あらすじ
幼い頃に母を亡くし、弟とともに養父母の元で育った尹夏沫(イン・シャーモー)は、同じ大学に通う大企業の御曹司・歐辰(オウ・チェン)に愛されて幸せな日々を送っていた。そんな時、彼女の家に洛熙(ルオ・シー)が新しい家族としてやってくる。優等生の顔の裏に冷たい心を隠す彼と、最初は反発し合う夏沫だが、秘められた優しさを知るにつれて心を開いていく。しかし、次第に仲を深める2人に嫉妬した歐辰は、権力を使って洛熙をイギリスへと追いやる。だが、それが悲劇の始まりだった。3年後、芸能界で成功を目指す夏沫の前に、大スターとなって帰国した洛熙と、事故で彼女の記憶を失った歐辰が現れる。壮絶な運命を背負った3人の人生が再び交差し…。
第1話 動きだす運命の歯車
養父母に引き取られ、弟と4人で楽しく暮らす尹夏沫(イン・シャーモー)。しかし突然、尹家に現れた洛熙(ルオ・シー)と同じ屋根の下で暮らすことになる。水面に投じられた石のごとく、洛熙の出現は穏やかな暮らしに波紋を起こす。夏沫は富豪の息子である歐辰(オウ・チェン)と付き合いながら、親友の江珍恩(ジャン・チェンエン)にも交際をひた隠しにしていた。ある日、一緒にいる姿を写真に撮られ、方錦華(ファン・ジンホァ)によって大学でさらし者にされる。その場に駆けつけた歐辰は、何のためらいもなく堂々と交際を認め…。
第2話 束縛と嫉妬
夏沫は学園祭で弟・尹澄(イン・チェン)の絵画展を開くが、なかなか観客が集まらない。そこへ歐辰が駆けつけ、絵画展は見事な成功を収める。しかしライブの客を奪われた洛熙は、歐辰に対して憎しみを募らせていく。また歐辰も、夏沫と同居する洛熙に嫉妬を燃やし、手作りのリボンを贈って夏沫への束縛を強めるのだった。そんな中、夏沫は弟と約束していた映画館へ行くが、そこには澄ではなく洛熙が現れる。彼に怒りを露わにする夏沫だったが…。
第3話 開かれる過去の扉
子供の頃、海の事故で母親を亡くした歐辰は、水恐怖症となったものの夏沫に救われた。歐辰は2人が出会った浜辺に立ち、夏沫を花嫁に迎えると宣言する。一方、尹家では飼い猫の団子が行方不明に…。そんな時、洛熙が大学のロッカーを開けると、そこには変わり果てた飼い猫の姿が! プレゼントを用意したと言ってきた錦華を疑う洛熙だったが、逆に猫を虐待した自身の過去を暴かれ、疑惑の渦中に。そんな洛熙に手を差し伸べたのは夏沫だった。
第4話 偽りの家族
洛熙にかけられた疑いを夏沫が解いたことで、2人の距離は縮まっていく。一方、歐辰は夏沫へのプロポーズを決意。思い出の海岸に夏沫を呼び出すが、その時、夏沫は洛熙とともに歌番組に出演していた。才能を持ちながら、ステージでは歌えなくなってしまう夏沫を、洛熙は優しく支えるのだった。そして2人は酔った勢いで本音をさらし、仲を深めていくが、その姿に嫉妬した歐辰は、ある決断を下す。それに対して洛熙は衝撃の事実を口にする。
第5話 予期せぬ別れ
夏沫から洛熙を引き離そうと画策する歐辰は、夏沫の養父を脅し、洛熙を国外へ追いやることに。洛熙が尹家を去る日、養父母は高熱を出した澄を病院へ運び、夏沫だけが見送りに行く。別れを告げる夏沫に、洛熙は八つ当たりのようなキスをした。その頃病院では、洛熙との別れを悲しむ妻と子を見た養父が、洛熙を引き止める決意をする。しかし、3人で空港へ向かう途中で事故に遭ってしまう。悲しみに暮れる夏沫は、歐辰に冷たい言葉を浴びせて…。
第6話 つかみたいチャンス
3年の時が過ぎた。夏沫と珍恩は先輩である姚淑兒(ヤオ・シューアル)の推薦で、サン芸能の新人オーディションに合格する。澄の治療費と学費を稼ぎ、人に頼らず生きようと誓った夏沫は、成功への近道として芸能界を選んだのだった。研修生としてライバルたちと競い合う夏沫だったが、澄と連絡が取れなくなってしまう。一方、とあるオフィスで新作ゲームの発表会が行われる。堂々と壇上に立つのは歐辰。彼は一族の会社を離れ、自らゲーム会社を興して成功を収めていた。
