没落した一族の娘ソン・ドギムは、見習い宮女として宮廷に仕えていた。物語の朗読が上手く好奇心が旺盛で、誰からも愛されるドギム。一方、国王・英祖の孫で世孫のイ・サンは、祖父により父を死に追いやられ、孤独に宮廷で暮らしていた。サンは、ある出来事からドギムにほのかな想いを寄せるようになる。しかし、2人に再会する機会は訪れなかった。数年後、聡明で美しい宮女に育ったドギム。再び偶然がドギムとサンを結び付けるが…。ドギムを愛しながらも、国王として国を第一に考えねばならないサン。ドギムとの切ない恋愛の行く先は――?
第1話 幼き日の出会い
宮廷に仕える幼い見習い宮女ソン・ドギム。彼女は本を読み聞かせる伝奇叟(チョンギス)遊びが得意だ。その日も大勢の仲間たちに本を読むドギムだが、先輩尚宮(サングン)たちにバレて叱られ、罰として亡くなった暎嬪(ヨンビン)の弔問に夜、1人で行かされることになる。一方、実の祖母、暎嬪の死を知った世孫イ・サンも、東宮殿を抜け出し1人で後宮に向かう。そこで道に迷っていたドギムと出会ったサン。2人は無事後宮にたどり着き、サンは祖母の遺骸を前に涙を流す。
第2話 書庫で始まった関係
都に虎が出没し犠牲者が出る。自ら弓を手に虎退治に乗り出すサン。一方、東宮殿に「罪人の子は王になれない」という矢文が射込まれる。罪人とは英祖(ヨンジョ)の命令で死んだサンの父、思悼(サド)世子のことだ。そんなある日、足を踏み外したドギムは丘の斜面を転がり落ちてサンにぶつかり、2人は池の中に…。この件でドギムは反省文を書かされることになる。東宮殿の書庫の番をしていたドギムが書の書き写しをやっていると、兼司書(キョムサソ)と名乗る男が姿を現す。
第3話 小さな波紋
宮女たちの祭りの晩、王宮に虎が現れる。ドギムはサンの頼みで、朗読をすると言って宮女たちを集め脱出させるが…。ドギムの前に虎が姿を見せ、あわやという瞬間、サンが矢を放ってドギムを救う。翌朝、兼司書のホン・ドンノに、兼司書の安否を問うドギム。その特徴を聞いて、サンがドギムに兼司書を名乗っていることを知る。一方、王命を待たずに兵士を動員して虎を捕らえたサンに対し、左議政(チャイジョン)をはじめ臣下たちは次々に非難の声を上げる。
第4話 ドギムの戸惑い
兼司書と思っていたサンが実は世孫だったと知り、ショックを受けるドギム。一方、サンは自派の秘密会議を持ち、虎を捕らえた夜に自分を弓で狙った者がいると明らかにする。そんな中、ドギムたちが見習いを卒業して正式な宮女になる笄礼の日が近づく。ドギムは書庫係から東宮殿に配置が変わることを考えると気が重い。書庫での最後の日、サンが突然、現れる。自分は騙されたと思っているドギムに、サンは心の内をすべて吐き出すように命じるが…。
第5話 秘密の会合
サンの実母、恵嬪(ヘビン)ホン氏の命を受けたドギムは、「同徳会」と呼ばれる世孫派の秘密会議のために妓楼に出入りするサンを尾行。ドンノに見つかり殺されかけるも、サンに助けられる。サンは主人である自分ではなく母の命に従うのかと怒り、ドギムは必死に弁明する。やがてサンはドギムを同徳会に迎え入れることに。一方、英祖がサンに政務を任せる代理聴政を考えていることが分かる。サンの叔母の和緩(ファワン)翁主(オンジュ)、左議政ホン・ジョンヨなど反世孫派は…。
第6話 障子越しの想い
和緩翁主の讒言で王の怒りに触れ、サンは禁足を命じられる。部屋から出られない彼に代わり、ドギムが同徳会の会合に出席しサンの意思を伝える。サンの力添えになる人物として王妃の存在を思いついたドギムは、王妃を説得するのは女である自分にしかできないと考える。ドギムは王妃が主催する親蚕礼の手伝いにかこつけ、王妃に面会。王妃は、自分をないがしろにして権勢を振るう和緩翁主を懲らしめる方法を探すよう、ドギムに命じる。
第7話 ときめく気持ち
ドンノとドギムの仲を誤解し不機嫌なサン。急きょドギムが呼ばれ、サンの沐浴の世話をすることになる。湯を注ぎ足そうとしてうっかり浴槽に落ち、ずぶ濡れになったドギムは、あわてて服を着替える羽目に。それ以来、サンはドギムのことが気になり勉強も手につかない。ドギムたち宮女のおしゃべりに耳を傾けるサン。王宮で誰に憧れるかという話で、ドギムは私のお慕いする人は世孫様だと告白する。それを聞いたサンは、嬉しさを爆発させるが…。
第8話 あの日の思い出
サンはドギムに、お前のすべては私が決めると言って立ち去る。そんな中、ドンノが同徳会に連れてきた御医の口から英祖が認知症にかかっていることが明らかに。一方、ドギムは宮女を統率する提調尚宮(チェジョサングン)から呼び出され、サンの側室になってほしいと依頼される。だが、ドギムは、世孫様を信じてくださいと言って断るのだった。翌日ドギムの部屋で、亡くなった暎嬪の遺品が見つかる。ドギムが盗んだとして大騒ぎになる中、サンが現れて…。
