あらすじ
太古の昔、侵入した魔物によって人間界は恐怖に脅かされるが、符祖という名の英雄が天地の力を込めた護符で魔物を封印し、人々を救った。それから時は流れ、魔物は再び人間界へ侵略を開始し、封印を解くため世に散らばった護符を探し始める。一方、無鉄砲でお調子者な青年・林動(りんどう)は、問題ばかりを起こして一族からも蔑まれていた。そんな中、不思議な巡り合わせによって偶然護符を手にした林動。それは符祖の後継者として人間界を魔界から救うための宿命だった。数奇な運命に導かれた林動は、世界の平和を守るため護符を狙う邪悪な勢力へと立ち向かっていく―!
第1話 伝説の幕開け
人間界と魔界が存在する世、人間界では伝説の英雄・符祖が魔物を封印したとされる護符と符祖の後継者の出現が待たれていた。そんな中、かつて名門を誇った林家の末裔・林動は、父親の傷を治すため大炎王朝の四大豪族・雷家が主催する賭け試合に出場、5連続勝利し大金を手に入れる。その頃、太清宮の娘・綾清竹は一門には無断で魔封じの旅に出発していた。その綾清竹と腕比べで敗北した道宗宗主の娘・応歓歓も対抗心から下山を決意する。
第2話 青陽村の怪事
炎虎との約束を守るため林動は森妖を捕まえるが、そこへ綾清竹が現れ、香袋を落として姿を消す。翌日、青檀を嫁にすると雷厲が手下を連れ乗り込んでくる。青檀は凝血朱果を渡せば嫁ぐとやむなく応じるが、この婚姻は林琅天が裏で画策していた。林琅天は雷家の鉄木山荘に魔物がいると踏み、綾清竹に協力を申し出る。その頃、応歓歓も青陽村に到着し鉄木山荘の噂を耳にしていた。そして林動も青檀を救い出すため山荘に侵入する。
第3話 炎虎との絆
炎虎の助けを借りて青檀を救い出した林動たちは、雷家の執事に魔物が取り憑いたことを伝えるために家長の雷鐘のもとを訪れる。そこで林琅天は、両家の婚姻は魔物をおびき出すための作戦だったことを明かし婚姻の取り消しを求め、元門と太清宮ともめ事を起こしたくない雷鐘はその申し出に応じる。無事に家に戻った林動と青檀だったが、父の傷を治す薬である凝血朱果を手に入れるため、真夜中に執事の墓を掘り起こすのだった。
第4話 護符の出現
林琅天と綾清竹、応歓歓との遭遇を避けるために入った洞窟の中で青檀が寒毒の発作を起こす。それを抑えるために林動は自分の血を飲ませようとするが、滴った血のせいで突然洞窟が鳴動し、逃げ出した2人は外の沼に飛び込む。沼の底で見つけた石に触れた林動は、不思議な力の導きにより通背九響拳を身につけることに成功する。石を持ち帰り、あれこれ試していた林動だったが、そこへある老人と女性が石を譲ってほしいと訪れる。
第5話 石符に住む妖霊
老人たちを地下に閉じ込めた林動。そこに雷鐘がやってきて、弟の雷厲を返せと詰め寄る。林動は潔白を証明するため、黒豹妖晶を取りに妖獣谷へ出発する。地下を抜け出した老人に助けられた応歓歓は、林動を救いに妖獣谷へと向かう。林琅天と綾清竹、青檀も、林動を救出しようと妖獣谷へ向かう途中、魔物に取り憑かれた雷厲を捕らえることに成功する。一方、林動と応歓歓は、石符の中から飛び出した妖霊・天妖貂を捕まえる。
第6話 覚醒
黒豹の妖晶を求め妖獣谷へと向かった林動と応歓歓は、捕らえた小貂を脅して黒豹の居場所へ案内させる。黒豹のパワーに危機一髪の林動だったが、元力の種を得て地元境へ昇級、林琅天と炎虎の助けもあり妖晶を手に入れる。その頃、雷鐘は手下と林家に押しかけていたが、林動は妖晶を見せて取り引きを行い一連の騒動はいったん終結する。その夜、林家では祝いの肉と酒が振る舞われていたが、皆が寝静まると林動を狙う魔物の影が…。
第7話 復讐の誓い
