弘文館の文官ソンヨルは、親友のチョンヒョン世子が書いた小説と偶然目撃した後宮の遺体から、宮中に住まう吸血鬼の存在に気づく。朝鮮王朝が200年もの間、悪の吸血鬼クィに支配されてきたと知ったソンヨルは、チョンヒョン世子と力を合わせてクィを退治しようと決意。だが、チョンヒョン世子とソンヨルの父、婚約者のミョンヒまでもがクィによって死に追いやられ、ソンヨルはクィを倒す使命を背負った吸血鬼として生きることになる。
120年後。クィを倒す秘策が記された「チョンヒョン世子備忘録」を探すため、本売りのヤンソンを呼んだソンヨル。ヤンソンは彼の美しさを絶賛するが、激しい吸血欲求に駆られたソンヨルは逃げるように席を立つ。一方、世孫の身分を隠して春画を描いていたユンは、旧友に似たヤンソンに興味を抱く。そんな中、淫乱書生の小説とユンの父サドン世子の死に関する怪文書が出回り、ヒョンジョの元にユンの廃位を求める上疏文が殺到する。
ソンヨルはクィの追跡を振り切り、やっとのことでヤンソンを救出。スヒャンはクィに匂いを知られたヤンソンを殺そうと提案するが、ソンヨルに戒められる。一方、約束の場所でヤンソンを待ち続けていたユンは、自分を監視する男に気づいて後を追う。そんな中、ヤンソンは無事に目を覚まし、120年前の「吸血鬼伝」を手に入れた本屋にソンヨルを案内。ソンヨルは天真爛漫なヤンソンを見つめながら、ミョンヒとの幸せだった日々を回想する。
ミョンヒに瓜二つのヘリョンを街で見かけ、思わず抱きしめたソンヨル。ヘリョンはそんなソンヨルを平手打ちし、冷たく背を向ける。一方、ヤンソンは本屋の主人と父のチョ・センがサドン世子の本売りとして働いていたことを知って驚く。そんな中、ヒョンジョはユンに淫乱書生の追捕を命じ、サドン世子の命日に宴会を開けと指示。ソンヨルは、同じ日に開かれるサドン世子の鎮魂祭で淫乱書生の小説の続編が配布されるという噂を広め…。
ソンヨルは怪文書をすべて回収するが、王室を牛耳る吸血鬼の噂は瞬く間に世間に広まる。淫乱書生を探し出しクィから守るため、ソンヨルは情報収集を急ぐ。その頃、ヤンソンは父の説得に負け、ソンヨルの仕事を断ることを決意していた。そんな中、ユンは偶然ヤンソンが女性だと気づくが、素知らぬふりで居酒屋に誘う。ソンヨルの話ばかりするヤンソンを見ながら、微かな嫉妬を覚えるユン。一方、ソンヨルは酔ったヤンソンの前に現れ…。
布袋の持ち主を探すため、本売りを集めたクィ。一人の商人がクィに噛まれて吸血鬼と化すと、全員が死の連鎖に巻き込まれてしまう。耽羅(タムナ)に発つことになったヤンソンは、前の晩のキスについてソンヨルに尋ねようとするが、彼のそっけない反応を見て口をつぐむ。そんな中、ソンヨルは淫乱書生の正体がユンだったことに気づいて驚く。ヤンソンの父、チョ・センは自宅の床下から「チョンヒョン世子備忘録」と筆箱を密かに掘り出すが…。
クィとの闘いで深手を負ったソンヨル。ヤンソンは耽羅行きの船には乗らず、必死に彼を看病する。やがてソンヨルは意識を取り戻すが、激しい吸血衝動に駆られてヤンソンに襲いかかりそうになる。一方、ヘリョンはソンヨルを連れてくるという条件で自分を王妃の座につけることをクィに約束させ、偶然を装ってソンヨルに接近する。ユンは罪のない民が次々とクィの犠牲になることに憤り、自分が淫乱書生だと名乗り出る決意をするが…。
ソンヨルに恋心を伝えたヤンソンは、彼の冷たい態度に傷つく。一方、チョ・センはヤンソンの実父を殺したソンヨルが「チョンヒョン世子備忘録」を探していると知って震え上がり、慌てて耽羅に発とうとする。その頃、ユンは淫乱書生の正体を明かす準備を進めていた。ソンヨルは「クィを倒す」という同じ志を持っていることをユンに告げ、協力を申し出る。ところが、ヒョンジョの命令によってヤンソンが淫乱書生として捕らえられ…。
拷問にかけられたヤンソンは父を救うために偽の自白をするが、チョ・センも自分が淫乱書生だと訴えて娘を守ろうとする。ソンヨルは牢獄に忍び込み、チョ・センに「チョンヒョン世子備忘録」の在り処を尋ねる。吸血鬼のソンヨルを恐れて返事をためらうチョ・セン。しかし、ヤンソンを抱き締める彼を見て10年前の出来事を思い出し…。一方、ヒョンジョはクィを倒そうとしていることを初めてユンに明かし、必ず生き延びて民を守れと告げる。
父を失い、奴婢の身分に落とされたヤンソン。傷だらけの体で働く姿を見たユンは胸を痛めるが、ヤンソンは二度と自分の前に現れないでほしいとユンに告げる。チョ・センの遺言を手がかりに「チョンヒョン世子備忘録」を発見したソンヨルは、クィを倒すにはユンの協力が必要だと気づく。そんな中、ソンヨルは瀕死のヤンソンを自分の血で治療し、気持ちを伝えてキスをするが…。一方、クィはヘリョンに200年前に死んだ恋人の話を明かす。