン、シアオドンを2階へ呼ぶ。

室内スポーツ競技会に向けて動き出したビリヤード中国代表チーム。出場選手が発表され、グオは2種目で代表入りを果たし、イーヤンは全種目の出場権を得たうえ主将として紹介された。国別メダル獲得数の1位を目指し、他選手の指導にも熱が入るイーヤン。事務室でホーが大切に残していた過去の記録を見つけると、恩師の愛に感極まるのだった。代表チームの合宿が始まり、イーヤンは肩に痛みを抱えながらも練習と恋愛に全力でぶつかっていく。

いよいよ室内スポーツ競技会を迎えた中国代表チームは気合い十分で、やる気と自信がみなぎっている。スター選手が集まっているビリヤード競技には体育局副局長であるグオの母親も注目しているが、決勝までは心配する様子がない。実際、中盤に至るまで順調に勝ち進んできたが、グオはイーヤンの肩の具合が気になってしかたがない。チームドクターと相談しつつアイシングをしながら試合を続けるイーヤンだが、終盤には明らかにつらそうになり…。

グオのSNSのサブアカウントにつづられた2人の歴史を読むイーヤン。彼自身もサブアカウントにグオの記事や動画を保存しており、時を同じくしてグオに知られることに。競技会を終え、多くのメダルを獲得したビリヤード代表チームはファンから大歓声を受ける。選手たちはバスに乗り込み、慰労旅行先のリゾート地へ向かう。ホテルの目の前では夜空に花火が打ち上がり、ロマンティックな雰囲気の中、ギターを手にしたイーヤンがグオに歌を贈る。