朝鮮半島分断以来初の南北首脳会談が近づき、北朝鮮主席が韓国を訪問。韓国大統領とともに南北合同チーム出場のサッカーワールドカップ予選を観戦し、和平ムードが高まっていた。洋上のメタンハイドレート開発基地でも、次世代エネルギー開発が南北合同で進められていた。その南北責任研究員のソ・ミョンジュンとリム・ジンジェは、かつて愛し合った恋人同士だったが…。そんな中、北朝鮮軍部がクーデターを引き起こす。
メタン開発基地ではワールドカップ予選を観戦していた隊員たちの小競り合いから銃を向け合う事態へと発展するが、ミョンジュンの機敏な対応で事なきを得る。その頃、ジンジェは、メタンハイドレートのコア技術を入手せよと北から指令を受け、ひとり苦悩していた。南北合同チームがワールドカップ出場権を得た翌日、南北首脳会談と、メタン基地の本格稼働が予定されていた。だが、北朝鮮が海上攻撃を始め、基地でも重大事故が発生する。
事故はいったん収まるが、さらに重大な事故が発生。直ちに現場に向かったのは、職務怠慢から退去を命じられた北の技術者3人だった。だが、名誉挽回のチャンスと行動を起こした彼らは、防火壁によって密室に閉じ込められてしまう。救助のためにミョンジュンが現場に向かうが…。そんな中、ジンジェはコア技術を盗むためにミョンジュンの部屋に忍び込む。金庫の暗証番号が自分の誕生日だったことを知った彼女は、過ちに気づくが…。
北朝鮮主席が軍部の銃撃に倒れ、革命委員会によって占拠されたメタン基地。南の隊員たちも拘束されるが、ジンジェの助けを借りて脱出したミョンジュンは、基地内からDBNテレビの記者パク・ヘジョンに連絡する。半島旗を掲げたミョンジュンの姿が放送局のカメラによって世界に配信されるや、クーデターに非難の声が噴出し、米軍は北朝鮮への攻撃準備を開始。一触即発の危機が迫る最中、カン・デヒョン大統領にも予期せぬ事態が起こり…。
メタン基地が革命委員会に接収され、ミョンジュンら南の隊員は韓国に送還される。一方、ジンジェは実の母で委員会作戦部ハン・ギョンオクの命令により囚われ、取り調べを受ける。しかし、彼女は激しい拷問に耐え、コア技術のパスワードを渡すことを拒み続ける。その頃、韓国では脳出血で倒れた大統領に代わり、野党の大物が次期大統領として有力視され始めていた。対する大統領秘書室長パク・トミョンは意外な人物の擁立に動き出す。
北朝鮮とロシア間の取引情報を入手した国家情報院は、ジンジェにパスワードを渡したとしてミョンジュンをスパイ容疑で取り調べる。尋問を受けながら、彼はコア技術を軍部の手に渡さないようにとジンジェに伝えた時のことを思い出していた…。コア技術を大量の武器と交換する計画を進める革命委員会は、ロシアとの交渉役にジンジェを立てる。ジンジェの命が危ないと察知したミョンジュンは、パク記者とともにブカレストに飛ぶが…。
コア技術をロシアに渡すためにブカレストに送り込まれたジンジェは、厳しい監視下に置かれていた。一方、ロシアとの取引情報を得た国家情報院は、ジンジェを抹殺するためカン・ドンウォンら対北要員を現地に派遣する。そんな中、ミョンジュンは命を狙う北側からの執拗な追跡をかわし、ジンジェが監禁された秘密研究所に辿り着く。軍に捕らわれ、死と引き換えに南北統一を願う父の意志を悟った彼女はミョンジュンと逃げる道を選ぶが…。
国家情報院と北朝鮮軍部の両方から追われる身となったミョンジュンとジンジェ。ジンジェはもしものときのために自分が持っていたコア技術のデータを彼に手渡す。彼らの逃走を助けているという容疑で、ジンジェの父リム・チョルが拷問にかけられるが、その指示を与えたのはジンジェの母だった…。国外に脱出するため、ある場所に急いだミョンジュンとジンジェだったが、彼らの動きを知る革命委員会のミン・ドンギもそこに迫っていた。
ドンギに追い詰められたミョンジュンとジンジェは、それぞれの国家によって別れ別れに。ジンジェの機転でコア技術の入ったデータを守ることができたミョンジュンは無事に帰国を果たし、一躍英雄に祭りあげられる。だが、北朝鮮に連れ戻されたジンジェには残酷な拷問が待っていた。そして、父と作戦に失敗したドンギともども処刑されることに…。一方、ミョンジュンは研究を再開するが、南北の壁が立ちはだかり何もできず苦悩する。