林動は岩大師から符師会への勧誘を受けるが入門を拒否する。傷を負った林琅天は、師姉である穆仟仟から魔物を己の元丹に封印するよう助言を受ける。次の日、妖獣谷へ陽元石の採掘に向かっていた林動たちは、魔物に取り憑かれた雷鐘に襲われる。それは魔物をおびき出すための林琅天の画策であったが、魔物は応歓歓を人質に取り、石符との交換を要求する。父の林嘯は、皆を守り魔物を退治するため、その身を挺するのであった。
第8話 新たなる旅立ち
雷家を潰されたことで生活の糧を失った青陽村の人々は、林動たちを責め立てていた。族長の林穆は村人をなだめることを口実に、林動を捕らえ牢に入れる。自害を装い脱獄を図った林動のもとへ、林琅天と応歓歓が助けに現れる。無事に脱獄した林動は、林琅天への復讐を心に誓い、青檀とともに青陽村を離れる決心をする。一方の林琅天は、己の体内の元丹に封じ込めた魔物を掌教に渡すべく元門に戻るが、兄弟子の妨害に遭うのだった。
第9話 裏切り者の血筋
元門に戻ってきた林琅天。その体内には強い邪気が宿っていた。穆仟仟は封印した魔物・七王を手に魔族の皇帝・魔皇が身を潜める地を訪れる。穆仟仟は魔皇の配下・十王の首位である天王だった。一方、故郷を出た林動と青檀は岩大師を捜して炎城の奇物楼を訪れるが、萱素に追い返されてしまう。その岩大師は魔物に対抗するべく同じ符師の流派である陰傀宗の宗主・騰刹に協力を求めていたが、穆仟仟も水面下で騰刹に接触し…。
第10話 迷宮 奇物楼
青檀の寒毒の発作を治すための薬・陰龍涎が手に入るとの小貂の口車に乗せられ、林動は小貂とともに、結界を破り深夜の奇物楼へと侵入を試みる。だが奇物楼には迷宮のような仕掛けが至る所に施されていた。岩大師にもてあそばれつつも、運よく陰龍涎を見つけた林動と小貂。だが2人は、次第に追い詰められていく。その時、地響きとともに奇物楼の壁に大きな穴が開き、炎虎が現れる。林動たちはその穴を通って逃げ出すのであった。
第11話 小炎 誕生
炎虎の助けで無事に奇物楼を脱出した林動と小貂。だが炎虎はうっかり陰龍涎を飲み込んでしまう。激高した小貂は、炎虎を殺し、その血で薬を練ることを提案する。その時、赤い閃光が走り炎虎は人の姿へと変化する。炎虎が飲んだのは化形丹だったのだ。歓喜する林動と青檀。一方、岩大師から、護符の継承者を守る役目を担う符使の派遣を要請された太清宮では、符使の選抜が行われる。新たな符使に選ばれたのは、綾清竹だった。
第12話 継承者、現る
穆仟仟から生身の人間を符傀にする術を教わった騰儡は、そそのかされ奇物楼へ襲撃に向かう。その頃、符使に選ばれた綾清竹も岩大師のもとを訪れており、奇物楼では大乱闘が繰り広げられることに。するとそこへ現れた林動が騰儡を仕掛けに誘い込み、檻に閉じ込めることに成功。調子に乗って綾清竹の手を握り続ける林動だったが、その時、綾清竹の持つ本命霊符が林動に共鳴する。岩大師は林動を継承者として符師会の会長に任命するのだった。
第13話 符師会の新会長
岩大師から8つの護符のいわれと継承者の重責、魔物は1体ではないことを聞かされた林動は、一度は符師会の会長になることを拒む。だが青檀の寒毒の治療を始めとする3つの約束を岩大師と取りつけることで、会長に就任することを最終的に受け入れる。約束どおり青檀を診察した岩大師は、青檀の寒毒は生まれついた一種の元力のような力であり、その力は暗黒殿から来ているであろうという見立てを、林動たちに告げるのだった。
第14話 双生の符術
林の中で魔物に襲われた林動と応歓歓。そこに助けに現れた林琅天と綾清竹だったが、林琅天は魔物の攻撃で傷を負ってしまう。その頃奇物楼も、何者かに襲撃されていた。犯人の手がかりを見つけたという萱素の言葉を信じてついていった林動は、符術に操られた萱素に襲われる。岩大師の力で萱素は正気に戻るも、すでに奇物楼のすべての弟子に影響を及ぼしていた。弟子を助けるため、林動たちは郊外に建つある達人の墓に向かうが…。
第15話 幻想からの生還
