第48話 出所の分からない密書

武媚娘は、ひとまず徐慧を信じることにするが、徐慧は武媚娘を排除すべく、更なる策謀を巡らす。李世民の娘である高陽公主は、高名な僧侶、弁機と逢瀬を重ねていたが、それを知った李世民より房遺愛との結婚を命じられてしまう。高陽公主を、武媚娘は巧みになだめるのだった。同じ頃、複数の朝臣の元に密書が届く。密書には、武媚娘が密かに行軍し、軍略にも干渉したと記されていた。危機感を抱いた朝臣たちは武媚娘排除に動き始める。

第49話 大臣たちの嘆願

長孫無忌は李淳風の墓参りに来ていた袁天罡を説得し、李世民に武媚娘が女帝武氏か否かを占卜で決着つけるよう進言する。朝臣たちも長孫無忌に呼応し、甘露殿の外でひざまずいて占卜を嘆願するのだった。甘露殿での一部始終を目にしていた雉奴は、武媚娘の元へ行き、その身に危険が迫っていることを伝える。朝廷内での協力者が必要だと考えた武媚娘は、李義府の存在に目をつけ、自分の味方につくよう説得を試みるのだったが…。

第50話 涙の決別

袁天罡の占卜を嘆願する長孫無忌ら大臣を納得させるため、李世民は武媚娘を高陽公主の侍女とし、高陽公主を房府へ嫁がせる際、宮外へ出すと約束する。武媚娘は、自分が北方の戦地に行ったという秘密を長孫無忌らに暴露したのは徐慧だと確信し、廃太子が謀反を起こすよう仕向けたことや文娘を殺害したことなどを徐慧に問いただす。すると徐慧は開き直ってすべてを認め、武媚娘が宮中にいる限り、自分は幸せになれないと断言するのだった。

第51話 募る想い

房遺愛に嫁ぐも高陽公主は弁機と逢瀬を重ね、武媚娘にとがめられても聞き入れない。一方、唐の将来を案じる長孫無忌は、武媚娘を密かに始末するよう房玄齢に頼む。だが武媚娘を信頼し始めていた房玄齢は拒否、立腹した長孫無忌は蕭瑀を使い、房玄齢を弾劾する。同じ頃、武媚娘は李義府と長孫無忌を倒す策を練っていた。李義府は長孫無忌が関与する不正の証拠を見つけるが、奏上しようとした矢先、長孫無忌に先手を打たれてしまう。

第52話 駆け落ちの結末

李世民の病状を心配した武媚娘は誓いを破り李世民と再会する。翌日、高陽公主と弁機は駆け落ちを試みるも、2人は捕らえられてしまう。高陽公主は李世民に弁機の命乞いを必死にするも聞き入れられず、弁機は処刑されることに。そんな李世民に高陽公主は父娘の縁を断ち自分も死ぬと言い放つ。その言葉に怒り心頭に発した李世民は再び倒れてしまう。そして自らの死を悟った李世民は、後事を託すべく褚遂良などの重臣を呼び出すのだった。

第53話 太宗崩御

死を目前にした李世民は、長孫無忌から再び武媚娘の誅殺を訴えられるが聞き入れず、武媚娘を政務に関与させないと約束することで、長孫無忌を納得させる。武媚娘は李世民の最期に立ち会うため駆けつけるが、甘露殿に入る手前で李世民の臨終を知らされ、悲しみに暮れる。一方、監禁処分となっていた徐慧は李世民の崩御を知り、武媚娘を呼び出して許しを請う。だが武媚娘は“一度壊れた友情は元に戻らない”と言って冷たく突き放す。

第54話 胸に秘めた想い

楊青玄は安州に左遷された呉王のもとを訪れ、長孫無忌や李治への警戒を怠らないよう言い含める。ところが 折しも長孫無忌が安州に遣わした間者が何者かに惨殺されるという事件が起こり、李恪は不安を抱く。同じ頃、武媚娘を忘れられずにいた李治は感業寺のそばにある西郊禁苑で剣の稽古に励んでいた。李治と武媚娘の間を取り持とうと考える高陽公主は感業寺を訪ねるものの、武媚娘から妊娠と逃亡の計画を聞かされ衝撃を受ける。

第55話 腹心の奏上

李治は現状を打破するため、安州にいる李恪を呼び戻すことを決心する。そして腹心である許敬宗に奏上させるが、許敬宗は王仁祐に弾劾され左遷させられてしまう。李恪を呼び戻す道が遠のき李治はいら立つのだった。一方、皇后は李素節に不遜な態度をとられ、その怒りの矛先を李素節の母親である蕭淑妃に向けていた。皇后は蕭淑妃から李治の寵愛を奪おうと画策し感業寺の武媚娘の元を訪れる。だが武媚娘はすでに感業寺を後にしていた。

第56話 新たな火種

林の中で武媚娘に追いついた李治は刺客に襲われるが、折よく現れた李恪たちに助けられる。李恪は格闘の混乱に乗じて、侍従となっていた長孫無忌の間者を殺したため、長孫無忌からは異心があると見なされる。李治は手柄を立てた李恪を重臣に抜擢しようとするが、長孫無忌に反対され、やむなく別の任務を与えて長安に留まらせる。一方、武媚娘は先帝の子を懐妊したとして皇宮に迎え入れられたが、子を出産したら皇宮を離れるつもりでいた。

第57話 帝王の術

李治は武媚娘と共に、長孫無忌を懐柔する方法を話し合う。2人の考えは、寒門を取り込むことで一致していた。李治は寒門の子弟として李義府と許敬宗に目をつけ、立身出世と引き換えに重臣たちを弾劾するよう命じる。許敬宗の命令を受けた魯世寧は、重臣である長孫無忌を弾劾するが、李治はわざと長孫無忌をかばい、恩を売るのだった。一方の李恪は、自分と同じく長孫無忌に疎まれている房遺愛と薛万徹、柴令武と共に酒を酌み交わす。

第58話 皇后からの贈り物

武媚娘の策が功を奏し、李恪は長安に留まり要職に就く。だが長孫無忌から李恪に不穏な動きがあると聞かされた李治は、李恪の様子を探るため、要職の人選を任せ監視をつける。そんなある日、王皇后は武媚娘が宮中に戻ったことを祝う宴を催し、武媚娘に菊の花の刺繍を贈る。一方、素節が武媚娘から理不尽な仕打ちを受けたと信じて疑わない蕭淑妃は、李治に武媚娘を罰するよう懇願、武媚娘は内侍監へ呼び出されるのだったが…。