第7話 突然の再会
サン芸能研修生の最終選考に残り、見事芸能界への切符を手に入れた夏沫たち。人気オーディション番組への出演が決まり、レッスンにも熱が入っていた。そんな時、大スターとして人気絶頂の洛熙がイギリスから帰国し、夏沫たちの出演する番組の審査員を務めることに。番組のスポンサーである歐辰はテレビ局で洛熙の姿を見かけるが、その反応はなぜか鈍かった。サン芸能の事務所を訪れた洛熙は「研修生の中に古い友人がいる」と口にして…。
第8話 いよいよ本戦へ
オーディション番組の出演に向け、レッスンに明け暮れる夏沫。審査員を務める洛熙から「君を選ばない」と言われても、努力を続けて無事に予選を突破する。そして、とうとうアジア各国に放送される本戦が華々しく幕を開けた。ステージ裏で夏沫が見守る中、研修生仲間の潘楠(パン・ナン)は圧倒的な歌唱力と表現力で会場を魅了する。しかし、そのあと思わぬ人物の登場に、誰もが目を見張ることに。一方、スポンサーである歐辰は番組に興味を示さないでいた。
第9話 悪夢の再来
ついにオーディション番組のステージに立った夏沫だが、かつてのように突然歌えなくなってしまう。誰もが失敗を確信するが、審査員である洛熙は夏沫に合格を出す。しかしそれは夏沫への復讐の始まりだった。洛熙から理不尽なイジメを受ける夏沫だが、一切弱音を吐くことはなく、再起をかけた淑兒たちとともにチームでのレッスンがスタートする。一方、記憶を失っているはずの歐辰は、一目見た夏沫の姿が頭から離れなくなっていた。
第10話 記憶の在りか
高熱を出した洛熙は、夏沫に助けを求めた。手厚い看病を受けるうち、彼は再び恋に落ちてしまう。しかし心の中には、なお復讐の炎が燃えていた。洛熙の嫌がらせは続き、険悪な雰囲気になる中、夏沫は番組の宣伝用写真を撮るため、歐辰の会社に足を踏み入れる。一瞬だけ彼女と目が合った歐辰は、気持ちを抑えきれず、強引に夏沫を連れ出すと「君は誰だ」と問いかける。弄ばれていると勘違いした夏沫は怒りを覚えるが、あとで記憶喪失だと知って…。
第11話 告げられた真実
歐辰の記憶喪失を知った夏沫は、過去を封印する決意を固めるが、歐辰は夏沫への想いを募らせていた。一方洛熙は、歐辰の名で夏沫に贈り物が届いていることに、嫉妬の炎を燃やす。そんな中、洛熙は養父母が事故死したことを夏沫から聞かされ、わだかまりが解けていく。チーム内対抗戦を控え、夏沫は洛熙の指導のもとで歌のレッスンに励んでいた。しかし、ステージでの緊張を克服するすべは見つからないままだった。そこで洛熙はある方法を思いつく。
第12話 確かめ合った想い
夏沫が歌えない理由は、ステージ上で亡くなった母の悲しい記憶にあった。自らを責め続ける夏沫を、洛熙は優しく抱きしめる。課題を克服した夏沫は、洛熙の指導でますます歌唱力を磨いてゆき、2人は互いの思いを確かめ合う。そしてチーム内対抗戦の当日。夏沫の対戦相手となったのは、先輩であり指導者でもある淑兒だった。実力を出し切って歌うことを誓う彼女たちだったが、ステージに立つ淑兒の口から出たのは驚くべき言葉だった。
第13話 決着と新たな始まり
オーディション番組の決戦に臨む夏沫(シャーモー)は、母から教わった歌を勝負曲に選んだ。そして、ついに優勝者が決定する。長い戦いを終えて、洛熙(ルオ・シー)からデートに誘われると、2人で街へ繰り出すのだった。一方、歐辰(オウ・チェン)の創業したモダンハイト社は、ゲームのイメージキャラクターをネット投票で決めることになり、夏沫を含む10人が候補者に選ばれた。新たな戦いの火ぶたが切られ、人気に陰りが見え始めた淑兒(シューアル)は焦りを隠せず、笑顔の仮面が剥がれていく。
第14話 スキャンダル旋風