達人の墓の仕掛けで棺の中に落とされた林動と綾清竹。小貂の助けもあり何とか脱出し、“涅槃心”を手に入れるも綾清竹が墓の主に取り憑かれ、林動を押し倒す騒ぎに。そこへ林琅天と応歓歓も合流するが、愛引符を仕込まれた林琅天が活人符傀となってしまい、さらには林動まで操られてしまう。穆仟仟と騰儡により化生池に捨てられた林動。その危機を察知した岩大師は、授けておいた元丹を使い林動の精神世界へ入ろうと試みる。
第16話 修練 開始
岩大師や青檀たちの助けにより九死に一生を得た林動は、間近に迫った、年に1度開催される塔闘に向け本格的な修練を開始することに。奇物楼に無事に戻ってきた林琅天は、林動の指導を自ら買って出る。2人はかつての兄弟愛を取り戻し、心を通わせたように見えたが、すべては穆仟仟が裏で糸を引いていた。林動と穆仟仟の板挟みに葛藤する林琅天。岩大師と萱素は、そんな林琅天をいぶかしみつつもひとまず静観していたが…。
第17話 涅槃心の効能
一連の出来事により元丹を傷つけて降級した綾清竹を太清宮に連れ戻すために、沈清と蘇柔が奇物楼を訪れる。綾清竹の元丹が傷ついたことを知った林動は自らを責めるが、元丹を修復させようと、古墓で手に入れた涅槃心を無理やり綾清竹に与えてしまう。元丹を練り直すことに成功し回復した綾清竹だったが、岩大師はそのことを知るや怒りを爆発させ、符師会の会長の座を降りて炎城を去れと、林動を激しく叱責するのだった。
第18話 稲妻を呼ぶ試練
林動を厳しく叱責した岩大師。綾清竹が林動をかばい自分の非を認めるが、岩大師の怒りは表向きで実は林動の純粋さを評価していた。岩大師は林動への偏見を捨て符使としての責任を果たすよう綾清竹を諭す。塔闘が目前に迫る中、符師会の混乱をもくろむ騰儡は青檀を誘拐。林動は林琅天に捜索を託し、自らは天元境に昇級するべく岩大師の課した修行に挑む。岩大師たちが塔闘へ出発する中、雷に打たれ続けた林動はついに…。
第19話 符師塔の頂上へ
林動が神動篇を唱えたことで、ついに符師塔がその姿を現す。塔の中へと飛び込んだ林動たちだったが、騰儡の卑劣な妨害工作に遭い、地上へと落下してしまう。だが頂上の風陣に阻まれた騰儡も祖石を手に入れることに失敗し、塔闘は引き分けに終わる。奇物楼の屋上でふさぎ込む林動。その時、符師塔に何者かが侵入する。塔に集結した林動たちは、番人たちが殺されているのを発見する。混乱に乗じ、林動と綾清竹は再び塔の中へ入るのだった。
第20話 主の召喚
綾清竹を地上へと帰し、ただ1人で風陣へ挑もうとする林動。だが塔の番人を失ったことで符師塔はまさに崩れようとしていた。塔が崩れないよう岩大師たちが時間を稼ぐ中、応歓歓は林動を助けるため塔へと乗り込む。その頃、頂上でようやく祖石を手につかんだ林動は、呑噬の主と対面する。その姿は数百年前に死んだとされる主の記憶の残像だった。呑噬の主は林動に言葉を授ける。一方の応歓歓は岩に埋もれていた林動を見つけるが…。
第21話 岩大師、死す
青檀が林琅天とともに姿を消したことを知った林動は、小炎とともにやみくもに青檀を捜し回るが、綾清竹に諫められひとまず様子を見ることになる。応歓歓と小炎は林琅天を疑うが、林動は聞き入れようとしない。応歓歓は父親の応玹子に連れられ道宗へと帰っていく。陰傀宗から青檀と林琅天の命と引き換えに祖石を渡すよう脅迫された林動は、萱素たちと救出に向かうが、すべては穆仟仟が仕組んだ罠だった。1人残った岩大師のもとに現れたのは…。
第22話 玄氷護符の継承者
息を吹き返した岩大師。魔物に奪われた地図は偽物だった。岩大師に精神地図の解読に長けた符師を探すよう言われた林動は、大傀城へ向かうことになる。道中、青檀からの言霊を受け取り、胸をなでおろす林動。その頃、道宗へ戻り自室に軟禁されていた応歓歓は、玄氷護符の主と出会い、自分が護符の継承者であることを聞かされる。だが、継承者になるためには林動への想いを断たねばならないことを知った応歓歓は、深く苦悩するのだった。