巨大な国境の壁の前に、科学者としての限界を噛み締めたミョンジュンは、トミョンの提案を受け入れる決心をする。それは、国境に阻まれ、愛する人と共に暮らすというささやかな夢さえも叶わぬ現実を変えるため、韓国の大統領選に立候補するということだった。一方、北朝鮮軍部はそんな南の動きを注意深く見ていた。南北の対立ムードが漂う中、立候補したミョンジュンの記者質問に対する発言が、大きな波紋を呼んでしまう。
「北は敵ではない」という発言により、国民の激しい反感を買ってしまったミョンジュン。トミョンは撤回するよう説得するが、ミョンジュンは「相手を敵と決めつけた瞬間、平和も統一も望めなくなる」と信念を曲げない。だが、北の攻撃で命を落とした兵士の遺族らが選挙事務所前に押し掛け、彼は自分の言葉が多くの人たちを傷つけたことを思い知る。そんな中、ジンジェの父リム外相が処刑されたことを知ったミョンジュンは彼女の身を案じ…。
次に処刑されるのはジンジェかもしれないと思い、衝動的に北へと車を走らせたミョンジュン。国境を目前に国家情報院カン・ドンウォンに制され事なきを得るが、己の無力さに打ちひしがれ、北への憎悪で信念が揺らぐ。だが、苦しみながらも信念を取り戻したミョンジュンは、殉職兵士の遺族たちを一人一人訪ねることで、前に一歩踏み出す。一方、ジンジェは彼女を愛するドンギの保護下に置かれるが、すべてに絶望した彼女は自殺を図り…。
殉職兵士の追悼会に参加したミョンジュンの平和についてのメッセージは、多くの人の心を捉え、彼の支持率は上昇し始める。こうして選挙戦は上々のスタートを切ったかに見えた。だが、党内候補選の開始後間もなく、韓国に潜入してきたドンギがミョンジュンの前に現れる。ドンギはミョンジュンが北に行けばジンジェが助かると、彼に北へ来るよう強く促すが…。その頃、北では病院から連れ出されたジンジェが、再び過酷な状況下に追いやられ…。
北に戻ったドンギからミョンジュンの写真を見せられたジンジェ。彼女はミョンジュンが幸せに暮らしているのを確認すると、人民大会に出て革命政府に忠誠を誓うとドンギに伝える。一方、ミョンジュンは、国について学びたいと、全国を自転車で縦断する“国土大長征”の旅に出る。対立候補のオ・チャンイルらがマスコミを操り、寂しいスタートを切るが、ネットコミュニティを通じてミョンジュンの意志に賛同する人々が次第に増えていく…。
自転車で全国を駆け抜けるミョンジュンを、半島旗がたわわに実る“希望の木”が歓迎する。ネットコミュニティを通じて希望の木が話題になると、伴走者は増え続け、遂に彼らは韓国最北端、南北を分ける鉄条網の前にたどり着く。その頃にはミョンジュンの支持率は勢いを増し、対立候補のキム副大統領やオ候補は危機感を抱き始めていた。一方、北では意を決したジンジェが人民大会に出席。だが、誰も予想しなかったことがそこで起きてしまう。
ミョンジュンの国土大長征は大成功を収め、キム副大統領は彼に平和党の大統領候補の座を無条件で引き渡す。そしてミョンジュンの支持率はオ候補を上回り、トップに躍り出る。その頃、軍部を欺いたドンギの助けにより脱北に成功したジンジェは、母親が北朝鮮軍の大将に昇進した事実を重要視する国家情報院から、疑惑の目を向けられていた。ジンジェが韓国にいると知ったミョンジュンは、すぐにでも会いに行きたいと思うのだったが…。
ジンジェとの関係を批判的に報道する記事がマスコミを賑わせ、ミョンジュンの自宅前に記者たちが大挙して押し寄せる。沈黙を貫くミョンジュンに非難の声が高まる中、オ陣営はこの情勢に乗じて反撃を開始。ミョンジュンの参謀たちはあらゆる手を使って対抗しようと奔走し、トミョンは密かにジンジェを訪ねる。「お父上の夢だった統一をソ博士が実現しようとしている」と話すトミョンに、真意を理解したジンジェは協力を申し出て…。
ようやく再会を果たしたミョンジュンとジンジェ。だが、彼女はミョンジュンのため、秘かに韓国から去る決意をしていた。そしてパク記者の協力のもとで公式記者会見を開くと、自分からミョンジュンとの恋愛関係を否定し、ミョンジュンの窮地を救おうとする。そのとき、ミョンジュンがその会場に突然現れる。そして、記者たちの前で彼女を抱きしめ、ジンジェへの永遠の愛こそが半島統一を目指す大統領候補として必要なのだと語り始める。