ゲームのイメージキャラクターを決めるネット投票が世間で話題となっていた。不動の人気を誇る沈薔(シェン・チアン)が辞退すると、ますます白熱の様相を呈するように。じっと反撃の機会をうかがっていた淑兒は、スキャンダルを暴露して薇安(ウェイアン)を1位の座から引きずり下ろす。しかし、夏沫が洛熙とデュエットしている動画が出回ると、あっさりと夏沫に抜かれてしまう。オーディション当日、夏沫は迎えの車に乗り込むが、そのまま連れ去られてしまい…。
第15話 愛し合えない2人
傷を負い、衣装もボロボロになった夏沫は、発想の転換と表現力で、見事にオーディションを乗り切った。疲労で眠る夏沫の顔を見つめていた歐辰の脳裏に、失われた過去の記憶がよぎる。自分たちは愛し合っていたのでは、と歐辰は問いかけるが、夏沫は冷たく否定するのだった。夏沫はモダンハイト社のイメージキャラクターに就任し、芸能人としての第一歩を踏み出した。そんな時、彼女は拉致の真実を知るという薇安から、ある物を手渡され…。
第16話 よみがえる記憶
淑兒の過ちを水に流して、これまでどおり友達として付き合うことにした夏沫。順調に人気を伸ばし、音楽アワードの最優秀新人賞に輝くまでになった。授賞式の後、彼女は洛熙から「一緒に暮らそう」と誘われる。2人がキスを交わそうとした、まさにその時、歐辰が血相を変えて乱入してくる。大学時代の自分と夏沫の写真を見て、断片的に過去を取り戻したのだ。赤の他人を装った理由を尋ねても、夏沫は「もう忘れて」と取りつく島もなく…。
第17話 歐辰(オウ・チェン)の陰謀
歐辰は夏沫を奪い返すため、あらゆる策を講じて洛熙から引き離すことを決意。モダンハイト社がサン芸能を買収しようとしていることを知った夏沫は、洛熙に助けを求める。しかし、洛熙から紹介されたスタープロの社長は、夏沫の母を捨てた恨むべき人物だった。サン芸能を傘下に収めた歐辰は、見事なマネージメント能力でタレントたちへの前途を拓く。しかし夏沫への処遇は驚くべきものだった。一方、珍恩(チェンエン)からの告白に戸惑う澄(チェン)はついに…。
第18話 失意の撮影現場
夏沫が生活に困窮していることを知った歐辰は、ある脚本を彼女に手渡す。視聴者の反響でストーリーが変わるという作品に準主役としてキャスティングされていたものの、夏沫が演じるのは悪役であった。生活のためにドラマ出演を決めた夏沫は、洛熙から演技のアドバイスを受ける。しかし初めての演技はぎこちなく、共演者である凌浩(リン・ハオ)や安卉妮(アン・ホイニー)、スタッフにも冷たく当たられてしまう。降板の話も出始めた夏沫に、歐辰がある秘策を命じる。
第19話 もう1人の自分
夏沫は役作りのため、歐辰の秘書として3日間を過ごすことに。そんな中、洛熙が突如としてアメリカから一時帰国し、歐辰から夏沫を奪い返す。施設育ちにとって、演じることは生きること。洛熙の助言を受け、再び撮影現場に戻る夏沫。安卉妮から容赦なく罵倒されても、逃げることなく立ち向かう。そして、悪役の悲哀を見事に表現するのだった。夏沫が洛熙を訪ねると、そこには悪夢にうなされる姿が。幼い頃の悲しい記憶が彼を苦しめていた。
第20話 屈辱と称賛
ついに「純愛恋歌」の放送が始まった。ドラマは高視聴率を収め、インターネット上は夏沫の演技で話題が持ち切りに。対してヒロインであったはずの安卉妮には、失望の声が高まる。ブレイクした夏沫への嫉妬を深める安卉妮は、演技の名目で夏沫に全力で平手打ちを。それでも気丈に振る舞う夏沫の姿は、脚本家を含めた周囲のスタッフの心を動かすのだった。夏沫の不遇を目にするも援助を拒まれた歐辰は、陰ながら支えることを決意していた。
第21話 迫り来る罠
ドラマの撮影は順調に進むと思われたが、突然インターネット上に夏沫を中傷する記事が投稿された。しかし歐辰の指図によって、安卉妮が夏沫を平手打ちする動画が出回ると、安卉妮に批判が集中する。夏沫が演じる役の人気が高いこともあり、ヒロインの座から降ろされそうになった安卉妮は、起死回生を図るべく凌浩と夏沫の浮気報道をでっち上げる。彼女は恋人を奪われた被害者を装い、カメラの前で夏沫の悪行を涙ながらに訴え…。