第23話 新たな助っ人
地鱗古戟を修復するため、大傀城の符師を捜しに行った林動と小炎。2人は大傀城で万金商会の大番頭・夏万金に出会う。カネに強欲な夏万金だったが、その正体こそ林動たちが探していた内偵の符師だった。夏万金は林動に、大荒古碑から持ち出された霊輪鑑が、精神地図の解読に必要だと告げる。一方、応歓歓は道宗から抜け出し林動の行方を追うが、その頃すでに偽の応歓歓が林動たちと合流していた。その正体は巧みに化けた穆仟仟で…。
第24話 霊輪鑑の行方
偽の地図の示す場所に魔物を探しに向かった綾清竹は青檀と林琅天に遭遇。しかし穆仟仟の罠にはまり偽の地図をつかまされたことを、林琅天は信じようとしない。青檀は自分を連れ戻そうとした綾清竹を無意識に攻撃し、気絶させてしまう。林動が万金商会に身を潜めていることを知った騰儡は、地鱗古戟を使い林動をおびき出す。騰儡の放った血霊傀との戦いの最中、林動が見つけた石は…。一方、綾清竹は意識を失ったまま大傀城に運ばれていた。
第25話 偽者たちの正体
林動と感動の再会を果たした応歓歓だったが、その夜、穆仟仟が扮した偽の林動におびき出され連れ去られてしまう。林動と夏万金は精神地図を読み解くため、霊輪鑑を使って精神世界に入るが、またしても穆仟仟の妨害に遭い夏万金は重傷を負う。穆仟仟の罠にはまり、何度も振り回される林動たち。応歓歓を救いに行っている隙に、夏万金は穆仟仟に殺されてしまう。悲嘆に暮れる林動を慰めに訪れた綾清竹に、林動が伝えた計画とは…。
第26話 大傀城騒然
騰儡をおびき寄せるために万金商会で競売を始めた林動たち。だが騰儡は小炎を人質に取り、精神地図を渡すように迫る。仕方なく地図を騰儡に渡した林動だったが、地図を天下に公開するという荒技に出る。こうして大傀城には武学を求めて各地から大勢の豪傑が集結するのだった。そんな中、林動は大傀城で呑噬護符を狙おうとする青檀と林琅天に遭遇、林琅天と魔物退治をしたいと青檀に告げられてしまう。そしていよいよ大荒古碑が開かれ…。
第27話 奪われた空間護符
林動は、騰儡の妨害に遭いながらも造化武学を手に入れることに成功。林動の大荒囚天手を受けて傷ついた騰儡の復讐を果たすべく、騰刹は穆仟仟の力を借り大荒古碑に入る。古碑の中にあるそれぞれの空間に閉じ込められてしまう林動たち。林琅天は空間護符をこっそり手に入れるも、騰刹に青檀をさらわれる。空間護符を盗み青檀をさらった犯人は騰刹だと思い込む林動。その時、空間護符の制御がなくなったことで、大荒古碑が崩れ始め…。
第28話 陰傀宗の禁術
大荒古碑に閉じ込められた林動と応歓歓たち。古碑の外にいる綾清竹たちと力を合わせ危機一髪のところで脱出に成功する。その後、林動は青檀を取り戻すため再び大傀城を訪れ騰儡を連れ去るが、穆仟仟が魔物だと気づきそうになった騰儡は穆仟仟の術で殺されてしまう。その頃、息子の死を知った騰刹は青檀に対して陰傀宗の禁術である九陰魔玄陣を敷くのだった。岩大師から助言をもらった林動は、陣を破るため夏万金が残した遺物を探すが…。
第29話 九陰魔玄陣の罠
林琅天の協力を得て九陽神草符を完成させた林動たちは、騰刹の魔の手から青檀を救い出すため、大傀城の住民たちを扇動し陰傀宗へと向かう。九陰魔玄陣を破り青檀を解き放とうとする林動。だがそれは、息子の敵討ちをもくろんだ騰刹の罠だった。青檀の命を盾に、呑噬護符の封印を解く符文を差し出すことを求められた林動だったが、青檀の命を懸けた反撃に助けられる。深手を負った青檀は、皆が見守る中、静かに息を引き取るのだった。
第30話 不審な寒気