第9話 恐れを知らぬ宮女
サンは、暎嬪(ヨンビン)の弔問で初めて出会って以来、お前のことを忘れたことはないと自分の気持ちをドギムに語る。しかしドギムは、あの日の出会いは偶然だったと、つれない態度をとる。英祖(ヨンジョ)の認知症は進行し、サンを呼び出しても何の用事だったか分からなくなる。王妃の助けで英祖はサンに陵幸を命じ、万一に備えて兵士を動員できる虎符を渡す。民からの直訴で、宮女にすると偽り幼女を誘拐する事件が続発していることを知ったサンは…。
第10話 無事を願う心
サンは堤調(チェジョ)尚宮(サングン)率いる宮女の秘密組織「広寒宮(クァンハングン)」の攻撃を防ぎ切る。謀反を知らせる信号凧を揚げ行宮に駆けつけたドギムは、サンの胸に倒れ込む。謀反の失敗を知った堤調尚宮は、罷免された左議政(チャイジョン)をたきつけ王に奏上させる。謀反はなかった、世孫は自分の力を見せつけるために兵を動かしたと英祖はサンに、東宮殿から王に近い宮殿へ移るよう命じる。ドギムも東宮殿を離れ再び書庫に配属される。サンに会えず元気をなくしたドギムは…。
第11話 忘れた約束
王宮で宴会が開かれ、王の御前にケジャンと柿が出される。それは英祖が前王の毒殺に使ったと噂される品だった。英祖は激怒し、真っ赤に焼けた火箸を恵嬪(ヘビン)に投げつけようとするが、サンが素手で受け止める。誰の仕業だと詰め寄る英祖に、サンは宴会の主催者である自分の責任だと答える。英祖はサンに東宮殿から一歩も外に出るなと命じる。一方、ドギムは広寒宮から救った思悼(サド)世子の乳母、パク尚宮から重要な秘密を知らされる。
第12話
臣下たちの前でサンを責める英祖だが、次第に混乱してサンを思悼世子だと思い始める。サンは泣きながら自分は世孫のサンだと訴え、間違いに気づき愕然とする英祖。そのとき、王妃とドギムが現れ、英祖が思悼世子の命と引き換えにサンの即位を約束した文書、金縢(クムドゥン)之詞(ジサ)の存在を明かす。提調尚宮はドギムの嘘だと訴えるが、雷鳴が響き渡り、英祖は文書の隠し場所を思い出す。文書を読み上げた英祖は退位を宣言し、ついにサンは王となる。
第13話 謀反と救命
王となったサンはドギムに、自分の側室に入ってくれと頼むが、ドギムは返答をしない。そんな中、サンの暗殺を狙って逆徒が襲いかかるが失敗。逆徒の捜索が始まり、宮女たちからも逮捕者が出る。ドギムの先輩カン・ウォレも捕らえられ、面会に来たドギムに最後の言葉を遺す。誰からも好かれるドギムの性格は、王宮では得にならないと。落ち込んでいるドギムにサンは、お前が勝ったら望みをかなえてやろうと、賭けを提案する。ドギムの望みは…。
第14話 連れ去られた宮女たち
サンは、都承旨(トスンジ)ドンノの妹で側室に入った元嬪ホン氏のもとで夜を過ごすことになる。ドギムは王宮で留守番をしているうちに眠ってしまうが、目を覚ますと隣にサンがいた。ドギムに、お前は俺の心をかき乱すと不満をこぼすサン。一方、元嬪が突然、息を引き取る。嘆き悲しむ兄ドンノは、元嬪は殺されたのだと主張する。そんな中、王宮から次々と宮女が姿を消す。その中にはドギムと仲の良いペ・ギョンヒもいた。サンはドンノに宮女たちを捜し出せと命ずるが…。
第15話 過ちの代償
接吻を交わすサンとドギム。しかし、サンの口から出たのは、王宮を出て二度と目の前に現れるなという言葉だった。王宮を去ったドギムの部屋で、サンは破られた禁書の頁を見つける。1年後、サンは妹の清衍(チョンヨン)郡主(クンジュ)の屋敷でドギムと出会う。私を見ても見ぬふりをしてくれと言うドギムに、サンは王に命令するのかと怒る。冷たいサンの言葉に涙を流すドギム。その後、ドギムは新しく側室となった和嬪つきの宮女として大妃に呼び戻される。
第16話 お前をもう手放さない
ドギムに嫉妬する和嬪は大妃に、ドギムが男と会っていると伝える。男とはドギムの兄ソン・シクのことだった。大妃はサンに、流刑中の兄を都に呼び戻してくれと頼むが、都の政治的状況からサンは聞き入れない。和嬪は大妃の前で、サンにドギムの私通を訴えるも、ドギムは兄の立場を考えて否定しない。大妃は宮女の私通は死罪だと脅しながら、兄を救ってくれればドギムも助かると持ちかけるがサンは拒絶。ドギムを信じていると言い切る。
第17話(最終話) 瞬間は永遠
サンと宜嬪(ウィビン)(ドギム)の子、文孝世子が麻疹で幼い命を失う。麻疹にかかっておらず懐妊中でもある宜嬪は我が子の最後を看取ることができない。嘆き悲しむ宜嬪にサンは、王族として毅然とした態度で悲しみを乗り越えろと励ます。折りしも宜嬪は、友人の宮女ソン・ヨンヒが密かに子供を身ごもり流産し、獄中にいることを知る。ヨンヒがこの世を去った後、ドギムは我が子の死に対してサンも悲しんだことに気づき、互いを励ます言葉を口にするのだった。