第22話 偽りのプライド
安卉妮の会見を受けて「純愛恋歌」の撮影は中断。暴走したファンたちは、夏沫の引退を要求する。記者やファンたちに囲まれ暴行を受ける夏沫を、身を挺して守ったのは歐辰であった。夏沫は事務所の仲間への影響を案じて、記者会見を開くことを決意。沈黙を保っていた凌浩に協力させるため、ある事実を突きつける。記者会見が始まり、夏沫は凌浩を隣に記者からの追及に毅然と答えるが、突如会場に安卉妮が現れる。彼女に弱みを握られた凌浩は…。
第23話 記憶の深淵(しんえん)で
ウソが露見した安卉妮はとうとう凌浩から絶縁される。一方、洛熙が夏沫との熱愛を公表したことで、彼女への誹謗中傷が過熱し、事務所は対応に追われることに。この騒動を収めるため、夏沫と洛熙は2人でトーク番組に出演。熱愛ぶりをアピールするが、番組を観た歐辰は心を痛め、交通事故を起こしかける。すると、そのショックでついに記憶を取り戻し…。そんな中、夏沫にヒロインが替わった「純愛恋歌」は、無事にクランクアップを迎える。
第24話 歐辰(オウ・チェン)の条件
熱愛を公表したことで、夏沫(シャーモー)と洛熙(ルオ・シー)の人気は急上昇。2人にCMのオファーが殺到する中、嫉妬に狂った歐辰(オウ・チェン)は「洛熙は映画の撮影現場を放棄した」との情報をマスコミにリークし、洛熙を芸能界から抹殺しようとする。夏沫は洛熙を救おうと映画のプロデューサーに連絡を取るが、そこに現れたのは歐辰だった。記憶をすべて取り戻していた歐辰は、「俺のもとに戻れば洛熙を許す」と夏沫に要求。そして記者会見を開き、洛熙への謝罪を述べると…。
第25話 消せない疑惑
映画のクランクインを控え、特訓に励む夏沫。付きっきりで夏沫の世話を焼く歐辰の姿に、洛熙は不満を募らせる。さらに歐辰から夏沫との取り引きを匂わされ、モダンハイト社が出資する映画の降板に踏み切った。しかし違約金を請求されないことで、夏沫への疑いを深めてしまう。洛熙は夏沫にスタープロへの移籍を迫り、自らが主演とプロデュースを務める映画のヒロイン役をオファーする。製作発表会の日、待ち続ける洛熙の前に夏沫が現れて…。
第26話 すれ違う2人
トレーニングに励む夏沫と、「天下太平」の撮影に入った洛熙はすれ違いの日々が続いていた。病院に運ばれる歐辰に付き添う夏沫の写真がネットに上がり、洛熙はますます不信感を募らせていく。誤解を解きたいと願う夏沫だったが、弟の病気が深刻であることが発覚。看病に専念しようと映画の降板を決意する。そんな中、洛熙に追い打ちをかけるように、彼の過去がセンセーショナルに報道される。傷心の洛熙を慰めたのは共演者の沈薔(シェン・チアン)で…。
第27話 涙の取り引き
夏沫は澄(チェン)に腎臓を提供しようとするが、適合度が低く移植できない。父親か母親、どちらかが違う姉弟だと告げられ、動揺しながらもドナー探しに奔走する。洛熙と沈薔のゴシップ報道が世間を賑わせる中、夏沫は何の反応も見せずにいると、とうとう洛熙から別れを切り出されてしまう。悲しみに暮れる暇もない彼女は、ようやく見つかったドナー候補者を訪ねた。その人は、歐辰だった。結婚を条件に出され、冷たく追い払われるが、澄の容体が悪化し…。
第28話 決別
夏沫に結婚を承諾されたものの、不安を拭えない歐辰。一方、未練を捨てきれない洛熙は、夏沫に本音を吐露し、復縁を懇願する。だが洛熙に夏沫がかけたのは、冷たい言葉だった。洛熙を傷つけた夏沫にファンの非難が集まると、歐辰は記者を使ってイメージの回復を図る。しかし、夏沫の出生の秘密が暴かれ、母親を中傷する記事が出回ってしまう。そんな中、結婚式の準備のためにウエディングドレス店を訪れた夏沫は、そこで洛熙に遭遇し…。
第29話 あの日の真実