青檀の死の衝撃から立ち直れずに部屋に引きこもったままの林動を励まそうと、綾清竹は林動を外に連れ出し、元門を探りに行くことを伝える。元門に到着した綾清竹は、寒気をたどるうちに元門の禁断の地へ入り込むが、そこに穆仟仟が現れる。一触即発の2人を止めに入ったのは、元門の大師兄・元蒼だった。一方、林動と応歓歓は、万金商会の隠し部屋から持ち出した大量の書物の中に、別の護符の在りかを示す精神地図を見つけ出し…。
第31話 怨念の村
林動たちを出し抜いて雷霆護符を探しに出かけた小貂。小貂を捜しに来た小炎とともに魔物である六王の攻撃を受ける。一方、林動も元気になった応歓歓と一緒に雷霆護符を探し、湖の近くにある村を見つける。その頃、その村には一足先に綾清竹が到着していた。村の長は、村は代々雷霆護符を守っており、符師が訪れるのを待っていたと綾清竹に語る。だが彼らの正体は、かつて魔道に落ちた綾清竹の父親に惨殺された村人たちの精神残像だった…。
第32話 雷霆護符の継承者
雷霆護符の放つ光を見つけ湖の底へたどり着いた林動たち。雷霆護符を発見するも、それは人柱によって敷かれた陣で守られていた。だが綾清竹が父親の残した香袋に込められていた元力で陣を破り、雷霆護符を手に入れることに成功する。綾清竹は湖の底で、解読された精神地図も拾っていた。皆が寝静まる中、魔物の気配に誘い出された林動は、六王と遭遇。小貂と小炎を人質に取られ、雷霆護符を渡すよう迫られるのだった。
第33話 大炎王朝の王子
奇物楼を訪ねてきた林莽から、林家の栄誉のために大炎王朝の王子のもとへ出向くよう頼まれた林動。かつて林家から受けたひどい仕打ちを水に流すべきか苦悩するも、要求を聞き入れ万象城へ行くことを決意する。その道中、王子の護衛である皇甫静に遭遇し王子のもとを訪ねた林動は、王子から玄氷護符を手に入れるための手助けを求められる。二つ返事で引き受けた林動だったが、彼を阻止しようとたくらむ林琅天に、応歓歓が襲われ…。
第34話 裏切りの代償
林琅天と青檀に襲われ森の中で気絶していた応歓歓を見つけた林動は、自分の胸の内を応歓歓に告白し、2人の想いはようやく通じ合う。自分が林動の代わりに族蔵に入り玄氷護符を手に入れるという計画を邪魔された林琅天は、青檀の正体は魔物であり、林動は魔物と結託していると王子に訴える。林琅天の裏切りに深く傷ついた青檀は我を忘れ、自分は魔物であると認める。林動たちが王朝の兵士たちに襲われたその時、ある女性が現れ…。
第35話 玄氷護符の封印
六王を封印するために無理に玄氷護符を開いたことで体が老化してしまった応歓歓に、林動は結婚を申し込む。婚儀の準備が進む中、林動は、空間護符を使って応歓歓を道宗へ送り治療してもらおうと、空間護符の持ち主である林琅天のもとへ。だが林琅天は、交換条件として、玄氷護符をもう一度開き六王を解き放つことを要求。拒否した林動は林琅天に捕らわれてしまう。応歓歓は林動を救うために、自らの命を懸けて再び護符を開くのだった。
第36話 引き裂かれた運命
玄氷護符を開いたことで体の半分まで老化した応歓歓。玄氷護符の主としての運命を受け入れるため、心を鬼にして林動のもとを離れて道宗へと戻っていく。だが応歓歓と生きていくことを諦めたくない林動は、三宗の弟子になることを決意し道宗へと向かう。その道中、林動は道宗にゆかりのあるすご腕の武芸者に出会う。一方、太清宮に戻った綾清竹は、林動を太清宮に弟子入りさせてほしいと沈清に訴え、自ら水慕天華陣の間に入る。
第37話 道宗への入門
太清宮に入るようにという綾清竹の勧めを断り、応歓歓と同門になるべく道宗への入門を願い出た林動。彼は、地中の玄筋石を砕くという試練に合格し、晴れて道宗に弟子入りを許される。だが、応歓歓との一連の出来事を知る兄弟子たちの嫌がらせを受けることに。唯一、同じ新弟子として入った大炎王朝の王子・莫凌だけが林動の理解者となる。一方、暗黒殿を訪ねた林琅天は、青檀に面会を拒否されたことでますますかたくなになるのだった。
第38話 三宗の誅殺番付
天地洪荒の四殿のうち最下位である荒殿へと配属された林動は、何とかして応歓歓のいる天殿へ入ろうと画策するも阻止される。宗主の座を奪うことをもくろむ悟道は穆仟仟と手を組み、林動の応歓歓への想いを利用することに。三宗共通の誅殺番付の上位者を討てば天殿に昇殿できるとそそのかす。番付の上位者である周通に惨敗し戻ってきた林動に、悟道は大荒蕪経を習得するようたきつけ荒殿の武学殿へと連れていくが、そこにいたのは…。
第39話 風を斬る
周通を倒すため、大荒蕪経の鍵となる武学殿に乗り込んだ林動。そこにいたのは光を失った応玹子の師叔である老人で、彼はかつて周通に期待をかけていた。林動は老人から大荒蕪経の技を習得するため修練に励むが魔物の気配を察知し、武学殿に三王が封印されていることを知る。一方、穆仟仟は悟道に三王の封印を解かせたため、老人は命を落としてしまう。弟子たちが周通の仕業と疑う中、応玹子は周通と魔物の因縁を林動に語り…。
第40話 新たなる幕開けへ
応玹子は弟子たちを守るため、復讐を果たそうと道宗を襲った三王を砂漠へと誘い出す。そこへ林動と周通が助けに入り協力して三王を討とうとするも、すんでのところで取り逃がしてしまう。三王を倒すためには己の目を犠牲にしなくてはならないことを悟った林動は、1人で立ち向かうことを決意する。己の目を潰すことで三王を倒した林動。だが視力を失ったことを応歓歓に知られることを恐れ、彼女に会いに行くのをためらうのだった。
第41話 三宗の腕試し
三王を倒し、つかの間の平穏を取り戻した人間界。だが視力を失った林動は、昇殿への意欲を失っていた。三宗合同で年に一度開かれる腕試しが間近に迫り、今年は焚天古蔵での開催が決定される。当初は宗主である応玹子や兄弟子たちの参加の勧めを渋っていた林動だったが、焚天古蔵の地図が護符の在りかを示す精神地図であることを知り、腕試しに参加することを決意する。道宗、元門、太清宮、三宗それぞれの思惑を秘め、腕試しが始まるが…。
第42話 魔道に落ちて
焚天古蔵に妖潮が襲来。元門のみが逃走するが、道宗や太清宮の弟子は妖潮に襲われ、林動は目の前で莫凌と蒋浩を失ってしまう。林動は林琅天に妖潮のことを問い詰めるが、林琅天の体から魔物の隕霊を感じ取る。林琅天に問い詰められた穆仟仟は、林琅天が七王と一体化したことを伝え、魔皇に会わせることに。一方、林動の身を案じた応歓歓は悟道に扮して林動に寄り添う。そんな彼女も氷主になる最終段階を迎えようとしていた。
第43話 洪荒護符と紫金甲
悟道にそそのかされて応歓歓の陣を破った林動。応歓歓と道宗を逃げ出し、焚天古蔵を訪れた林動は、そこで洪荒護符の主と遭遇する。その頃、元門を探りにいった小貂が消息を絶っていた。綾清竹は元門に乗り込むも、霊真の妨害を受けることに。綾清竹をかばおうとした元蒼は霊真に刺され、抵抗した元蒼は霊真を殺してしまう。小貂を捜しに元門に向かった林動一行は、穆仟仟の部屋の鏡の向こう側にある元力湖を見つけるが、そこにいたのは…。
第44話 新たな統率者
元力湖で魔物と化した林琅天の姿を目の当たりにした林動たち。綾清竹や小炎が元門の追っ手をまく中、無事元門から脱出し道宗へと逃げ場を求めた林動と応歓歓だったが、そこへ林琅天が元門の弟子たちを率いて現れる。林琅天は穆仟仟の隕霊を体内に吸収し、元門の長老となっていた。林琅天から林動を引き渡すよう迫られた応玹子はこれを拒み、三宗には大きな亀裂が入る。道宗をあとにした林動は岩大師の協力を得るべく炎城へと向かうが…。
第45話 伝説の妖域へ
道宗が元門の襲撃を受けたと聞いて駆けつけた林動と応歓歓。そこで目にしたのは、虫の息の応玹子と裏切り者の悟道だった。林琅天に元丹を奪われたことで、応玹子は命を落としてしまう。応玹子の死に衝撃を受けた応歓歓は、彼の望みどおり道宗を継ぎ、氷主の修練を再開することを誓う。自らの手で纏心鏡を割り、林動と別れることを決意した応歓歓。傷心の林動は、後ろ髪を引かれたまま、小貂と小炎とともに妖域に向かうのだった。