夏沫は、洛熙と沈薔を追ってきた報道陣に囲まれる。そして無礼な記者から亡き母親を非難されると、思わず平手打ちをしてしまう。かつて家を差し押さえられた際、澄を助けるため暴力を振るった過去も暴かれ、騒ぎの渦中に。しかしそのことがきっかけで、差し押さえの件は沈(シェン)の指示だと分かり、歐辰を誤解していたことを知る。枯れかけていた桜の木が花を咲かせる姿に、夏沫の心も雪のように解けてゆくのだった。そして結婚式の朝を迎える。
第30話 果たせなかった約束
夏沫と歐辰の結婚式当日、式場の前に黒塗りの車が止まる。降りてきたのは沈薔、そして洛熙だった。洛熙は夏沫に敵意のある言葉を投げかけ、沈薔との結婚式の招待状を手渡す。しかし、それは2人の芝居であった。沈薔に「きちんと別れを告げるべき」と忠告された洛熙は、夏沫と向き合い、最後の話をする。結婚式が始まり、仲間たちに祝福されながら永遠の愛を誓う夏沫と歐辰。一方、洛熙の自宅を訪れたジェニーと沈薔が見たものは…。
第31話 悲しき献身
自殺未遂を起こした洛熙にショックを受ける夏沫だったが、追い打ちをかけるように澄から手術を拒まれ、ショックで倒れてしまう。澄は夏沫が腎臓の提供と引き換えに、歐辰と結婚したことを知ってしまったのだ。歐辰は夏沫を失う覚悟を決めると、澄に離婚協議書を託し、手術を受けるよう懇願する。その姿に心を打たれ、とうとう澄は手術に同意するのだった。そんな中、洛熙の意識が戻る。結婚の理由を知った彼は、夏沫に会いに行こうとするが…。
第32話 友の裏切り
無事に腎臓移植手術を終えた澄と歐辰。夏沫は2人を支えるために休業を決意する。家族で過ごす穏やかな時間に幸せを感じていた歐辰だが、その頃モダンハイト社ではCEO解任の動きが出ていた。西蒙(シーモン)だけが反対する中、歐辰の後任となったのは親友の戴維(ダイ・ウェイ)。2人の胸には創業時の懐かしい思い出が去来するのだった。潔く会社を後にした歐辰の前に、洛熙が現れる。この結婚で夏沫は幸せにはなれないと言い切る洛熙に、歐辰が返した答えとは…。
第33話 心を1つに
夏沫は解任された歐辰を心配し、旅行に連れ出そうとプランを練っていた。そんな中、モダンハイト社が盗作で訴えられる。示談ではなく、裁判で戦うことを決意する戴維。しかし相手は用意周到で、第一審はまさかの敗訴に。歐辰は私財をなげうって会社の損失を補填する。そして再び創業者の3人が集結し、会社を立て直すためのプロジェクトと、控訴審の準備を一丸となって進めていく。家族と仲間を支えるため、夏沫は芸能活動を再開するが…。
第34話 それぞれの再始動
歐辰の力になろうと芸能界復帰を決めた夏沫だが、目の前に立ち塞がるのは壁ばかり。さらには“落ちぶれた大スター”とパパラッチの標的となってしまうが、夏沫を救ったのは意外な人物だった。一方、歐辰はモダンハイト社の経営悪化の責任を問われ、社員たちから糾弾を受ける。そんな歐辰の姿を見た夏沫は、自らが降板して中止となった映画「終末の日」の製作再開を決意。真摯な夏沫の姿がSNSによって広まり、世論は変わっていき…。
第35話 別れは突然に
歐辰が描いた夏沫の絵と、ゲームに潜んでいたバグや隠し要素が決め手となり、著作権侵害をめぐる裁判はモダンハイト社が勝訴した。「終末の日」も大ヒットを記録し、お祝いムードが漂う。そんな中、澄が血を吐いて倒れてしまい、そのまま帰らぬ人となる。愛する弟との突然の別れを受け入れられない夏沫。歐辰は夏沫を現実世界に呼び戻すため、洛熙に助けを求める。少しずつ夏沫に回復の兆しが見えたころ、とあるオーディションの話がきて…。
第36話(最終話)本当の幸せ
弟の死から立ち直れない夏沫は、舞台劇のオーディションに参加したものの現実に向き合えずにいた。そんな時、飼い猫を助けようとした歐辰が足を滑らせて転落。夏沫はそのショックにより、失った感情を取り戻す。そして、洛熙に支えられながら自らがモデルの舞台を見事に演じ抜き、悲しみを乗り越えた。「終末の日」で主演女優賞にノミネートされた夏沫は、歐辰を授賞式に誘う。しかし夏沫の本当の幸せを願う歐辰は、ある決意を固めていた…。