第46話 継承の儀
林動は小貂と小炎を連れて伝説の妖域へと旅立つも、不測の事態で2人と離ればなれになってしまう。暗黒殿にたどり着いた林動は、そこで妹の青檀と再会。青檀は、暗黒殿の殿主となる継承の儀を翌日に控えていた。そして当日、譲位を妨害しようとする長老・辰朗の企みにより暗黒鎌が暴走するも、林動の手助けにより無事に青檀は次期殿主となる。しかし謀反を起こした辰親子への青檀の無慈悲な対応を見て、林動は複雑な心境になるのだった。
第47話 砂漠の出会い
林動が助けに入り、無事に暗黒殿の主の位を受け継いだ青檀。林動は波玄の口から、波玄が符祖の8人の弟子・太古八主の1人で、唯一の生き残りということを伝えられる。その頃、妖域に戻った小貂と小炎だったが、小貂は九尾狐族との結婚のため天妖貂族に捕らえられてしまう。小貂は貂王の息子だった。一方、暗黒殿をあとにした林動も小貂を捜しに妖域へ来ていた。そこで林動は白狼族に襲われていた九尾狐族の姫姉妹、慕心晴と慕霊珊に遭遇する。
第48話 九尾狐族の姫たち
林動から呑噬護符を奪った九尾狐族の姫姉妹は、生死護符の主だった。姫姉妹は魔物の気配を天妖貂族の方向からかぎ取るも、またしても白狼族に囲まれてしまう。だが白狼族を率いていたのは小炎だった。慕心晴との婚礼を強制する昊九幽から逃げ出した小貂も、林動との再会を果たす。天妖貂族の中に魔物がいると踏んだ姫姉妹は、それぞれ貂王と昊九幽のあとをつけることに。昊九幽をつけていた慕霊珊と林動は天洞の中に捕らえられた貂王を見つけ…。
第49話 貂王の正体
本物の貂王を救い出した林動は、貂王からある秘密を打ち明けられる。魔皇の肉体は天洞の奥に封印されており、その封印を解く鍵は天妖貂族と九尾狐族がそれぞれ半分ずつ持っているというのだ。偽者の貂王の正体は、林琅天だった。林琅天は幻魔花の毒を使って天妖貂族と九尾狐族を殺すと脅し、解毒薬と引き換えに鍵を渡すよう要求する。林動と小貂はその要求をのもうとするが、かたくなに拒否した貂王は林琅天に重傷を負わされるのだった。
第50話 謎の城主
林琅天の策略で族長を失った天妖貂族と九尾狐族。父のあとを引き継いで王となった小貂と一旦別れた林動は、傷を癒やすため潜伏していると思われる林琅天を追って、妖域で唯一の街である火焔城を目指す。その頃、火焔城には綾清竹の姿があった。綾清竹は火焔城の城主が太清宮から火焔護符を盗んだという事実を突き止める。その城主は焔神殿で祭祀の儀を行うことになっていた。翌日、密かに焔神殿へと潜り込んだ綾清竹の前に現れたのは…。
第51話 父との出会い
密かに焔神殿へと潜り込んだ林動と綾清竹は、城主の精神世界へと迷い込む。そこで2人が見たのは、綾清竹の母・綾素素と父・青雉の仲むつまじい様子だった。ついに城主の正体が実の父親であると知った綾清竹。だが青雉は体内に五王を封じ込めており、その体はすでに限界を迎えつつあることを告げる。青雉は2人に、当時何があったのかを話して聞かせ、綾清竹はそれを信じるが、林動と2人きりになった時に青雉が語った真相は、別のものだった。
第52話 旧友たちの再会
火焔城で林琅天の気配を感じ取った小炎と慕心晴。慕霊珊を捕らえた六王まで現れるが、青雉が助けに入り小炎と慕心晴は一命を取り留める。林動は林琅天から一方的にやられ屈辱的な敗北を喫する。そんな林動は精神世界で岩大師のもとを訪れるとそこへ青雉も姿を現し、旧友たちは久しぶりに再会を果たす。気を取り直した林動は、自分がおとりとなって青雉たちが作る陣に林琅天をおびき寄せようとするが、林琅天は巧みに空間護符を操り…。
第53話 恒久と一瞬のはざまで
林琅天の策略にはまり、空間護符によって雲荒沢に閉じ込められた林動と綾清竹。死を覚悟した綾清竹は、胸に秘めていた想いを林動に伝える。その身を犠牲にして林動を助けようとするが、青雉の林琅天への決死の攻撃で、2人は何とか生還を果たす。青檀は暗黒護符で時間を止め林琅天を討とうとするも、かつての林琅天への想いに駆られ手を下しあぐねている隙に、林琅天は火焔城から逃げ出してしまう。そして林琅天が向かった先は…。
第54話 火焔護符の主
綾清竹とともに妖域から戻った青雉は、綾素素と感動の再会を果たす。一方、魔物と化した林琅天は、元門を率いて道宗を襲撃。続いて太清宮も襲撃する。林動はじめ応歓歓、青檀、岩大師らは援護するために太清宮に駆けつけるが、林琅天の策略にはまり、要路を断たれて閉じ込められてしまう。抵抗を試みる中、重傷を負った宮主の沈清は、息を引き取る間際に綾清竹に太清宮に伝わるある武学を極めるための修練法を耳打ちする。
第55話 欲望の螺旋
林動が太上に到達できるよう、応歓歓は一方的に林動を綾清竹に託し、自らは魔物を阻むため1人下山する。その頃、林動と綾清竹は双修を選ばず元力を融合させることで太上に到達、魔物と元門を撃退し太清宮は救われるのだった。だが元力湖へ行った林動は、自分が林琅天に利用され魔皇復活の手助けをしていたことを知る。魔皇の攻撃に意識が薄れていく林動は精神世界で符祖と出会う。符祖はかつて自分の犯した過ちを語り始め…。
第56話 魔皇の復活
応歓歓に別れを告げた林動。天洞を目指すもひと足遅く、魔皇はすでに封印を解いて復活を果たしていた。青雉と林琅天は、それぞれの思惑を胸に秘めたまま魔皇に従う芝居を続け、魔皇を討つ隙を狙う。綾素素の血染めの衣を目の当たりにし、雷族村での事の真相を聞いた綾清竹。青雉への信頼が揺らぎ始めるが、青檀に説得される。肉体が衰弱した魔皇に自分の体を提供するという林琅天を制し、青雉は林動の体を乗っ取ることを提案するが…。
第57話 最後の犠牲者
林動は、呑噬護符で作った結界の中に仲間たちを残し魔皇を討ちに行くも、林琅天に捕らえられてしまう。そこへ林動を捜しに来た仲間たちが現れる。だがそれは、林琅天が巧妙に仕組んだ罠だった。林琅天に操られた小炎は、愛する慕心晴を自らの手に掛けてしまう。林動と青雉は魔皇を討つための新たな計画を立てるも、林琅天に見破られていた。魔皇を倒せるのは自分しかいないと言う林琅天。林動は林琅天に最後の希望を託すしかなかった。
第58話 符使の使命
慕心晴を失い悲しみにくれる小炎は、青檀に励まされ林動を救出すると誓う。一方、青雉は林動の元丹を渡すと見せかけて魔皇に攻撃をしかけるが、体内の五王に支配されてしまう。そこへ妻の綾素素が現れ、青雉を正気に戻す。2人は己の使命を娘の綾清竹に託し、溶岩に飛び込むのだった。その頃、魔皇の前には波玄が立ちはだかり数百年かけて編み出した技で魔皇を倒し息絶える。粉々になった体が再生しようとする魔皇に林琅天が襲いかかり…。
第59話 生死護符の主
慕心晴の妖晶を持って道宗を訪れた林動たち。その夜、慕霊珊は氷主のもとへ行き、生死護符を開くために自らも妖晶となる決意を示す。慕霊珊の犠牲により生死護符の主として生き返った慕心晴とともに、林動たちは、すべての始まりの地である青陽村を訪れる。だが、そこは見る影もなく荒れ果てていた。青檀が林琅天から空間護符を奪ってきたことで8つすべての護符がそろうが、林琅天は次元の胎を使ってもう1つの青陽村を創り出そうとしていた。
第60話(最終話)邂逅
青陽村で再び対峙した林動と林琅天。新たな世界に君臨しようという林琅天の申し出を林動は拒絶、2人の壮絶な闘いが始まる。だが林琅天の圧倒的な力を前に林動は気を失い、彼の精神はある世界の中に入り込んでしまう。そこには応歓歓と、彼女と結婚を控えた林動がいた。3年の幸せな結婚生活のあと、自分の世界に戻るよう応歓歓に告げられた林動は再度目覚める。すると氷主となっていた応歓歓が林動を乾坤境へと導き始め…。